都市と緑地―新しい都市環境の創造に向けて

著者 : 石川幹子
  • 岩波書店 (2001年1月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000241175

作品紹介

「都市の肺」とも呼ばれ、市民の憩いの場であり、都市環境にとって重要な意味をもつ緑地は、近代都市が形成される中で如何に生まれ、現在に至ったのか。欧米における公園の誕生と発展、近代日本への導入とその後の展開を検討し、緑地を都市の社会的共通資本と位置づけることで、二一世紀の都市環境の姿を提示する。

都市と緑地―新しい都市環境の創造に向けての感想・レビュー・書評

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  • 急速に都市が発展した20世紀。王侯貴族の庭園が公園となった西欧の都市、公園を計画的に組み込んだアメリカの新都市、グリーンベルトと田園都市思想、寺神社景勝地ベースだが開発優先だった日本。

    これからの縮小時代、再緑地化というのも選択肢かも。

  • 行政が収益を上げることに抵抗を感じていたけど、明治の浅草公園整備の時からやっていたこと。国民全体に負担をかけず、受益者負担の良い取り組みと考えよう。
    独立財源で戦前は整備する力の入れよう。
    上野が一番最初の公園。山下が一番最初の臨海公園
    23区が過密で緑がないからこそ多摩の生きる道がある。どこまで過密でいられるか、ぎりぎりまで過密で良いのではないか。憩いは地方に求める。大雨が避けられるには最低どれだけ緑があれば良いか。
    公園建設による不動産価格の上昇は、日本では自然と固定資産税で上がる。
    公園は文化的空間という認識が強い。公園内の公共施設の林立は公園法の不備。

  • 本書は、近代において都市計画とともに発展していく緑地をめぐる考え方を、各国の実例を挙げて年代に沿うかたちで解説している。近代の緑地計画・緑地思想への入り口、教科書として個人的に活用させていただいた。

    近代的な都市計画は欧米において誕生し、日本はその後を追い、学ぶ形で導入していく。
    個人的な興味を日本の児童公園(街区公園)に置いて読んだが、その成立過程を追っていくと、明治期から昭和初期に日本に紹介・導入された、外国における都市計画思想とその実例へと繋がっていく。

    本書は、日本(特に東京)の緑地・緑地行政をめぐる現状を、都市計画思想の不完全な理解、財政的な困難、膨張・成長していく経済・都市圏への妥協であった事を示唆する。
    児童公園の重点的配置も、削減されていった緑地に対する次善策という見方ができる。

    東京の都市計画において、緑地の重要性が最も認識され、また大規模な土地取得が実現した時代が、防火帯としての機能も期待された軍国主義の時代であったのはどういう皮肉だろうか。

    明治期から戦前期、日本の都市計画は常に東京から始まった。近代的な都市計画、公園・緑地行政が地方へと模倣され、拡散した。
    戦後、東京は取得した資産としての緑地を擦り潰し、建物の高容積化・高密度化の道を突き進む。
    戦前に立案されたパークシステム型土地区画整理事業を持続的に遂行し、美しい街区を形成するに到ったのは、(一部の)地方都市のほうだったという事実には、言い様の無い気持ちになる。

    著者は、都市の拡大に終止符を打ち、緑地の資産的価値を永続的に確保することの重要性を説く。
    しかし、それを夢想と感じるのは、悲観的過ぎるだろうか。

  • 分類=都市・自然・緑地。01年1月。

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