ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの

制作 : 宮崎 駿  Robert Westall  金原 瑞人 
  • 岩波書店
3.96
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  • レビュー :54
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246323

作品紹介・あらすじ

イギリスの作家ロバート・ウェストールの作品集。大戦下の少年たちの友情と恐怖を描く「ブラッカムの爆撃機」の他、「チャス・マッギルの幽霊」「ぼくを作ったもの」の2編に、リンディ・マッキネルによる「ロバート・ウェストールの生涯」と宮崎駿のカラー書き下ろし「タインマスへの旅」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • パンチ力はんぱねえ。
    あえて戦争の悲惨さを訴えてる内容じゃないのに、語り口は淡々としてるのに、めっちゃくちゃ怖かった。
    そして臨場感。自分、雲の中を飛んでる飛行機の中が感じられた。エンジンの音や張り詰めた空気や。
    『永遠の0』読んだ人に貸してあげたい。

  • 以前、夜間の爆撃で炎上する町と子どもたちという陰鬱な表紙で刊行されて、品切れ絶版になったものを、この作品に入れ込んだ宮崎駿さんが、出版元を福武書店から岩波書店に替え、最初と最後に著者ウェストールの故郷タインマスへ著者を訪ねての旅を漫画として描いたものを追加するというとんでもない肩入れをして、復刊にこぎつけたもの。
    ジブリのアニメの中の飛行機乗りの心に触れる部分の肉付けに貢献した何冊かの本の一つであることは間違いないだろうと思うが、これは児童文学として書かれた割には、かなり大人向け。戦争の生々しさ、残酷さがそのままにでてくるので、小中学生にはやや内容が重すぎるかも。

  • 貧弱なアルミ管の骨組みに布が張ってあるだけのウィンピー…本名はウェリントン爆撃機。
    テントみたいな爆撃機に乗り込む副操縦士のマット、ナビゲーターのキット、機首銃座のポール、尾部銃座のビリー・ザ・キッド、そして無線士のゲアリー。
    機長は中年のアイルランド人機長・タウンゼンド大尉。
    通称「親父」。
    高校出たての新米ばかりながら、その親父に率いられ、しょっちゅう笑い、そのために幾度もの出撃から生還してきた彼らは、クレフェルト爆撃の夜、後に「ブラッカム爆撃機事件」と呼ばれる事件の発端となった、友軍によるドイツ軍・ユンカース八八型機撃墜を目撃。彼らと変わらぬ年頃の、若いパイロットの断末魔の叫びを聴く。

    そして、次の出撃。恐ろしい死の連鎖が始まった――。

    表題作『ブラッカムの爆撃機』ほか、『チャス・マッギルの幽霊』『ぼくを作ったもの』2編、宮崎駿監督書下ろし漫画『タインマスへの旅』を収録。

  • 宮崎駿関連でこの本にたどり着く人も多いだろう。
    そこを切り離して考えてみても、非常に良い本だ。

    少年の感性をくすぐる十分な物語性。
    話の展開のスピードと、情景、流れる時間、時代。

    表面だけの薄っぺらい本とは出来が違う。

    周りの少年にぜひ!

  •  すっかり忘れていたようだが、全部一回は中学か高校で読んでたわ。

     戦時下の物語だけど反戦の物語とは違う、という珍しい(特に児童文学においては)作品。
     物語に反戦の色が強く出ると、かつての私のごときひねくれた子供には「とどのつまり『戦争はやめよう』ってことが言いたいんでしょ? わかってるよ」と言われて終わってしまうのだけど、ウェストールの作品はそうじゃない。戦争は重要な背景ではあるけど、メインじゃない。たいせつなことは、人間がどんなときでも守らなければならない一線を守ることだ。そして、人と人との間にある、見えない境界線を一歩踏み越える勇気を持つことだと教えてくれる。

    以下作品別蛇足な感想

    ■ブラッカムの爆撃機
     親父ことタウンゼンド大尉、かっこよすぎるぜ。
     「ディーターをばかにするべきじゃなかった」みたいなセリフ(忘れた)が印象的。
     S機の中で体験したことは超常現象みたいに見えるけど、あれが飛行機乗りのリアルだったんだろうと思う。

