知の歴史学

  • 岩波書店 (2012年12月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784000238779

感想・レビュー・書評

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  • 推論のスタイル、というアイデアが面白かった。
    このスタイルによって導入される理論的な対象物という考えや、真理や虚偽すらもこのスタイルの中で検証されるものとして現れるという見方は、実在、非実在、のどちらとも異なる視点を与えてくれた。
    また、推論のスタイルそれ自体がスタイルの正しさを自分のスタイルが導入する真理によってしか証明できないという自己言及的な性質も面白いと思った。
    科学的思考や魔術的思考なども歴史的に現れた一つのスタイルとみるのは新たな視点だった。

    あと、人々を作り上げるというアイデアも面白かった。
    著者のいう動的唯名論、ある概念が生み出されると同時にそのカテゴリーに属する集団なるものも現れてくるというのは面白かった。
    子供の成長という概念であったり、ptsdやトラウマに関する話も面白かった。
    著者が何度も言及するフーコーの著作も読んでみようと思った。

    ハッキングにおける存在者というのは、人々によって実践的に働きかけられ、逆に人々に実践的に働きかけるものとして理解できると思う。
    頭の中だけで考えられた思考ではなくて、装置、制度、場所、記述、行為、などから生まれてきて、さらにそれらに影響を与えるものとして考える点が面白いと思う。

    こういった理解は存在というものに対しての説明ではなく記述てきな態度だからこそわかりやすいのかなと思った。
    ただそれゆえに規範的な言明を導くことはできないのかなとも感じた。

  • 第一章 歴史的存在論
    自らのとる立場を表す歴史的存在論というラベルの意味の説明。ある選択された対象とそれを対象化する可能性の総体について論じようというフーコー由来の立場。明快でわかりやすい。フーコーの入門的解説としても有効ではないか。

  • 訳者:出口康夫(文学研究科)、大西琢郎(文学研究科)、渡辺一弘(文学研究科)

    (「BOOK」データベースより)
    概念分析とフーコー流の知の考古学とを織り合わせ、現代哲学に大きなインパクトを与え続けてきたイアン・ハッキング。みずからの方法を「歴史的存在論」という形で提示した論文をふくめ、『言語はなぜ哲学の問題になるのか』から『何が社会的に構成されるのか』に至る、四半世紀にわたる多彩なテーマと活動を一望する論集。著者自身による「ハッキング入門」。

  • あんまりおもしろかったのでお楽しみ文化消費として取り扱い.

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