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- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000245241
感想・レビュー・書評
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クッツェーとオースター、英語文学?の第一線の作家による往復書簡集。金融危機(文通はリーマンショックの直後から始まっている)、世界情勢、スポーツ、友情とテーマは多岐にわたり、意外にも文学についての記載は少ない。書くこと、作家を取り巻く環境についての言及はあるが、ここは文学作品の論評をする場ではないという慎ましい共通認識があったのだと思う。
クッツェーはさすがに知的だけど、オースターは少し俗っぽい、という印象。でも二人はとても尊敬し合っていて、訳者のあとがきによると、往復書簡集というアイデアを出したのは意外にもクッツェーの方らしい。
世界に温かく且つ冷静に目を向けることを教えてくれる良書。二人が評価するカフカ、ベケット、クライストをじっくり読みたい気持ちにも駆られる。
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J.M.クッツェーとポール・オースターの往復書簡。
どちらの小説のファンでもあるので、これを見つけたとき、つまり二人の間に友情が育まれていると知り、なんとなく嬉しくなった。サミュエル・ベケットに関する仕事をきっかけに始まった友情。お互いを自分なりのやりかたで思いやる気持ちがひしひしと伝わってきて、ちょっとうるっときた。
PAはこの世界にはまだ希望が実在していると信じてやまない少年のよう。対してJMCは革命も自由も信じない、ちょっと皮肉でミステリアスなリアリスト。一見正反対に見えるからこそ気があうのだろうかとか、いろいろ野次馬根性で考えてしまった。