ナイトメア―心の迷路の物語

著者 : 小倉千加子
  • 岩波書店 (2007年3月27日発売)
3.03
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  • レビュー :23
  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000241618

ナイトメア―心の迷路の物語の感想・レビュー・書評

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  • 「シュレーディンガーの猫―パラドックスを生きる」を読んで隣にこの本があったので借りてきた。色々なものが一冊に濃縮されていて、このページ数ってすごい。


    10~20代の時に読んでいたならば、ナイトメアに120%同調してしまっていたと思う。そして頭がぐるぐるになってしまっただろうから、今読んで良かった。今は「母親恐怖」のナイトメアが「母ナイトメア」になってしまったので、残念ながら恐怖の対象だった「母親」の心理もわかるようになってしまった。実践で母というものを理解する過程でかなり混乱して、狂ってしまうのかと思った。


    愛着や依存、機能不全の家族について描かれているⅡがすごいな…と。母親になって苦しい気持ちがこれでわかった。息子と娘を見る目が明らかに違う自分の心理がこれでわかった。なんか…こわいそして哀しい。


    物心ついた時から色々なものから解放されたくって、そして、あまり世の中に疑問を感じずのびのびと生きたいと思っていたけど、いくらどう頑張っても無理。息苦しさは変わらない。強靭なナイトメイアになりたいと思うけど、それも生きづらいだろうし。女っていうものは厄介でこわい。そしてちょっと悲しくなった。

    母親からの「生き直し」を迫られるのって本当につらい。ナイトメア母の『自分がどんなに反対しても、昔から言い出したら聞かない子だし~』=78ページ=も。読んでいて昔、深く突き刺さった棘がチクッと痛んだ。

    色々な本を読み漁り、自分でうっすらと気がついていたけど、夫に母を求めていたんだ…ってこの本を読んでハッキリとわかった…。読んだ瞬間に「あ~…やっぱり…」と思った。もっと早く早く読みたかった。

  • ちょっとジャンルわけに迷いますが。

    「ナイトメア」から受け取った手紙を主人公が簡素にまとめて分析するのみで物語のほとんどが進んでいく。

    ナイトメアは病んでいるけど病状の報告とかではなく、生育環境を客観的に見た報告や不安、兄と自分を母がどのように見ているかの淡々とした描写などに終始して「助けて欲しい」などのサインは出さない。結局主人公とナイトメアは自然消滅的に書簡のやり取りはなくなってしまうんだけど、「これほどつよいナイトメアは地上にはいない」というような一文にナイトメアの苦痛を唯一理解してたんだと思わせた。

    あと、「彼女は」じゃなくて「ナイトメアは」ってなってるのがすごく効果的。

    私は薬です。

    が、イコールでナイトメアに結びつく気がした。

  • ナイトメアを持つ彼女。現代で、現実で生きる「女」という殻の「自分」と「自分」の中の「自分」矛盾を感じながらも溶け込まなければいけないの?という葛藤。人でありながら女でなくてはという見えないプレッシャー。
    ナイトメアは最初のナイトメアでした。 ナイトメアに共感し、また自分もナイトメアなのではないか?(彼女より私は真面目で頑張り屋ではないけれど)

  • ナイトメアを通して「女性のありかたとは?」、「自分とはなにか?」、「現実とどう折り合っていくか?」を考えさせられる。

  • 文芸作品でもあるのかもしれません。
    真面目に生きているのに悩んでいる人は多い。無理をしているから、周囲には理解されない。どう折り合いをつけるのか。人は見かけだけではわかりません。

  • 配置場所:広3図書
    資料ID:93073605
    請求記号:913.6||O

  • 母と同じ道を歩みたくないけど、母を越えることはこわいっていう。
    そういえば、女性であるということを理由に虐げられた経験がない気がする。
    女子校育ちで、まだ社会に出てないからかな。

  • セラピーというものは唐突に始まり唐突に終わる(逃げられる)ものだから幕切れのあっけなさは頷けるが、小説としては卑怯。
    しかし痛くて痛くて苦しかった。
    フロイトーラカンのラインが残したものは、この不安憂鬱時代には適さないものも多いが、
    1.心的事実の重視。
    2.人は物語に生きる。
    3.解釈の重要性。
    4.症状は誤った対応行動。
    などの知見は依然有効。
    のようなことを考えた。

    oquba

  • いろんな意味で、これは実話だ

  • 装丁に惹かれて借りた。
    借りる前に少し読んだ時は「あ、良い感じかも」と思ったけど、実際に読み進めて行くと余り楽しくなくなり…。
    こう云う人って、凄く真面目なんだろうな。
    割り切ると云うよりは、諦めている印象を受ける。
    実際にこういった人は居るけど、自分がこう云うタイプではないので、共感が得られなかった。
    読み終わっても、この作品が何を伝えたいのかが汲み取れなかった。
    文章は文字が少な目でとても読み易かった。

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