半透明の美学

  • 岩波書店
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本棚登録 : 111
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000244619

感想・レビュー・書評

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  • アルベルティの窓論や、ケプラーのカメラ・オブ・スクラの流れの上では見過ごされてしまっていたソクラテスの「ディアファナース」という概念を元に展開される論はとても独特で面白かった!半透明な星座、かっこいい

  • フランシス・ベーコンに惹かれて存在を知った書。謎めいた描き方の答えが示されているわけではないのだが、あの紗のかかったような画面をヴェールと捉えて「半透明の系譜」のうちに語ることがひとつの解釈に。
    葉脈の表紙と半透明のカバーが心憎し。

  • アリストテレスの「ディアファネス」の概念をヒントに美術史を読み解くもの。

    透明か不透明かという二元論的な思考様式で理解するのではなく、その中間のグレーゾーンを概念に内包してしまうことで、より広範で繊細な議論を可能にする美術史。

  • 透明/不透明で語られてきた西洋美術史を、その中間項的な言葉ー半透明ーによって脱構築を企てんとする試み。
    まあ、ベーコン論が展開されているということで、しかも岡田先生ということで、ほほぉ〜っと読み始めたはいいが、如何せん、美術史にかんしての議論/固有名を知らなすぎる。
    途中から完全に振り落とされた。もうちょい基礎教養を固めてから。

  • 透明でもなく、不透明でもなく、なぜ半透明なのだろうか。限りなくファジーでグレイゾーンに近いこの概念を、あえて持ちだすことによって、いったいこれまでとは違うどんな世界が見えてくるというのだろうか。あるいは、世界がどんな風に違った見え方をしてくるのだろうか。

  • TKC推薦

  • 美学の先生に勧められた本です。
    一度読んだだけでは、難しくて理解し切れませんでした。じっくり読まんといかんなぁ。
    灰色についての言及が特に興味深かった。

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著者プロフィール

1954年、広島県に生まれる。2020年、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を退職。現在は、京都大学名誉教授、京都精華大学特任教授。専攻は、西洋美術史。
 著書に、『キリストと性』(岩波新書、2023)、『反戦と西洋美術』(ちくま新書、2023)、『ネオレアリズモ──イタリアの戦後と映画』(みすず書房、2022)、『フロイトのイタリア──旅・芸術・精神分析』(人文書院、2008、読売文学賞)、『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞)など多数、
 訳書に、ジョルジョ・アガンベン『創造とアナーキー──資本主義宗教の時代における作品』(共訳、月曜社、2022)、同『王国と楽園』(共訳、平凡社、2021)など多数がある。

「2024年 『アートの潜勢力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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