人は愛するに足り、真心は信ずるに足る――アフガンとの約束

  • 岩波書店 (2010年2月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000245012

作品紹介・あらすじ

オバマ大統領に送る平和へのメッセージ。戦乱と干ばつに苦しむアフガンの地で"命の水路"を切りひらく日本人医師の崇高な闘い。

人は愛するに足り、真心は信ずるに足る――アフガンとの約束の感想・レビュー・書評

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  • 『あれも必要だ、これも必要だと言っていると、ほんとうに何もできない。しかしまあ、神というか、天というか、おそらく自分にはできないことまでは強制なさらないだろうというのが、私のささやかな確信で、「これだけやったから許してください」と言うしかないですね。それでいいんじゃないかと思いますね。』

    これが、25年間もアフガニスタンの人々に寄り添った人の言葉だろうか。なんという謙虚さなんだろう。

    アフガニスタンの山岳地帯で誰もしないからと、ハンセン病の治療に始まり、水がないからと井戸を掘り、食べ物がないからと畑を耕し、やがて重機を扱いながら二十数キロの水路を開き、砂漠化した大地を緑に変え、今や六十万人ものアフガン人がそこで暮らすようになっている。

    テロとの戦いという名目で何万人もの兵隊を送り続け、無実の人々を殺戮し続けているオバマにノーベル平和賞が贈られるような世界を、子供たちに見せ続けていいのか。中村先生の偉業こそ、世の中にもっと知らしめるべきだと、僕は思う。

  • 三葛館一般 289.1||NA
    アフガニスタンで、医療活動をしながらその限界を痛感し、1400本の井戸掘りや水路建設など、命がけの行動を起こしてアフガン復興の道筋を示してこられた中村哲医師と、ノンフィクション作家、澤地久枝さんとの対談集です。
    「中村医師の活動のなにか役に立ちたい」との澤地さんの思いで企画された本書の発行は、中村医師があとがきに綴られた、「もし現地活動に何かの意義を見出すとすれば、確実に人間の実体に肉迫する何ものかであり、単なる国際協力ではなく、私たち自身の将来に益するところがあると思っている。人として最後まで守るべきものは何か、尊ぶべきものは何か、示唆するところを汲んでいただければ幸いである。」とのメッセージに、若い人が「人をタスケルということ」の本質を学ぶことができる、奥の深い一冊であることを感じます。

    和医大OPAC → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=57183

  • 2011年49冊目。


    25年間アフガニスタンに寄り添ってきた著者から伝わる圧倒的なリアリティ。
    それは、メディアからだけでは分からない(更に言えば誤解する)現地の現状でもあり、
    生涯をかけてきた者の理想主義に陥らない「できること」への情熱と「できないこと」への謙遜でもある。

    今の日本への言及(危機感)も多数あり、インタビュー形式で読みやすいのでぜひ読んで欲しい。

  • 澤地さんが中村氏にインタビューしたものをまとめた1冊。
    サラ~っと読むと星3つな感じにも読めるような1冊なのだが、この歳で読むとそうはいかない。すごい内容だったよ。
    やりはじめたことをここまで「個人」で責任を取り続けようとする真摯な姿と、この「個人」に対する政治や世間など「組織」となって群れた人間の醜い姿の対比がずっしりきますよ。
    いかに“政治”(組織)が本当に必要なことを実行するのに役に立たないかということに、憤りを通り越した虚しさを覚えると同時に、じゃあ自分はその“政治”と違う行動をちゃんと取れているのか?と問われるとまったくもってそれらを笑えない無知さに恥じ入る。
    また、この1冊でも「ちゃんと知る」ということの重みを知る。

  • 読み物としては読みやすかった。澤地さんと中村さんの対談がメインに中村医師のこれまでの活動をざーっと紹介してくれる。つーかすごいんですけど!この人を動かしてるものはなんなのだろう、と思う。身内の争いなんかで「命を懸けて」などと口にして演説している政治家の言葉のなんと空虚なことか。本当に命を懸けて人のために動くということ。こーゆー人の言葉にこそ耳を傾けるべきでは?メディアも伝えるものもうちょっと選べよ。だって会社だって一緒だよな。現場のことは現場の人間が一番わかってる。なのにまさに”上司は思いつきでものをいう”本当に必要な支援。その地に生きる人々を受け入れ、理解すること。そりゃあ人が集まってるからって爆撃されて子ども殺されたら反撃するよなあ。せっかくの彼らの営みを台無しにしないでほしい。私にできることはなんなのだろう??とりあえずこの本の印税はペシャワール会に寄付されるらしい。みんな買って〜!

  • 週刊ブックレビュー(5/15)佐高信さんがお薦めの一冊で紹介したものです。
    私にとって題名からして難しかったのですが、内容は高校生レベルに落として下さったということで、わかりやすいものです。

    アフガニスタンときくと、戦争や干ばつがあって、怖くて不衛生なところ、そして怖いイスラム教徒がいるところというイメージです。
    TVで流れてもろくに見ませんでした。

    今回、ここにハンセン病治療のためにきて、用水路を作るなどして
    25年間この地で活動する中村哲さんを初めて知りました。

    いかに中近東やそれに関わる国々について、知ろうともしないで偏見を持っていたかということを実感しました。

    私には彼のような活動はできそうもないけど、この本を読んだことで何かに生かせればいいなと思いました。

    本書より
    >日本がアメリカにしたがって、「対テロ」戦争参加のための名目として、集団自衛権などと、憲法を骨抜きにしようとするぎりぎりの時点で、中村医師は
    武力不要(無用、有害)丸腰の貢献こそという
    アフガン平和復興のモデルを一つ作り上げた。
    「いのちの水」でよみがえる「復興アフガン」である。

  • このような素晴らしい人は中々いません。

  • 中村さんの偉業を素直に讃えたい。
    中村さんから、「今」を一生懸命に考えることの大切さを教えてもらった。
    アフガニスタンにとって、もっと言うと、ペシャワールの「今」を真摯に見つめ、何をするのがベストなのか。その「今」が続いて、現在に至っている。
    それに対して、澤地さんの国際情勢批判がものすごくミスマッチ。この違和感が最後まで続いており、中村さんの名前を借りて、国際政治批判しているだけなように感じた。
    この本を上梓した意図がどっちなのか分からない。

  • 中村哲さんの講演後にこの本を読んだ。講演が頭に残っているので書きあらわされていない部分も思い浮かべることができた。中村さんの私生活が書かれており、その背景を知るとその誠実さ、29年の間に成し遂げたことの偉大さが如実に伝わってきた。「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」この言葉に崇高な人の生き方を見出せた。

  • 、「人として最後まで守るべきものは何か、尊ぶべきものは何か、示唆するところを汲んでいただければ幸いである」という中村氏のメッセージ。
    私は何を汲みとっただろう・・・。

    http://glorytogod.blog136.fc2.com/blog-entry-1287.html

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