日本語に生まれて――世界の本屋さんで考えたこと

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000242998

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  • 朝日新聞の書評で出会う。当たり。著者は比較文化の大学教授、日本人女性、40代後半。仕事で東京、大阪、モスクワ、メルボルン、ロンドンなどに移り住んだほか、子どものころエストニアに住んでいたり。仕事で訪れる大小の国々で本屋さんを訪ねる。トンガ、ドミニカ、インド、オーストラリア、エストニア、、、。外国にいるからこそ実感する、「日本人、日本、そして日本語」の特殊性。「ひとつところにずっといなきゃとおもいこむのはばからしい。そのときの気分で、いろんな国籍になってみたり、どこか別なところへいってみたりできるほうがいい。(深沢七郎の人間滅亡の歌、に共感して)」「いろいろほっつき歩いて、帰らなくなる人もいる。帰っていく人もいる。すくなくともいまは、私は帰っていくつもりでいる。一番の理由はたぶん、日本語に生まれたから。」「日本人がおもうよりも日本人は日本人以外にとって、“異なる”人々なのだ、たぶん。」。。そのほか、「これ以上便利すぎ、はやすぎることを人々は本当に求めているのだろうか」「日本語でしか書かれていないものは、日本語がわかる人にしか発信しようがない、理解してもらいようがないということに何人の日本人が気づいているのか」など、どきりとする言葉にたくさん出会える。いい筆者を教えてもらった。これから、彼女の著作を読むのが楽しみ。久しぶりにぎゅっと集中して、1泊で読了。

著者プロフィール

1966年生まれ、明治大学法学部・同大学院教養デザイン研究科教授。
著書に『日本語に生まれて』(岩波書店、2013年)ほか。共編著に『世界中のアフリカへ行こう』(岩波書店、2009年)ほか。訳書にアール・ラヴレイス『ドラゴンは踊れない』(みすず書房、2009 年)ほか。

「2023年 『蜘蛛の巣上の無明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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