対話集 原田正純の遺言

制作 : 朝日新聞西部本社 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 32
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000244725

作品紹介・あらすじ

水俣病をはじめ、人の命や尊厳を脅かす産業社会の負の面に医師として半世紀以上対峙し、二〇一二年六月に亡くなった原田正純氏。「被害の記憶や教訓、戦後の日本が抱えた問題を後世に伝えたい」との強い思いから、死の直前まで半年間、患者やその家族ら一五人と対話を重ねた。朝日新聞西部本社版に連載された貴重な肉声の記録を一冊にまとめる。

感想・レビュー・書評

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  • 水俣病を研究し、胎児性水俣病をみいだした医師、原田正純。

    原田さんの振る舞いは、「医者」という枠をはるかにこえて、「人として生きるとはどういうことか?」を考えさせられます。

    社会(人)が引き起こす負の遺産。負ではあっても「世界遺産」なのですね。

    この本では、原田さんが「負の世界遺産」のただ中にあった人たちと対談したものが集められています。
    この一冊にたくさんのことが詰まっています。

    学校教育では、公民、歴史、化学、倫理、、、科目が細分化されていて、いつの間にか覚える作業だけになって、本当に知るべきことに触れず、また、共に考えるべき時間がなくなっているような気がします。

    教科書やめて、こういう本を読んだら良いと思います。
    子どもたちに読んでほしい。

  • 朝日新聞西部本社編『対話集 原田正純の遺言』岩波書店、読了。人間の命と尊厳を脅かす事象に医師として半世紀以上取り組み、昨年亡くなった原田さん。本書は、一周忌に合わせて出版された対話集。対話者は石牟礼道子さんほか患者や記者など15名。著作は多いが、対談集は本書しかない。

    本書に意義があるのは著者の肉声だ。ソクラテスの対話がそうであったように。著者の語りは人間を粉々にしてしまう問題が“かつての事件”ではないことを知らしめる。被害のショービズ的矮小化でもなく過小評価の切り捨ても不必要だ。

    過去と現在を架橋する著者の対話の軌跡は、過去の「証言」という記憶と同時に現在の「出来事」としてそれを捉え直すことを切り結ぶ。著者の言葉一つひとつが「遺言」であり、今必要な視点となろう。

  • 「ちょっと手前味噌だけど、歴史に残る証言だと思うんです」西浩孝:評(神保町の匠)
    http://www.books-sanseido.co.jp/blog/takumi/2013/06/post-495.html

    NHKETV特集「毒と命 ~カネミ油症 母と子の記録~」でもコメントされていました。。。
    http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/0525.html

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    「水俣病をはじめ、人の命や尊厳を脅かす産業社会の負の面に医師として半世紀以上対峙し、2012年6月に亡くなった原田正純氏。「被害の記憶や教訓、戦後の日本が抱えた問題を後世に伝えたい」との強い思いから、死の直前まで半年間、患者や関係者15人と対話を重ねた。一部が朝日新聞西部版に連載されたその貴重な記録を一冊に。」
    『対話集 原田正純の遺言』moreinfo
    http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0244720/top.html

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