知的障害者が少女を殺害した事件を扱ったもの。知的障害者の取り調べや弁護団の法定戦術などが主なトピックで、精神鑑定については軽く触れられているのみ。しかも弁護団が途中で交代して方針が180度変わったため、記載内容もやや混乱している。
・知的障害の人たちは取り調べ段階で意味も分からずに肯定したり、やたらと迎合的になることも多く、証言内容はあまり信頼できない
・責任能力について、弁護団は当初、無罪を主張していたのでこれを争わなかったが、弁護団が交代して一点、心神耗弱・喪失を主張するようになった。鑑定人として高岡健が選ばれ、クレッチマーの短絡反応が持ちだされた。すなわち、原始反応として爆発反応と短絡反応があり、前者が運動暴発や記憶の欠損を伴うのに対し、短絡反応はより複雑な行動をとることがあり、体験刺激に対して断片的な人格を介して反応行動に至る。
少女に「バカ」と言われただけで殺害に及んだという行為は入力に対して出力が過大であり、断片的な人格のみを介している(弁識能力が障害されていた)ことを示しているという鑑定結果であったらしい。
これだと激情型の犯罪はすべて責任能力の障害ということになるのだが、、、
裁判では鑑定は採用されていない。