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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784000241779
作品紹介・あらすじ
日本一の流通業・ダイエーをつくり上げた中内㓛は、価格破壊、流通革命の旗を掲げて道を切り開き、這い上ってきた。しかし頂点を極めながら、なぜダイエーは崩壊していったのか。暮しの手帖編集部から中内の秘書に転じ、花森安治と中内㓛、戦後日本人の暮しを大きく変えた二人のカリスマに仕えた著者が、稀代の経営者の知られざる苦闘を描く。
みんなの感想まとめ
経営者の苦悩と栄光を描いた本書は、流通革命を成し遂げた中内功の人生に迫ります。著者は中内の秘書として近くで彼の姿を見つめ、その素顔や仕事ぶり、そして彼が抱えた苦悩をリアルに伝えています。戦後の貧困から...
感想・レビュー・書評
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かなり評価が難しい一冊だった。
著者の木榑氏が関わっていない部分のダイエー・中内史は、非常によくまとまっていた。中内功の戦争体験からの強い起業精神、ダイエーを日本型GMSとして打ち立てた先見性、花王や松下とのメーカーVS小売の価格権競争と、無味乾燥な教科書的に戦後経済史を読んできた後の世代の自分自身、非常にスリリングで読み応えを感じていた。
しかし、小榑氏が側近としてかかわって以降のダイエー描写が、おそらく自分が関わっていて思い入れが強すぎるがためだろうが、客観性を見失っていたり、構成を乱れてしまった。正直、部外者の読者にとってかなり読みづらく、読みすすめることに苦痛を感じた。この点には岩波の編集にも大きく責があると思う。
客観性や構成を乱している部分を主に2つあげると挙げると。
・地名・人物名の説明が当然知っているものとして唐突に始まることが多すぎる。中内功氏の息子の中内潤氏のことを当然の知識として「息子であること」を理解するのに数行かかってしまった。(類推はできるが...)
・松下幸之助の葬儀の参列のように、筆者自身が中内氏とともに関わった大きな事件は詳細に記載するが、ダイエー社長退任に至るまでやその後の中内功氏の描写が薄く「胸がつらい」という私的な感情で、事実のみを記載にとどまっている。
ダイエー内部の人間であるから書けた一冊であるという評で読みだしたのだが、良かった時代・熱い事件の部分を書きたい筆者と、良かった時代も悪かった時代も知りたい読み手との大きく乖離ができてしまった。学ぶところも多かったが、非常に残念な一冊であった。
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中途採用の秘書室長として、日々中内功に接した著者が描く、ダイエー(中内功)の物語。プロローグで、辞表提出に至る経緯が淡々と書かれております。重厚な本を出版する岩波書店が、中内功の物語を出版した辺りにも驚きあります。これまでの中内功の物語りにない、優しさと、より踏み込んだ内容に☆四つであります。
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阪南大学図書館蔵書検索OPACで貸出状況や所在を確認↓
https://opac-lime.hannan-u.ac.jp/opac/volume/768027 -
ダイエーで中内功の側近として支えた小榑雅章氏が中内氏の素顔や仕事ぶりなど近くで見ていた姿を書いた一冊。
戦争を経験し、戦後の貧困の時代から飢餓から日本に流通革命を起こした稀代の経営者の苦悩や中内氏の栄光からの転落と創業者としての想いなどを氏の近くにいた著者だからこそ知れるエピソードが多く掲載されており刺激を受けました。
また、品質管理センターを設立してまでこだわるよい品に対する氏の想いや日本型GMSの栄華と90年台の専門店台頭による低迷期の晩年の氏と著者の確執などは表向きでは知ることのできない内情を知ることができて読み応えもありました。
球団経営や流通科学大学など教育に対する思いや子息である潤氏と著者と功氏の関係性など氏の功績とは違った一面も本書で知ることができました。
戦中に味わった飢餓の経験から「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」という言葉を胸に頂点まで登り詰め、そして時代と共に凋落していく中内功という一人の人物の深いところを本書で知ることで様々な学びを得た一冊でした。 -
長年秘書を務めた著者だからこそ書ける視点が非常に興味深かった。
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アップル創業者スティーブ・ジョブズにスピーチライターがいたように、ダイエー創業者中内功にも彼の言葉を綴る人がいました。その人物による「私の中内功」というラブレターみたいな本。佐野眞一の「カリスマ」が中内功という対象を冷徹に分析してあるのに対して、本書は愛憎入り乱れて「別れても好きな人」的に心乱されまくっています。たぶん、中内功のために書いたというより、自分のために書いた今は亡き巨大流通産業のレクイエムです。超至近距離から見た中内功の栄光と蹉跌は、戦後興ったスーパーマーケットというビジネスの興亡史以上に、戦後史、昭和史そのものになっています。「よい品をどんどん安く」と「よい品をより安く」の違いこそが中内の哲学なのです。ちなみに「どんどん」はローコスト・マス・マーチャンダイジングというシステムの話であり、「より」は売ったらお終いの売り切りの商売の話なのだということらしい…戦争中、フィリピンのジャングルの中で究極の飢えの中で「すき焼き」は腹一杯食べる夢を見た男のPTSD的なトラウマこそが、生活者が一斉に豊かさを求めた時代の成功の原動力であり、モノの豊かさの先を求めた時代においては失敗の要因だったのです。ダイエーを乗り越えた7&IやAEONが、amazonに乗り越えられようとしている現在の小売を考えるヒントとして先ずは読んでおかなくちゃならない本だったなと思っています。
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東2法経図・6F開架 673A/Ko26t//K
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