日本語に生まれて――世界の本屋さんで考えたこと

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 93
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000242998

作品紹介・あらすじ

世界中どこに行っても、必ず訪れるのは本屋さん。「すみません、本屋さんはどこですか」南太平洋諸島からロンドン、エストニア、オーストラリア、どこへ行ってもそう訊きながらめぐり歩く旅の中で、見えてきた「日本語」の姿とは?ユーモア溢れる文章にのせて、深い問いを投げかける。

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  • 他の本も面白そう!『トカゲのラザロ』紫陽社、『キミハドコニイルノ』彩流社、『降ります さよならオンナの宿題』平凡社、『地上の飯』平凡社、『世界中のアフリカへ行こう』岩波書店

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    「すみません、本屋さんはどこですか。世界中どこにいっても、必ず訪れるのは本屋さん。南太平洋諸島からロンドン、エストニア、オーストラリア、どこへ行ってもそう訊きながらめぐり歩く旅の中で、見えてきた「日本語」の姿とは? ユーモア溢れる文章にのせて,世界の中の「私たちが今いる場所」へと、深い問いを投げかける。」
    『日本語に生まれて』moreinfo
    http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0242990/top.html

  • ことばについて考えさせられた。ことばと思考は繋がっている。ことばが違えば、文化も違うし表現も考え方も違う。
    翻訳が発達しているがために、日本は日本にいながら他の言葉を知らずとも他の国の情報をたくさん仕入れられる稀有な国だ。世界標準が広がっていくなか、これからの日本はどうなっていくんだろう。
    そして、紙の本が消えていくというのも、読んでいるとなんだか自然な流れな気がしてきた。遠くない将来、髪の本は「本好き」のための特別なものになるのだろう。

  • 図書館より

  • 今では大型書店にあまり足を運ばなくなったが、社会人になりたての頃、週末ごとに梅田の旭屋か紀伊國屋に立ち寄り、文字どおり財布が裏返るほど本を買っては、コーヒーショップで拾い読みするのが、なによりの楽しみだった。
    棚から棚をさまよい背表紙を眺めていると、見えない鍵が脳の襞の奥にある扉を次々と開けて栄養を注入してくれる気がするくらい、本は若い私の「ごはん」そのものだった。だって、本しかない時代だったんだもの。
    当たり前のことのように思っていたけれど、母語(日本語)で話し、読み、書き、学び、仕事もできてしまうというのは、地球上の国ぜんぶから見れば、貴重なことなのかもしれない。
    比較文学・比較文化を研究する、ほぼ同世代の著者は、トンガやマルティニーク、オーストラリア、エストニアなどで本屋さんを訪ね歩き、いろんなことを考察する。そしておわりには、「一冊の本が、頁の内に変わらぬ唯一の物語を閉じこめて何年も書棚でひっそりと読み手の手がのびてくるのを待っている、そんな景色は遠からぬ未来に終わりを迎えるのかもしれない。わたしたちは紙の本と町の本屋さんの時代の最後に立ち会っているのかもしれない」と書く。
    私もそう思う。だから、本の黄金時代に居合わせた幸運をかみしめて、これからも本を買い、本を読み、その豊かな世界を人と共有したい。

  • 朝日新聞の書評で出会う。当たり。著者は比較文化の大学教授、日本人女性、40代後半。仕事で東京、大阪、モスクワ、メルボルン、ロンドンなどに移り住んだほか、子どものころエストニアに住んでいたり。仕事で訪れる大小の国々で本屋さんを訪ねる。トンガ、ドミニカ、インド、オーストラリア、エストニア、、、。外国にいるからこそ実感する、「日本人、日本、そして日本語」の特殊性。「ひとつところにずっといなきゃとおもいこむのはばからしい。そのときの気分で、いろんな国籍になってみたり、どこか別なところへいってみたりできるほうがいい。(深沢七郎の人間滅亡の歌、に共感して)」「いろいろほっつき歩いて、帰らなくなる人もいる。帰っていく人もいる。すくなくともいまは、私は帰っていくつもりでいる。一番の理由はたぶん、日本語に生まれたから。」「日本人がおもうよりも日本人は日本人以外にとって、“異なる”人々なのだ、たぶん。」。。そのほか、「これ以上便利すぎ、はやすぎることを人々は本当に求めているのだろうか」「日本語でしか書かれていないものは、日本語がわかる人にしか発信しようがない、理解してもらいようがないということに何人の日本人が気づいているのか」など、どきりとする言葉にたくさん出会える。いい筆者を教えてもらった。これから、彼女の著作を読むのが楽しみ。久しぶりにぎゅっと集中して、1泊で読了。

  • 請求記号:024/Nak
    資料ID:50073813
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

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著者プロフィール

1966年、新潟県生まれ。以後、東京、札幌、モスクワ、メルボルンに移り住む。お茶の水女子大学英文科卒業、東京大学大学院博士課程中退(比較文学)。シドニー大学講師、帝塚山学院大学講師を経て、成城大学専任講師、明治大学法学部専任講師の後、明治大学准教授。小説、詩、批評、翻訳で多彩に活躍中。評論「帝国を飼いならせ—英語圏のポストコロニアル作家たち」を『早稲田文学』に連載(1996年から2000年)。エッセイ「ディオゲネスの缶切り」を『月刊百科』に連載。主な作品に—短篇小説「E」(『新潮』1988年5月/第1回新潮学生小説コンクール当選作)、中篇小説「内陸へ」(『新潮』1988年12月/第2回三島由紀夫賞候補作)、詩集『トカゲのラザロ』(紫陽社、1996年)、『Djobeurs カリブ−響きあう多様性』(共著、ディスクユニオン、1996年)、『世界文学のフロンティア① 旅のはざま』(共訳、ルイサ・バレンスエラ 他著、今福 龍太 他編、岩波書店、1996年)、『キミハドコニイルノ』(本書…中村和恵著、彩流社、1998年)、「気違いから女王への手紙―受難としての越境とポストコロニアル文学」(『越境する知(3) 言説:切り裂く』所収、栗原彬ほか編、東京大学出版会、2000年)、『降ります さよならオンナの宿題』(中村和恵著、平凡社、2001年)、『AERA MOOK 文化学がわかる。』(「ポストコロニアル 旧植民地のひとびとから新しい文学が届く」所収、朝日新聞社、2002年)、『岩波講座文学13 ネイションを超えて』(「つきまとう故郷 : トランス・ナショナルな英語文学とネイションの問題 / 中村和恵」、小森陽一 他編、岩波書店、2003年)、『ドラゴンは踊れない』(アール・ラヴレイス著、中村和恵訳、みすず書房、2009年)、『世界中のアフリカへ行こう 〈旅する文化〉のガイドブック』(中村和恵編、岩波書店、2009年)、エッセイ「世界食堂随聞記 皿の上の雲」を『月刊百科』に連載(2010年から)、『地上の飯  皿めぐり航海記』(中村 和恵著、平凡社、2012年)、『 LIFE ON MARS 火星の生命』(トレイシー・K・スミス著、中村 和恵 訳、平凡社、2013年)、『日本語に生まれて――世界の本屋さんで考えたこと』(中村 和恵著、岩波書店、2013年)、『dress after dress(ドレス・アフター・ドレス) クローゼットから始まる冒険  世界の衣服には人々の知恵と欲望と試行錯誤がいっぱい!』(中村 和恵著、平凡社、2014年)などがある。

「1998年 『キミハドコニイルノ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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