- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000245241
作品紹介・あらすじ
大都市ニューヨークから世界を見つめるオースター。南アフリカに生まれ、辺境から現実を描いてきたクッツェー。ともに現代を代表する二人の作家が、文学論を戦わせ、世界情勢を憂いては、創作の秘密を語り合い、日常の悩みを打ち明ける。21世紀に小説の意義を問うすべての読者に贈る、知性と信愛に満ちた書簡集。
感想・レビュー・書評
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クッツェーも読まなきゃ!イスラエル/パレスチナ問題についての視点おもしろかった
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クッツェーとオースター、英語文学?の第一線の作家による往復書簡集。金融危機(文通はリーマンショックの直後から始まっている)、世界情勢、スポーツ、友情とテーマは多岐にわたり、意外にも文学についての記載は少ない。書くこと、作家を取り巻く環境についての言及はあるが、ここは文学作品の論評をする場ではないという慎ましい共通認識があったのだと思う。
クッツェーはさすがに知的だけど、オースターは少し俗っぽい、という印象。でも二人はとても尊敬し合っていて、訳者のあとがきによると、往復書簡集というアイデアを出したのは意外にもクッツェーの方らしい。
世界に温かく且つ冷静に目を向けることを教えてくれる良書。二人が評価するカフカ、ベケット、クライストをじっくり読みたい気持ちにも駆られる。
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J.M.クッツェーとポール・オースターの往復書簡。
どちらの小説のファンでもあるので、これを見つけたとき、つまり二人の間に友情が育まれていると知り、なんとなく嬉しくなった。サミュエル・ベケットに関する仕事をきっかけに始まった友情。お互いを自分なりのやりかたで思いやる気持ちがひしひしと伝わってきて、ちょっとうるっときた。
PAはこの世界にはまだ希望が実在していると信じてやまない少年のよう。対してJMCは革命も自由も信じない、ちょっと皮肉でミステリアスなリアリスト。一見正反対に見えるからこそ気があうのだろうかとか、いろいろ野次馬根性で考えてしまった。 -
まさに知性のぶつかり合い。話題は広い。スポーツや近親相姦、政治や日々の些細な出来事。しかしどんなトピックを扱っても彼らの手に掛かれば重要な問題となって、こちらを唸らせる思考の種となって迫り出してくるのだ。訳文がこなれていないように思われたのはまあ、柴田元幸が訳したオースターしか読んでいない(し、クッツェーに至っては全然読めていない)私の知的怠慢によるものだろう。なので即座にクッツェーを読みたくさせられた。あとはまあ、同世代(?)の男同士のホモ・ソーシャル/男臭さがどう女性ウケするのか気になったりもするけど
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