ピリカ チカッポ(美しい鳥) 知里幸恵と『アイヌ神謡集』

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000245463

作品紹介・あらすじ

「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました」。一〇〇年前、一人のアイヌの少女がこの一文から始まる一冊の本を残した。一度は忘れ去られた知里幸恵はなぜ復活し、アイヌの魂の象徴的存在となったのか。『神謡集』ノートや日記など未公開や新資料をもとに、「生の限りを書かねばならぬ」との誓いに殉じたその生涯を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 「ピリカチカッポ(美しい鳥)知里幸恵と『アイヌ神謡集』」石村博子著(岩波書店) 1980円 : 読売新聞(2022/09/02)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20220830-OYT8T50064/

    【書評】 『ピリカチカッポ(美しい鳥) 知里幸恵と「アイヌ神謡集」』 石村博子 - キリスト新聞社ホームページ(2022/08/22)
    http://www.kirishin.com/book/55842/

    アイヌ神話 版画で表現 札幌で芸術家・結城さん展:北海道新聞デジタル(会員限定記事 2022年12月1日)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/768746

    没後100年、知里幸恵の生涯に迫る 室蘭出身ノンフィクション作家が評伝:北海道新聞デジタル(会員限定記事 2022年5月18日)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/682463

    ピリカ チカッポ(美しい鳥) 知里幸恵と『アイヌ神謡集』 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b603076.html

  • 名著で興味が沸いたので。積んでいる「日本語のために」読まねば。

  • 100年前、たった1冊の神謡集を世に送り出し、短い時間を駆け抜けて行った知里幸恵。
    金田一京助との出会いは、アイヌに伝わる神謡の口語訳に火を当てる事。しかし、129日の東京での時間が彼女の生を縮めたのか、今となってはそれが幸いだったかどうかは語れない。
    しかし、言えるのは「アイヌから大地を奪ったシャモ」がちゃんと向き合わねばならぬ心情そのもの。

    石村氏の文は平明であり、とても読み易い。「100分de名著」で触れなければ幸恵の人生にも触れることなかった。番組では幸恵の姪の長女の朗読で神謡が朗読される。幸恵の生の声は残っていなくても、100年を経た時間が再現されるような 心に響くその調子。

    129日間の東京での生活は文学とエロスが濃縮されたような時間だったらしい、京助の妻、春彦への気遣いは大変だったであろう。そして終生続いた和人の苛め、失ようんそれがどれほど身を削って行ったか思うと胸が痛む。

    朗読の木島さんが読む「・・トワトワト」の響きはオノマトペだが、それ以外にも意味不明の擬態音が多い。
    そして語られるシマフクロウと貧しい少年との出会いにも謎が。しかし考えられるのは幸恵が敬虔なクリスチャンであったこと~通奏低音の温かな慈愛の気持ち。

    アイヌといえばウポポイ言えば。昨年増毛の帰りに寄りたかったのだが,休館日の月曜で実に残念だった。一度は訪れたい。
    2015年にやっと始まった神謡集の口語訳の動き、幸恵のノートがまだまだ手を付けられていないという。引き続きの紹介が待たれる。

  • 知里幸恵氏の短くも使命に燃えた人生を、誕生から順に分かりやすく纏めている。
    著者の感情が強く出ている文も散見されるが、それだけ知里幸恵氏の一生が胸に迫るものだからだろう。
    白老にオープンした国立アイヌ民族博物館「ウポポイ」に対する著者の静かな怒りが印象に残っている。歴史展示コーナーの解説文が、日本政府の同化政策とアイヌへの暴虐を十分に伝えていないというもの。
    知里幸恵氏の戦いは、未だ完全な決着がついていないと感じる。

  • 100分de名著に合わせて読みました。
    (出版社紹介文より引用)→「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました」。一〇〇年前、一人のアイヌの少女がこの一文から始まる一冊の本を残した。一度は忘れ去られた知里幸恵はなぜ復活し、アイヌの魂の象徴的存在となったのか。『神謡集』ノートや日記など未公開や新資料をもとに、「生の限りを書かねばならぬ」との誓いに殉じたその生涯を描く。

  • ふむ

  • 「アイヌ神謡集」で知られる知里幸恵の短い生涯、アイヌ民族としての葛藤とユカラを文字で残そうとする格闘、アイヌ神謡集誕生までの経緯をさまざまな資料等を活用して、描き出す好著です。
    我が家にはギリシャ神話などの本とともに、書棚に岩波文庫版の「アイヌ神謡集」があります。1984年第7刷なので、思春期のころに手にしたはず。
    序文を一読して大きな衝撃を受け、最初のシマフクロウの神のユカラを読み始めて、いわば虜になったのを思い出します。以来、アイヌ民族、アイヌ語、アイヌ文化、アイヌ民族に対する日本政府の対応の歴史、法制の変遷に関心を寄せ続けてきました。本書を手にして、ふたたび、さまざまな勉強をしていこうと決意した次第です。

  • タイトルと装丁に心惹かれ購入。
    アイヌにはずっと興味があって、文化という言葉に包括される様々な想い、信仰、生活、儀式、歌、手から作り出されるもの達。

    これまで、とっつきにくい本が多かったけれど、この本は、知里幸恵さんに焦点を絞っていて、入り込みやすい。

    和人によるアイヌへの陵辱には、日本人として申し訳ない気持ちでいっぱいになる。そんな身で、アイヌに興味を持つことにも、何か罪悪感を覚えてしまう。

    幸恵さんによるアイヌ神謡集だけでなく、日記や生活、人との関わりに関する内容も多い。幸恵さんをもっと知りたく、誇り高きアイヌをもっと知りたくなる。

    アイヌ文化交流センター、そしてウポポイに行こう。

  • 表紙がとても美しくて購入。
    アイヌで語り継がれてきた神々と人間の歌を『アイヌ神謡集』という本にした一人のアイヌの少女について、こういう人でこういう人生で周囲の人達によるとこのときはこうで……と、人生を手探りで辿ってくような本。
    意外とおもしろい。興味深い。と感じたのは私がアイヌについて神秘的な部族だなくらいの認識しか持っておらず、歴史的な背景を本書で初めて知ったことによるものと思われる。
    アイヌについて全く知らない人も、読んでみてほしい本。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060062

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著者プロフィール

1951年、北海道室蘭生まれ。ノンフィクションライター。法政大学卒業後、フリーライターとして各新聞・雑誌で活躍。著書に『たった独りの引き揚げ隊‐‐10歳の少年、満州1000キロを征く』(角川文庫)、『孤高の名家 朝吹家を生きる‐‐仏文学者・朝吹三吉の肖像』(KADOKAWA)、『ハルビン新宿物語‐加藤登紀子の母 激動の半生記』(講談社)、『生きる力抱きしめて‐孤児だった医師・宏の青春』(毎日新聞社)、『「喪」を生きぬく──30人に学ぶ死の受け入れ方』(河出書房新社)など。

「2019年 『いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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