フィデル・カストロ――みずから語る革命家人生(上)

制作 : 伊高 浩昭 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 36
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246590

作品紹介・あらすじ

国際政治の舞台に残る最後の"聖なる怪物"が、著名ジャーナリストとの100時間余におよぶ火花散る対話の中で、その"大河的人生"を語りつくす。

感想・レビュー・書評

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  • この人の死が、何故新聞の1面になるのかなと思った
    あなた。手に取って欲しいです。分厚い上下巻ですが、インタビュー形式で読みやすいです。

  • 革命とはなにか、革命家とはなにか、そして権力とは何か、イグナシオラモネのインタビューは秀逸。翻って、日本のブル新の論説委員や記者がいかに体制礼賛しか能がない、お粗末な「人格」かが痛感させられる。

  • いまだに私たちの文化は、のうのうと生きて老体をさらすよりも、若く美しいままに夭折する方をよしとする風潮にあるほど未成熟なのですが、でもたしかに、たとえ老成したとはいえぶよぶよの石原裕次郎やエルビス・プレスリーよりは、未熟でもいきのいいスレンダーな赤木圭一郎やジェームス・ディーンの方が格好いいに決まっていますが・・・・・・。

    とかく若くして虐殺されたチェ・ゲバラばかりが英雄視されるなか、その後も生き延びて悪戦苦闘してきたフィデル・カストロには、何故かひとすじの光すら当てられないという感じでしたが、意外や意外にも2002年に、わが佐々木譲が『冒険者 カストロ』というノンフィクションを上梓して、私たちを驚かせたことがありました。

    名うての冒険小説の書き手が、革命後40年になんなんとする、弱小社会主義国家キューバを維持建設してきたカストロを冒険者としてとらえ、レーニンをはじめ他の誰も成し遂げられなかったまったく新しい国家づくりを取材・分析することで、フィクションではなくこの21世にも実際の冒険者が実在するのだと、高らかに宣言したのでした。

    それはともかく、どこかの国のような、餓死する国民のことなどそっちのけで自分の誕生日を贅沢三昧祝う国家元帥と違って、個人崇拝を否定してきたカストロは、公式には伝記の刊行を許可してこなかったのですが、そういう第三者の執筆した伝記を許す前に自らが自身を語るという行為に及んだのは、やはり85歳の高齢になったことへの感慨からなのでしょうか。

    米国のすぐそばに位置し、暗殺や謀略の危険に常にさらされるキューバにとって、ある時期にソ連の援助は必然的だったこと、他のどこにもないキューバ独自の社会体制をいかにして作り上げて来たかのいばらの道の歴史などなど、この興味尽きない話題について100時間を超えたインタビューをもとに書かれたこの本は、それは多少は対外的な政治外交戦略として嘘や隠し事も混じっているかもしれませんが、40年以上にわたるキューバ革命の実際を、他の嫌になるくらいの裏切り・悲惨・残酷な社会主義国の歴史と違った、人間の理想を目指した希望の歴史を知る上ですごく貴重であり、またいつもになく感激することしきりの読書でした。

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著者プロフィール

1943年スペイン生まれ。「ル・モンド・ディプロマティック」紙の社長であり、主幹。コミュニケーションについての研究も多く、パリ第7大学の教授も兼ねている。著者は「市民援助のための金融取引に課税する行動」(アタック)の創立者であり、行動するジャーナリストである。

「2004年 『21世紀の戦争 「世界化」の憂鬱な顔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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