デザインのデザイン

著者 : 原研哉
  • 岩波書店 (2003年10月22日発売)
3.88
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000240055

デザインのデザインの感想・レビュー・書評

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  • 無印良品のデザインを手がけている原研哉さんの本です。
    デザインとは何かという彼の考えを述べる部分から始まり、それまで手がけてきた仕事を順々と紹介しています。

    松屋銀座のリニューアルオープン、無印良品、愛知万博など、有名な仕事が多いので、読んでいてなるほどそういう意図があったのかと納得させられます。
    挿絵の写真も多くてレイアウトも素敵なので、とてもおしゃれな本だなとも思いました。

    私はこの人の考え方がとても素敵だと思います。
    ものをデザインするということは、そこに自分がこのものがこうあってほしい、こういう意識を持って使って欲しいと思う希望を込めることだという仕事に対する姿勢も素敵だと思うし、今まで日本で受け継がれてきているものを再発見して新しいデザインにするというのも素敵だと思います。

    本の中で日本人の美意識や伝統的な日本の美についても書かれています。
    明治の文明開化以降、日本は西洋の模倣に躍起になっていますが、日本的な美しさも捨てたものじゃないという主張は共感できるなと思いました。
    私たちの中にある美しさの基準は、きっと今まで連綿と続いている文化の中にあるはずです。
    日本の文化のことをもう少し大切にしたいと思える本でした。

  • デザイナーとしてのマインド。
    全然知らなかったデザインの歴史について触れていた。

    デザインだけでなく経済的な視点からもデザインを捉えている。
    本の中で言う大局を捉える。ということに経済について考えることも含まれているんだろうな。
    むしろそれがわからないと良いデザインはきっとできない。

    原さんは文章の書き方もうまい。
    本を書くこともデザインだというふうなことを言っていた。
    きっと訓練すれば身につくことなんだから自分もやってみよう。

    なんか、すごく感動している。
    デザインというものに携わる。とあのとき決めてよかったと嬉しく思ってる。(留年した後の就活)
    実際にやることは地道なことだったり、初めてやることばかりで思う通りにいかないことばかりだけど、
    こんな人たちがつくってきたデザイン業界の今にいると考えるととても嬉しく、背筋が伸びる。
    (ちょっとうまく言語化できていないけど)
    もっとデザインが好きになった。
    決してファッションや賑やかしなんかではない。

    逆に、こんな考え方を知らずによくデザイナーになろうなんて決めたな。
    なんか失礼だ。笑

  • もう随分と昔の本なのだと巻末を見て思ったが、そんなことは感じさせない新しさ普遍性がある。
    2016/1/27
    ウユニ湖のど真ん中での無印良品の広告の撮影の時にカメラマンが、「4mの高さから撮りたい」と言ってしぶしぶ足場を溶接して組み上げ、上がってみたら「なるほどこれか」と感じたという話が何故か心に残っています。

  • デザインといえばどこか耳触りがよく、かっこよくてスマートな印象を受ける。でも、そもそもデザインってなんだろうか。そう聞かれると、そういえばなんだっけと首を傾げるひとは多いはず。

    デザインとは、ものごとに潜む問題の本質を見つけだし、解決するプロセスだと、原さんは言う。
    たとえば原さんがデザインに関わる無印良品のプロダクトのひとつひとつは、私たちの日常生活にある問題に光をあてている。
    それらは問題の存在に気付かせ、さりげないやりかたでそれを自然な方向にずらしてくれる。

    つまり、ただ表層だけ綺麗で、実態としては消費者の欲望を喚起するだけのものはいいデザインとは言えない。

    そうした美しさに対するセンスが、日本人にあるかというと、どうなんだろう。巷にあふれる粗野なデザインは、日本人の美的センスを反映したものなんだろう。

    だからこそ、いいデザインを積み上げることでそうしたセンスをエデュケートできると原さんは言う。
    それは、できればいいな、ではなく、グローバル化する経済のなかで、デザインの面で競争力を高めるためには、社会的土壌としてのひとびとの高いセンスが必要であり、いいデザインがそれをひっぱっていくことが必要だってこと。

  • 岩波新書の『日本のデザイン』に感銘を受け、原研哉氏の著書を遡って読んでみたのだが、こちらも名著。
    特に、私のようにデザインの門外漢にとっては第五章「慾望のエデュケーション」が秀逸。企業活動(特に「これからの」)やもっと広く社会におけるデザインの役割あるいはデザインというものの位置がよく分かるというか、考えさせられる。
    デザイン = 単にカッコいい形、あるいは使いやすい形ではないことが分かる。帯の深澤直人氏の推奨の言葉の通り、デザインを分かっているつもりの人にとっても、デザインって何なんだ?よく分からないと思っている人にとっても、いくつもの気づきのある一冊と言える。
    教科書!

  • 見慣れたものを未知なるものとして再発見を促すこと。ものの見方は無限にあり、平凡に見える生活の隙間からしなやかで驚くべき発想を次々に取り出す独創性こそデザインに求められている。

  • デザインってなんだろうともう一度考えてみるにはちょうどいい本。

    本人がデザインしたもの以外にも、RE DESIGN展で他のクリエイターに依頼したものなど、ちょっとしたところにデザインが威力を発揮するものがあることは知っておきたい。

  • アートとデザインはどこが違うのか?
    「アートは個人が社会に向き合う個人的な意志表明であって、その発生の根源はとても個的なもの」。対し、「デザインは基本的には個人の自己表出が動機ではなくmその発端は社会の側にある。社会の多くの人々と共有できる問題を発見し、それを解決していくプロセスにデザインの本質がある」。
    非常に納得のいくわかりやすい説明に大きく頷きました。

  • デザイナーは薬局ではなく医者であるべきだって話が面白かった。患者の症状に合わせて頭痛薬や解熱薬を提供することも価値があるが、デザインの本質を鑑みると、患者の症状を分析し原因を特定した後に、効果のある薬を処方するべきだという考え。問題解決としてのデザインを象徴する良い例だと感じた。

  • 刺激的な一冊。デザインというものに奥行きがあることを教えてもらえる一冊。

    情報というものを立体的に捕らえているんだろう。この著者は。

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