    ■チャス・マッギルの幽霊
     第一次世界大戦の兵士(の幽霊?)と第二次世界大戦の少年が出会う。なんだかホッとするラスト。
     チャスは他の作品にも出てるみたいで、そちらも楽しみ。

    ■ぼくを作ったもの
     中学生のとき教科書で読んだなあ。おじいちゃんとの交流にノスタルジーをおぼえる。

     宮崎駿の漫画(巻末)はすばらしいけれど、読了後に読まないと解釈が固定されてしまいそう。
     ていうか宮崎駿とウェストールって顔似てない?


    原題
    「ブラッカムの爆撃機」:Blackham's Wimpy
    「チャス・マッギルの幽霊」:Haunting of Chas Mcgill
    「ぼくを作ったもの」:The Making of Me

  • この本は、宮崎駿さんの『折り返し点』で知りました。

    本書は当初、福武書店から出版されていたのですが、絶版になってしまうことを知った宮崎さんが、他社で再販と言う、絶版の危機から救ったという作品。

    再販に当たり、ご自身で紹介文や、表題の爆撃機のイラストなどを新たに書き起こし、少しでも多くの人に読んでもらえるよう、とても尽力されています。

    この爆撃機のイラストのおかげで、本篇での機内の様子や乗組員の位置関係などが非常に分かりやすくなっています。

    内容は結構ハードな感じで、「これが児童文学?」という感じすらしました。大人が読んでも十分に堪能できると思います。

    「人生って残酷で酷いものだけど、それでもやっぱり勇気を持って生きて行かなきゃいけない」というようなメッセージが込められているような気がしました。

    活字が大きく、ページも少ない(全部で220頁程)ので、気軽に読めます。

    本書には表題である『ブラッカムの爆撃機』(中編)の他、『チャス・マッギルの幽霊』(短編)と『ぼくを作ったもの』(掌編)が収録されているのですが、個人的には『ぼくを作ったもの』が最も印象的でした。

    今後も折に触れてウェストール氏の作品は読んで行こうと思っています。良い作家を知ることができました。

  • 中篇1本と、短編2本。
    すぐに読めるが、どの作品も厚くて濃くて、冴え渡る臨場感やスリルで、とても大きな読書体験として感じられた。

    ブラッカム~・戦争の臨場感にあふれている。
    恐ろしい。そして、親父、かっこいい。
    仲間たちとの空気もいい。
    戦争への乾いた語り口と、湿った事実のバランスが印象的。

    チャス・マッギル~・これぞ真骨頂だと思う。
    すごい話。時をあざむいてやった、しかし、時の仕返しもあった。という文が印象的。宮崎氏の前書きをみて、こういう意味だったのか、とおぼろげに理解した。

    ぼくを作ったもの~・読んでいたら激しい既視感におそわれた。中学校の教科書でこれに既に出会っていたのだった。自伝だろうか、これもまた深く、温かく、戦争への少年のリアルに満ちている。

  • 宮崎駿が紹介マンガを描くほど入れ込むのもわかる。痛みを伴う、少年のための戦争物語。これ(あるいはこういうの)は宮崎駿に渾身の力を込めてアニメ化してもらいたい。ウェストールを探して読んでみようと思う。

  • 161110読了。
    文体はひどく砕けた口語文。なのに一息に読むことはできなかった。どの作も主人公が真相に迫った時のドキドキがすごい。
    特に気に入ったのは「キャス・マッギルの幽霊」だった。結末にすっきりする。
    宮崎駿氏の冒頭の漫画は、本編を読み終えてから見返すと非常にすっきりした。
    ふたつの大戦を描いた作品で、イギリスが舞台になっているのは触れられづらい。いつも日本とドイツに焦点がいってしまう。
    作品としてはとてもライトだったし、古い過去の話なのに新鮮に感じた。

  • 宮崎駿さんが表紙の絵などを書いてて、ちょっと興味を持ち手にとってみました。

    うーん、私の好みではないかな。

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