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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784000246446
感想・レビュー・書評
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「完璧でない」からと捨てられる食べ物。一方で、食べることに困っている人が大勢いる。両者をつなぐ活動の最前線、アメリカと日本から。 「Google ブック検索」より
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「フードバンク」という見慣れない単語が目に付いて、何気なく図書館で手にした本だったが、一気に読んでしまった!何とエキサイティングな活動なんだろう。そしてまだ始まったばかりではあるけれど、日本で「フードバンク」を設立したアメリカ人とそこに集う人々の生き様の何と魅力的であることか。文句なしの5つ星です。早速購入して自分の周りの人にも勧めます。
「フードバンク」とは、簡単に言えば企業や商店、農地で消費期限が充分残っているのに廃棄されていた食べ物を、困った人々に渡す仲介役を行う団体のこと。一見簡単そうに思えたが、読み進むと事はそう簡単ではなかった。渡す側のニーズと受け取る側のニーズの違い、ものが食料なだけに発生する安全性の確保の問題、ロジスティックの問題、そして日本のNPO団体の多くが抱える財政上の問題、等々。
そのような困難だらけの中、まずは行動と動き出した人々の勇気にはやはり感銘せずにはいられなかった。また、著者の、恐らくは相当量の時間を取材に費やしたであろうことから来る文章の確かさが、読み手にしっかりと届く迫力として感じられた。
まずは出来ることから始める、ということを自分でもやってみようと思う。動き出さなければ何も変わらないと言うのは、きっと正しい。 -
日本のフードバンク活動の始まりから現状、課題をフードバンクの先進国であるアメリカを例に書いている。最近のコロナ情勢でフードバンクが話題になってパントリー型のは私も知っていたのだが、フードバンクと一口に言っても、施設に寄付したり、炊き出しをしたり、個人に配ったり様々な形があることを知った。フードバンクに興味がある人だけでなく、貧困や食品廃棄、ボランティアに興味のある人は読んでみても良いかもしれない。
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ラウンジ
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611.3
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ふーどばんくってなに?
まず手に取ったときに感じた事。日本が食料自給率がひくくて、でもたくさんの食料を捨ててしまっているという事実はなんとなく知ってはいるけれど、それを解決しようとしている人たちの活動にはほとんど関心を向けていなかった。この本で食べ物だけではなく「貧困」という事実は日本にもあてはまることを知りました。 -
箱の潰れ、傷あり・・・小さな理由で食物が大量廃棄される現代社会。その反面食べ物を得ることもできない貧しい人々も存在する。
“完璧でない”食べ物を貧しい人々、養護施設やホームレス支援団体などに届ける活動をおこなう「フードバンク」。活動を通じて、食生活のあり方や日本における貧困問題について考えることができる。 -
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もったいないをありがとうへ。
セカンドのコピー。
食べ物を無駄にしない活動。
企業も廃棄コストを削減できる。
winwin。
棄てらてしまうはずだったものが生かされ、それが人の生命につながるこの活動に私も積極的に参加していきたい。 -
流石ジャーナリストが書いただけあって中身が濃い。
フードバンクとは。形が悪く売れないものや賞味期限でなく企業の定めた販売期限のすぎたものを引き取り、配る。まだ食べられるし企業も廃棄コストが減って嬉しいよねと。
2008年3月。日本NPO学会が主催する「NPO再考、10年を振り返る」と題した公開シンポジウム。 -
生きるだけで精いっぱいである時代を超えて、じゃあ生きて何をするの? と問われる時代になっている気がする。いやもちろん、生きるのが第一なんだろうけれど……少なくとも生きるだけで精いっぱいではない人は、それを考えざるを得ないような。
……豊かさとは何でしょうね。 -
「余ってる人から足りない人へ」、フードバンクの仕組みはとてもシンプル。フードバンク発祥のアメリカではソーシャルビジネスとしての地位を獲得し、寄付する側の税制優遇なども整備されている。しかし日本ではボランティアを偽善と捉えられる傾向があり、普及にはまだまだ障害が多い。他方で日本には「もったいない」文化があり、これは逆輸出できる習慣だとも思う。
SCMや印刷技術が発達し、食品ロスが減少傾向にあり、食料が調達がしにくくなっているという話はなんとも皮肉で需給ギャップの解消が如何に難しいかを物語っている。
食料問題というのは根深い複雑な問題だが、「問題」として提起しない限り解決もできない。そうした問題提起と現状を伝えるこの本の意義は物凄く深い。 -
フードバンクの考え自体はいたって単純。安全なのに「完ぺきではないから」と言って捨てられてしまうような「もったいない」食料を、足りない人に回すというもの。
つまり無駄を再分配してゆくことです。
ところがそれを実現するためにはアメリカでも、日本でも様々な障害があります。とりわけ日本では、その活動の知名度や日本ならではの「偽善」への厳しい批判、そしてNPOを支援するような制度の問題から、最低限の資金を回して運営してゆくことも難しいといいます。
運営の実際的な問題ももちろんありますが、一つの文化として、日本で寄付がもっと流行するような方法はないだろうかと思いました。 -
まだ食べられるのに捨ててしまう食べ物を困ってる人に!
発想と仕組みはシンプルで効果は大きい。なのにNPOだからなのか問題は山済みだ。フードバンクは絆創膏の役割だけでいいのか?という指摘があったが貧困や食糧不足の問題を根本的に解決するにはあまりに多くの問題が絡んでいるのでこの指摘はおかしい。 -
団体の存在、社会問題を知る上で役に立つ。
著者プロフィール
大原悦子の作品
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