ハイパーテロルとグローバリゼーション

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000244251

作品紹介・あらすじ

9.11の衝撃と加速するグローバリゼーションの中で、世界はますます流動的になり不安定さをましている。混迷の度を深めるテロ後の世界をどう捉え、どう行動すればよいのか。ボードリヤールは、暴力のもつ意味を独自の深い分析で抉り出し、モランは、極めて広い視野で現代世界の本質に迫っていく。現代フランスを代表する思想家による刺激的かつ根源的な問題提起。

感想・レビュー・書評

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  • 今コロナ危機の最中にこれを読んでボードリヤールの洞察力と先見性に脱帽。今から16年前に書かれたものだが、グローバリゼーションと"伝統的政治"の空洞化の始まりを9 11の事件がきっかけとして2004年に指摘。それが昨今の政治指導者の強力なリーダーシップの欠如とポピュリズム政治の台頭を予見している。

  • ボードリヤールの文章が気色悪い。いかにもバタイユ好きって感じで湿っぽく具合悪い。しかし時々いいとこもあるので気色悪いながら読み進めなければいけない。時々とても鋭いからだ。

    やっぱモランの文章がいい。ぐちゃぐちゃした情報に踊らされすぎず、距離をおいて眺める。複雑性の思考をもって。
    しかし世界政治、世界政府の国連がどれほど機能しているかというところには少々疑問。

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著者プロフィール

【著者】ジャン・ボードリヤール :  1929年生まれ。元パリ大学教授(社会学)。マルクスの経済理論の批判的乗り越えを企て、ソシュールの記号論、フロイトの精神分析、モースの文化人類学などを大胆に導入、現代消費社会を読み解く独自の視点を提示して世界的注目を浴びた。その後オリジナルとコピーの対立を逆転させるシミュレーションと現実のデータ化・メディア化によるハイパーリアルの時代の社会文化論を大胆に提案、9・11以降は他者性の側から根源的な社会批判を展開した。写真家としても著名。2007年没。著書に『物の体系』『記号の経済学批判』『シミュラークルとシミュレーション』(以上、法政大学出版局)、『象徴交換と死』(ちくま学芸文庫)、『透きとおった悪』『湾岸戦争は起こらなかった』『不可能な交換』(以上、紀伊國屋書店)、『パワー・インフェルノ』『暴力とグローバリゼーション』『芸術の陰謀』(以上、NTT出版)、ほか多数。

「2015年 『消費社会の神話と構造 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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