“犯罪被害者”が報道を変える

制作 : 高橋 シズヱ  河原 理子 
  • 岩波書店 (2005年1月26日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000244299

作品紹介

"犯罪被害者"が、本当に体験したこととは?事件をめぐる取材や報道について、どう考えているのか。編者たちの提案により、被害者と取材者が、何度も率直に語り合った。社の枠を超えて話し合い、取材者たちは何を感じたのか。そして、いま、どのような記事を書きたいと思っているのか。被害者たちの多様な想いや報道への提案、取材者の試行錯誤などを熱く綴った画期的な一冊。

“犯罪被害者”が報道を変えるの感想・レビュー・書評

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  •  〈犯罪被害者〉が,本当に体験したことは? 事件をめぐる取材や報道について,どう考えているのか。編者たちの提案により,被害者と取材者が,何年も率直に語り合った。
    社の枠を超えて話し合い,取材者たちは何を感じたのか。そして,いま,どのような記事を書きたいと思っているのか。
     被害者たちの多様な想いや報道への提案,取材者への試行錯誤などを熱く綴った画期的な一冊。
     犯罪の被害者になることで,それまでの「ごくあたりまえの生活」は一変します。さらに追い打ちをかけるような報道の取材が押し寄せてきます。
     犯罪被害者の支援をソーシャルワーカーはどのようにしているのだろうか。というヒントが隠されていないだろうかという視点で購入したのですが,被害者を支える専門職としては触れられているところはありませんでした。
     さまざまな立場の当事者に対して,その生活を保障するためにソーシャルワーカーは存在するはずなのに……,と考えてしまいます。

  • 事件の大きさは誰が決めるのか。

  •  図書館より

     事件被害者遺族の方と、遺族の方の話を聞いた記者の方々の手記などで構成されています。

     事件報道は見ていてやりきれないなあ、と思うこともあれば加害者に対し許せない、という感情を持つこともあります。これだけ人の心を良くも悪くも簡単に動かせるのが、メディアの特徴でもあるわけですから、それが少しでも事件抑制のために被害者の方たちの声を拾い、そしてそれを伝えることができればいいなあと思います。

     それとともに被害者=悲しみにくれる人という固定観念だけで見るのではなく、その人たちがそれ以外にもどのような感情を持っているのか、考えているのか想像力を巡らせないといけないな、と思います。

  • 報道被害で心を痛めた被害者側と、報道側の意見の歩み寄りを試み、まとめた一冊。
    このような活動もあることを広く知る必要があると強く感じました。

    色々考え、胸がいっぱいで上手い言葉がでません。

  • 20101210

    非常に残念なことに、「報道被害者」という言葉がある。
    そのままの意味で、マスメディアによる報道が原因の精神的・身体的被害を受けた人のこと。

    本著は、そういった人々の存在に寄り添おうという志を持つメディア関係者が、報道被害にあった人々を講師として招き、真摯な討論を重ねた勉強会から出て来たものだ。
    凶悪犯罪によって愛する家族などを失った上、押しかける報道陣やその心ない取材のありように精神を傷つけられた人々が自分の言葉で思いを語っている。また、自らも取材のありかたに疑問を持ち、取材対象者との接触を苦痛の内に考え続けて来た現場の記者たちの声もある。それら全てを読み、これは全ての日本人が知るべきだと感じた。以下に幾つか並べるものは、それらの声によって語られた、取材や報道が与えた苦痛、提示した問題の一部に過ぎない。

    /家の前に報道陣が群がってフラッシュを焚こうと待ちかまえている。外出もままならない。そっとしておいて欲しい。
    /最愛の家族を亡くして「今、どんな気持ちか」?
    /池田小事件の直後、どこからともなく報道ヘリが来て、不気味に上空を旋回していた。その真下で、助けを呼ぶ声がかき消され、搬送が間に合わなかった幼い命が失われて行った。
    /司法解剖から帰って来た幼い娘の遺体を、家の前に群がる報道陣のため正面から家に運び入れることができなかった。事件当日の朝、玄関から送り出したのが生きている最期の姿になったのに同じ玄関から帰してやれなかったという親の無念。
    /メディアの報道が世間の邪推を呼び、心ない中傷を浴びることとなった。
    /家のドアの前に、知らないうちに花束が置いてある。気が向いたら連絡してくれなどというメッセージに報道関係者の連絡先が書いてある。
    /渡してもいない亡くなった子供の写真が新聞や雑誌にのっている。どこから手に入れたのか。載せるにしても、普段とイメージの違うこんな写真を勝手に載せるなど。
    /一方記者サイド。駈け出しだった頃、上司に迫られて恐る恐る被害者サイドの人々にカメラを向けた。あのときの非難のまなざし。
    /取材に応じて話したはいいが、記事にする上で都合のいい部分だけが切り張りにされていた。「悲しむ被害者像」に無理やりあてはめて、お涙ちょうだいの物語に改変されていた。

    凶悪犯罪の被害者遺族は、事件が起こるまではまったく普通の生活を営んでいた一般人だ。それが事件と共に脚光を浴び、世間の好奇の目にさらされる。時に無神経な質問をぶつけられ、失った愛する者を死後なお侮辱されるかのような苦痛を受ける。

    難しいのは、現場の記者の声によると会社単位での改善の取り組みが進みにくいということだ。現状に疑問を抱く記者はいても、記事になる内容や扱い方を決めるのは上層部。しかし、少しでもこの勉強会に集っているような良心ある報道関係者が増え、そして被害者遺族側にも当然の権利としての自衛や取材拒否といった対策が周知されるようになれば、現状は少しはましになるのかもしれない。
    問題は山積しているようだが、私達とていつ報道被害を受けることになるかわからない。他人事だと思わないことだと思う。

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