冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実

制作 : Aaron Glantz  TUP 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 71
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246514

作品紹介・あらすじ

二〇〇四年に発足した反戦イラク帰還兵の会(IVAW)。「イラクからの即時無条件撤退」「退役・現役軍人への医療保障その他の給付」「イラク国民への賠償」の三つを掲げて行動を開始したIVAWは、二〇〇八年三月、「冬の兵士」と題した公聴会を開催した。-多くの兵士が戦場の実態を告発した。その証言をまとめたのが本書である。

感想・レビュー・書評

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  • 想像以上にむごいことがおこっていたんだな

    いつも苦しむのは現場の兵士なんだということ

    そしてどこの国も国民をだましているな、と言うことを改めて強く訴えかけてくる本だった。

    「GIレジスタンス」のような政権に異議を唱えるような団体が力を持つのも、アメリカの底力の一つだろう

    でもそのおかげで、という言葉は正しくないが、アメリカの兵士が減った分、自衛隊を当てされているのかもしれないとも感じた

  •    はじめに
       読者のみなさんへ
    序章
    第一章 交戦規則
    第二章 人種差別と非人間化
    第三章 民間人の証言ーイラクの犠牲
    第四章 分断し、統治せよージェンダーとセクシュアリティ
    第五章 帰還兵医療の危機と祖国における戦争の犠牲
    第六章 企業による略奪と米軍の崩壊
    第七章 GIレジスタンスの将来
    結びの言葉
    あとがき
    謝辞

  • もう、加害者も被害者もなく、
    殺すも殺されるもない。

    ただ憎しみと哀しみだけが降り積もってゆく、
    そこは冬の戦場。

  •  読み終えて、とても判断に迷う。これはありふれた姿なのか、それともごく一部の事例なのか。
     イラクからの帰還兵が、自分たちの体験を人前で話した時の話。

     交戦規定無視あり、暴力あり、PTSDあり、自殺あり、セクハラあり、強姦あり、差別あり、無意味な殺戮ありの実体験集です。

     1人あたりの話はとても短くて読みやすいのですが、文章が読みやすくても中身がここまですごいと目が前に進まなくなるのだなと。
     ……なんでこんなことになるんだ。

     予告なしにグロ画像が出てくる本ですが、でもグロいからという理由で目をそらしちゃいけない気分になってじっと見ていたら、なんか気持ちが下降路線に入ってしまった。
     うん、いろいろ無理。私にはキャパが足りなかったぽい。

     現代の価値観を有している人間は、相手も人間だと認識した状況では殺し合いはできないんじゃないだろうか。
     そこをねじ伏せると、ちょっとどっかおかしくなってしまわないか。
     でもそれをするのか。

     ――あと、「反戦イラク帰還兵の会」が「公聴会」を行う、というその企画自体が新鮮でした。こういうアプローチもあるのか……。 

  • 2009/10/15
     情報として非常に貴重な本。
     ただし、「また読みたいか」といわれれば、
    「もういいです。」という感じ。
     読んでいて、つらい。

  • この本は、イラク・アフガニスタンに関わった兵士やその親、そしてイラクの民間人などが戦場の実態を告発した証言をまとめたものだ。兵士たちは自分たちが行った残虐な行為を具体的に証言し、イラクやアフガンニスタンの人たちへの謝罪とともに、アメリカ政府を、戦争を、告発している。

    軍事史家S.L.A.マーシャル陸軍准将が、第二次世界大戦の帰還兵を調査したところ、戦場で実際に発砲した兵士は15~20パーセントだったということがわかり、そこで訓練方法が見直された。そして人を殺すことにためらいがなくなるような非人間化の教育がなされた結果、ベトナム戦争では90パーセントの兵士が発砲するようになったという調査結果がある。

    非人間化された心は、人格を崩壊させ、短絡的で差別的な人間となっていく。そして、軍隊内部の人種差別主義は、他国の破壊と占領を正当化するための重要な手段として利用されてきたという。本書では、軍隊内での強姦行為も告発されている。上層部に訴えてもそれが取り上げられることもなく、逆にそれが表沙汰にならぬよう、色んな部署をたらいまわしにされ、やがては逆に監獄に送られそうになる結末を迎えるという、なんとも低俗で悪意に満ちたな組織構造なんだろう。

    米軍では毎日18人の帰還兵が自殺をし、毎月1000人が自殺を試みているらしい。戦闘で戦死する兵士よりも自殺する帰還兵のほうが多いのだ。退役軍人医療制度がありPTSDの治療もあるのだが、予約さえなかなかとれない状態で、やっと診察にありつけても15分ほどで終わり、薬を処方されるだけのようである。米国政府には退役軍人にまで回すお金がないのが実態だろう。

    いや、戦場でも兵器さえ配給がないこともあったと証言されている。隣の部隊に弾薬を借りにいったり、車にも装甲がなされていなく、古いトラックに鉄板を貼ったら、それが重過ぎて時速20~30kmしか出なかったとか。笑い話にもならない。もうアメリカも末期ではないか。だから新たに兵士が集まることもなく人手不足で、PTSDのまま戦場に呼び戻されたり、あるいは帰還を契約無視で延期されたりするので、さらに兵士たちは疲れきっていく。

    志願兵となる人たちは、愛国心というのが一番の大義名分だろうが、実際には、支給されるお金に惹かれてのことだろう。大学への学費が免除になるらしい。だから、志願兵たちは、貧困な環境で育った人が多いようである。しかし、怪我やPTSDで除籍されてしまった人たちには支給されないことがあるらしく、またそんな状態では仕事にも就くことができないため、ホームレスとなったり、やがて自殺してしまうのだという。

    この本を読んで、アメリカ政府は様々な面で末期を迎えているような印象を持った。だからこそ、この「冬の兵士」たちは立ち上がったんだと思う。

    今朝(10/3)の読売TV「ウェークアップ!ぷらす」で森本敏が「中国が軍事費を増額しているので日本も増額すべきだ。」のようなことを言っていたが、いざ戦争をしてしまえば、世界一の軍事費を誇るアメリカでさえこのような結末になるのであるから、軍事にお金をつっこむことはいかに無駄であるかと、僕は思うのだが。

  • 本のやりくりがつかず、ちらっと見て、いったん返却

  • まだ読み始めだが、日本のマスメディアが対米従属の立場をとり、アメリカに不利になることを隠蔽していことがこの本を読むとわかる。実際にイラクに行った軍人の体験談は生々しく、犠牲となった一般人が何万人にものぼっているのは驚きであった。

  • 圧倒的。
    そう、戦争は人を変える。
    兵士を責めるのは間違ってる。「自分が殺されるかもしれない状況」で、人はどれだけ正しい選択が出来るのだろう。
    イラクの方々に、心から追悼の意を表します。

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