デザインのデザイン Special Edition

著者 :
  • 岩波書店
4.16
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本棚登録 : 282
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000240253

作品紹介・あらすじ

「デザインのデザイン」から「DESIGNING DESIGN」へ。日本から世界へ、デザイン思想を問いかける一冊。国際出版を経て、テキスト倍増、図版満載で特別編集の日本語版。

感想・レビュー・書評

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  • 〈要約〉
    デザインはアートと違って課題を解決する目的を持っている。既知のものを未知化するのもまた創造。
    それは、耳を澄まし目を凝らして、生活の中から新しい問いを発見していく営みである。
    デザインは情報の建築ともいえる。感覚とは「すべて皮膚の上の出来事である」といえる。複数の感覚によって集められた感覚刺激が脳の中で噛み合って「イメージ」が生まれる。デザインのフィールドは視覚だけでなく、人間の「感覚」である。
    そして、大事なことはここでの情報は感覚器官からもたらされる外部入力だけでなく記憶も材料として活用されている。
    無印良品は「が」ではなくて「で」でいい。これは、世界においてバランスさせるために必要な価値観である。そして、そのシンプルさは!どんな状況にも対応できるという見立てを意識したデザイン。
    〈共感出来たところ〉
    ・情報過多と言われるが、その「過多」なものが実際には半端な情報であることがストレスなのでは?なぜなら、人間は情報の多さを好む。豊かで密度の高い情報量によって世界
    感じ尽くしたいと思っているはず。
    ・センス・ドリブン!!!まさに私が思ってたこと〜「メッセージと同じくらいマッサージを必要としている」沁みる言葉。。
    ・「情報を慈しむという点で書籍の魅力を意識している」「情報は一つのゆで卵である」
    ・「知ってる、知ってるはまるで思考の終止符のように会話を完結させてしまうのである」
    ・「認識を肥やすこと」世界の見方は無数にあり、それらを目覚めさせ活性化させることが物と人間との関係を豊かにする。

  • 5年ほど前に「デザインのデザイン」を読んだので、改めてSpecialEditionを読みました。

    まさにデザインのデザインと評するに相応しいいくつかの展覧会の説明会からはじまり、各デザイナーの作品の写真、それに対する原先生の説明が書かれています。
    分厚い本もわくわくする作品紹介からはじまるので、どんどん読み進めていきたくなる楽しい本です。

    原先生が言いたいことをすべて理解するのはきっと難しいですが、美しく完成された作品だけがデザインなのではなく、そこに行き着くまでの考え方や過程を含めて人を惹きつけるのだと感じる各作品の構想を教えてくれます。

    一番ぐっときたのは、「あったかもしれない万博」という章の最後に書かれていた以下の文です。

    “何かを否定するだけのメッセージを作ることに僕は興味がない。デザインは何かを計画していく局面で機能するものであるからだ。環境問題であれ、グローバリズムの問題であれ、どうすれば改善に向かうのか、一歩でも好ましい方向に進めるにはどうすればいいのか。そういうポジティブで具体的な局面に、ねばり強くデザインを機能させてみたいと考えている。そういう意味では、僕の万博はまだ終わっていない。”

    環境問題で批判にあい、構想しデザインを進めていた森の中で万博を開催することができなかったという章の最後の文です。
    素晴らしいデザイナーは世界を正しい方向へ導こうとする熱意があるように思っています。少しでも好ましい方向に近づけていこうという思想が、人々の心に届くようなデザインを生み出すのだと改めて感じた箇所でした。

  • 「ビジュアルコミュニケーション応用研究」
    里見慶先生 参考図書
    https://library.shobi-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=00081107

  • 思考の終止符、知識の獲得はゴールではない
    という章に書かれてあったことが印象的だった
    あらゆる情報を簡単に手に入れられるようになった現在、情報や知識をマウントを取るための道具に貶めてしまっている気がする
    情報自体には大した価値がなくなっている時代にも関わらわず

  • 0071
    2018/10/06読了
    分厚い…。
    教科書で読んだのはどれだったんだろう。
    内容はどれも面白かった。
    愛・地球博の章は気になるなあ。
    実現してほしかった。
    基礎デの授業はやっぱり楽しそうだ。

  • 全ての人に読んでほしい超名著。
    私にとっては、所謂、人生を変えた一冊。

  • 自分の世界を広げてくれた一冊です。
    生活の中のデザインを考えることは一生の楽しみになったと思います。

    大分県立芸術文化短期大学:
    美術科 教員 谷口能隆

  • 自分たちの生きる世界をいきいきと認識すること
    感覚を覚醒させ、世界を感じ直していくこと
    丸いボールに触れ続けると上達へ向かう

  • 知識を蓄積し,見える化するinformationに対し,いかに知らないかを覚醒させるexformationという視点が新鮮だった.
    この考えは何かに応用できないか.

  • デザインとはなんだろうか?
    美しい構図? 使いやすい形? カッコいい造形?
    絵画もデザインと言えばデザインだろうし、建築の設計もデザインだろう
    文房具にもあらゆる種類のデザインがあるし、街にある広告はなんてカラフルなデザインばっかりだろう そもそもデザインされていないものがこの世にあるのだろうか?

    この本はそんなデザインとはなんぞやというなんだか小難しそうな哲学的なような命題を
    小気味よく、軽快に述べている
    デザインはなにもデザイナーさんだけのものではない
    むしろあらゆる職業についてまわる概念だ

    小難しい命題を分かりやすい文章で読んでみる
    しかもデザインという華やかな題材だ
    知的な本を読みたいあなたにオススメの一冊

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著者プロフィール

グラフィック・デザイナー。1958年岡山市生まれ。武蔵野美術大学教授。日本デザインセンター代表。
文化は本質的にローカルなものととらえつつ、日本を資源に世界の文脈に向き合うデザインを展開している。広告、商品、展覧会、空間など、多様なメディアで活動。
著書は『デザインのデザイン』(岩波書店/サントリー学芸賞受賞)、『白』(中央公論新社)ほか多数。

「2014年 『みつばち鈴木先生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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