テロリズム 聖なる恐怖

制作 : 大橋 洋一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 22
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000240345

作品紹介・あらすじ

文明の深奥には野蛮が潜む-。われわれがまさに直面しているこの人間の悲劇的宿命は、いかに回避することができるのか?破壊と創造の弁証法からたどるテロリズムの系譜。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の本質に内在する聖なるものの二面性に注目

    「いかなる支配形式も理性形式も、みずからの核心にある非理性の要素にしかるべき敬意を払う」。

    2001年の9・11以降、テロの連鎖は止むことはない。本書はそのテロリズムの歴史的経緯を説明するものでもなければ、現代政治学の文脈でその連関を読み解くものでもない。原題は「聖なる恐怖」。人間の本質に内在する聖なるものの二面性に注目するスリリングな一冊だ。

    創造と破壊、そして理性と狂気、自由と抑圧、自愛と自死、その具体的現象として文明と野蛮……。精神と肉体が分かちがたく結びついているように、こうした相反する性向はともに人間に潜在する。著者はギリシア悲劇から近代文学、さらにはフロイトの無意識など豊富な事例を取り上げながら、この人類の宿命ともいうべき二律背反を批評する。

    決して読みやすい本ではないし、表題に掲げられた「テロリズム」が何なのか明瞭に分かるわけでもない。そして読後に残るのは圧倒的なまでの絶望感だ。戦慄する深淵に対して、ひとは蓋を使用とするのが常だろう。しかし闇をまじまじと見続けることも時には必要であろう。

    明るくほほえむだけが人間のすべてではない。

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著者プロフィール

1943年生まれ イギリスの批評家・思想家 マルクス主義をベースに文学・政治を論じる。『文学とは何か』『イデオロギーとは何か』などその著作のほとんどが翻訳されている。

「2017年 『アメリカ人はどうしてああなのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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