チェチェンの呪縛 紛争の淵源を読み解く

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著者 : 横村出
  • 岩波書店 (2005年7月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000238298

チェチェンの呪縛 紛争の淵源を読み解くの感想・レビュー・書評

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  • 10年少し前のレポートだが,そう簡単に問題解決されるはずもない.第4章「カフカスは何を信じるか」で,この辺りの歴史が簡潔の述べられていて,わかりやすかった.中国の少数民族についてもそうだが,弱いものが蹂躙されて行くのは本当にいたたまれない気持ちになる.

  • 私の知らない世界だった。
    読み進めるのが辛かった。

  • チェチェン紛争のみならず、チェチェン人全体についての理解が進んだ。日本人だから分からないではすまされない。ソチ五輪の裏にあった、もう一つのロシア。

  • 2002年のモスクワ劇場占拠事件、2004年のベスラン学校占拠事件等、テロが止む事がない世界。

    この書は特に第二次チェチェン戦争を扱っています。
    何の為の戦争なのか?
    チェチェンをめぐって真実が語られる事は少なく、
    ロシア政府側も独立派側も一方的に述べられている主張は
    断片的なものに過ぎない。
    だからこうやって外国人である日本人が伝えるのは、
    意義深いんぢゃないかな...。


    3年半の間、危険に身をさらしたレポートは非常に生々しく
    ポートレートと共に物語っています。
    本当に生々しい写真の数々。。。

    蜂の巣の様に砲撃を受けた壁
    聖母子を描いたイコン
    戦闘にのぞむ兵士たち
    地雷で負傷した少女
    人身売買、売春
    掃討作戦の模様
    押収された武器、弾薬、ロケット弾、手榴弾、無線装置
    戦火を逃れても不法移民収容所に入れられたチェチェン人の難民達
    拷問を受けた後に殺害された青年
    イングーシのチェチェン難民キャンプでの子ども達の様子


    このチェチェン戦争の本質は資源争奪を巡る経済戦争。
    ロシアにとって、チェチェンを失うことは、
    直ちにアゼルバイジャンの独立志向を刺激し、
    黒海沿岸を含めた資源戦略に支障を来すことになります。

    だから長年、ソ連邦時代のゴルバチョフ、
    ロシア共和国としてのエリツィン、プーチンともに、
    実に強硬で大量の軍隊を送り込み、徹底した弾圧を加えて
    チェチェン人を掃討作戦を展開した訳です。

    こうしてロシアはアゼルバイジャン石油利権を占有することに
    成功。以降、ロシアは石油資源によるお金持ち国家への道を
    手に入れ、「債務国」から「資本供給」を担う「債権国」への
    転換をとります。

    そして経済戦争であると同時に、エリツィン、プーチン両
    政権を通じて常に政権を浮揚させる梃子として利用されて来た
    現実も書かれていて、穏健派のマスハドフが殺害された事も
    ここから分かります。
    異なる意見を持つ人々に「分離主義」とレッテルを貼っては
    弾圧し、それを自らの政治生命の維持装置にして来たロシア政権。


    ロシアもチェチェン武装勢力も、イスラム原理主義者も皆が血を流しつつも得をし、血を流して全てを失うのが「市民」という構造を如実に描いた一冊です。

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