フセイン・イラク政権の支配構造

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246170

作品紹介・あらすじ

イラク政治研究をリードする著者による、これまでのフセイン政権研究の決定版となる書。「フセイン大統領による個人支配」という側面のみに目を奪われることなく、与党バアス党による党支配の実態も視野に入れ、閣僚や国民議会議員などの政治エリート集団がどのように構成されてきたかを詳細に分析する。さらにバアス党の経済政策や、政権が「イラク・ナショナリズム」を大衆に植え付け、どのような論理で国民統合を行なおうとしているのかなど、最新の情報を盛り込み、さまざまな角度からフセイン体制を支えているシステムを解明する。

感想・レビュー・書評

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  • 2003年刊(アジア経済研究所主任研究員)。1968年に成立したイラク・バアス党政権の下、イラ・イラ戦争、湾岸戦争、イラク戦争が遂行されたが、本書は同党の政策推移、フセイン大統領の権力の実態・基盤、少数民族や他宗派への政策などを学術的に論じる。著者は、閣僚の出身母体、出身地等を丁寧に追いかけ、フセイン政権がただの強圧的な独裁支配者でないこと、ミクロの観点では、時期により懐柔政策を採る等、複雑な経緯のあることを示す。イラクの細々した人名・地名・県名等は些か閉口したが、著者の責任でないのはいうまでもない。
    ただし、軍・秘密警察など、バアス党政権の裏面は踏み込みが足りていないような気がする。

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著者プロフィール

千葉大学教授

「2016年 『食料消滅!?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

酒井啓子の作品

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