幕末維新変革史(上)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 73
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000244688

作品紹介・あらすじ

激動の歴史過程を一貫した視点から描く、幕末維新通史の決定版。上巻には「前史」および「幕末史の過程」(慶応元年の条約勅許まで)を収録。

感想・レビュー・書評

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  •  上下2巻、重量級の明治維新通史。近年の幕末維新期の通史は(たとえば井上勝生『開国と幕末変革』『幕末・維新』や牧原憲夫『文明国をめざして』など)、「江戸時代成熟」論や国民国家批判の立場から明治維新=文明化=強引な近代化という図式を用いて、民衆史的視点から明治維新自体を批判的にとらえる傾向が強いが、本書はそれらの潮流からは一線を画し、あくまで世界資本主義包摂の民族的危機にあたっての、有志の武士や豪農商らを主体とする(さらにその背後には広範な民衆の反封建闘争がある)必然的変革とみなす、ある意味古典的な理解による歴史像を提示している。

     専門の細分化した学界の現状から考えると、1人の研究者が当該時代の全体構造を見通し、それでいて先行研究の切り貼りでない、すべて自分で眼を通した史料をもとに論理的に叙述しえた骨太の幕末維新史の著作はもう二度とないであろう(本書以前にも実は遠山茂樹『明治維新』くらいしかないが)。なお引用史料に釈文がほとんどなく(上巻では英文史料の和訳もない)、専門用語の説明もないなど、読み手に一定以上の知的水準・知識を要求するので、初学者には全く勧められない。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:210.58//Mi71//1

  • 内容が濃い。
    よくある、薩摩からみた視点、会津からみた視点、ということではなく、
    どちらか一方の意見に偏りがちな内容ではないため、公正に書かれている。
    幕末関連書籍を読んでいるときによく思いがちな、
    このときの諸外国の動きとはどうだったんだろう?という点にも触れられているので、今までの書籍で不足していた部分に手が届く内容。

  • (チラ見!)
    朝日書評2012/11/18

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著者プロフィール

1944年生まれ。東京大学史料編纂所教授、同所所長、国立歴史民俗博物館館長、歴史科学協議会代表委員などを歴任。東京大学名誉教授。専攻は日本近現代史。

著書に、『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会、1973年)、『幕末維新風雲通信』(編、東京大学出版会、1978年)、『天皇制の政治史的研究』(校倉書房、1981年)、『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店、1999年)、『歴史のなかの新選組』(岩波書店、2004年)、『通史の方法』(名著刊行会、2010年)、『国民国家と天皇制』(有志舎、2012年)、『幕末維新変革史(上)(下)』(岩波書店、2012年)、『幕末維新像の新展開─明治維新とは何であったか』(花伝社、2018年)などがある。

「2019年 『天皇制と歴史学  ─ 史学史的分析から ─』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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