プレニテュード――新しい〈豊かさ〉の経済学

制作 : 森岡 孝二  森岡 孝二 
  • 岩波書店 (2011年11月30日発売)
3.33
  • (1)
  • (3)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
  • 68人登録
  • 7レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246682

作品紹介

働きすぎと浪費の悪循環は、自然と人間を疲弊させ、環境の危機と経済の危機をもたらしている。この2つの危機から脱するためのキーワードは、「プレニテュード」。プレニテュードとは、環境に配慮した生産・消費のシステムと、個人のゆったりした働き方・暮らし方とが合致する新しい「豊かさ」のこと。従来型の市場経済を乗りこえる最先端の試みを多数紹介し、危機のなかに希望を指し示す。

プレニテュード――新しい〈豊かさ〉の経済学の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 資本論の価値形態論のリンネルと上着で、上着が、一般等値形態として、貨幣を論じる前にマルクスは説明するが、それは、私は不思議に感じていたが、それは、どうやら、マルクスの理論のためにマルクスがあえて説明しているのではないのかもしれない。
    価値形態論の説明のために仮定したと見られる上着は、実は、そうおかしな話ではない
    17〜19世紀にかけて、古着は、金、宝石に次ぐ、一般的等価形態の商品であったのだ。
    古着が、一般的等価形態であった事実を知ったのは以下の本である。

    とは言ってもその古着が貨幣として流通するとかしないとかが、本書の主題ではなく、その古着の貨幣的価値が損なわれてしまった原因は衣服の大量生産であり、その大量生産が価値の暴落をさせた。

    その大量生産を可能にさせたのが、現在の技術とグロ―バルにつながった資本主義であり、そのグローバル資本主義では衣服は「ファストファッション」として、長時間労働と搾取労働と環境破壊の温床と化している。

    著者はそのような環境破壊型経済は長く続かないとみて、持続可能な経済を、リサイクル、高いものを買って長期に使う、高いものを買うリスクを共有で所有する、など環境保全型経済への転換を提案する。

    豊かさ、とは何か、の価値変換を促す、極めて重要な本である。

  • 『スペンド・シフト』にしろ、『第四の消費』にしろ、『ダウンシフターズ』にしろ、『お望みなのはコーヒーですか』にしろ、この手の本は一旦出尽くしたんだろうな。しかし、よくまとまっていて好感がもてるし、逆に言えばこれ一冊だけでもいい(のかもしれない)。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:331//Sc7

  • 働き過ぎ、浪費し過ぎのアメリカ人。この悪循環は、自然と人間を疲弊させ、環境の危機と経済の危機をもたらしている。プレニテュードとは、環境に配慮した生産・消費システムと、個人のゆったりした働きかた・暮らし方とが合致する新しい<豊かさ>のこと。従来型の市場経済を乗り越える最先端の試みを多数紹介し、危機の中に希望を指し示す。

    環境経済
    BAU(Business As Usual )
    従来のやり方の意。排出量の増加に対処しない場合に何が起こるかを端的に言うために、気候変動に関する論議から生まれた用語。

    第1章 環境と経済の危機から真の<豊かさ>へ
    <豊かさ>の基本原理/経済的対話の方向を変える/前進への道──経済的パフォーマンス 2010-20年/本書のプラン

    第2章 消費ブームから環境破綻へ
    ファストファッション──衣料品の場合/典型例はファストファッション/廃棄する国民/消費の物質性パラドックス/物質の経済学/成長の限界はあるか/地球の環境破壊/人間のフットプリント/実績を調べる

    第3章 経済学は地球と向かい合う
    資源、豊穣、および市場の奇跡論/トレードオフの経済学──自然に関する費用曲線の疑問/機構変動に関する打開策は?/技術はこの時代を救えるか/技術革新のリバウンドと逆効果/イギリスにおける技術的な楽観主義/オーバーシュートを認めること/持続可能性への道──人口、所得、および技術

    第4章 困難を抱えた地球で豊かに暮らす
    一つの警告──一度だけの人生/環境の現実に適応する──市場外の多様化という考え方/時間の富/実現可能な時短の推進──すべての人びとにとっての安全保障/なぜ、労働時間の短縮がグリーン・ソリューションなのか/二十一世紀における供給/家庭内生産のニュー・エコノミックス/<豊かさ>モデルの消費者/スロー消費の三原則/小さくても素晴らしい/共有<シェア>という解決策/社会の仕組みを変える──互恵の経済

    第5章 <豊かさ>の経済学
    地球にとってのスマートデザインと知識の経済学/小さいものは美しい。だが、その効率性は?/自然資産と共有制/仕事と労働時間──差し迫った時短の必要性/成長至上主義を超えて/<豊かさ>と幸福/わき上がる<豊かさ>

  • たくさん作り、たくさん消費し、たくさん捨てるために長時間働く従来の経済(BAU)から、少なく作り、少なく消費し、少なく捨て、短時間働く経済へと変わること。それこそが、新しい豊かさであると主張する。そのための処方箋は、

  • 自然と人間とを疲弊させてきた、これまでの社会の在り方(市場経済、働き過ぎの労働形態、消費経済など)から、環境と地域社会と人間との絆を再生させ、しかも、人間のスローライフな働き方・暮らし方とも合致する、環境に配慮した生産と消費のシステムである。

    このような「新しい」生産と消費のあり方、生き方・暮らし方・働き方とはどんなものなのか?

全7件中 1 - 7件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
ジェームス W....
トマ・ピケティ
國分 功一郎
ジャレド・ダイア...
エリック・リース
有効な右矢印 無効な右矢印

プレニテュード――新しい〈豊かさ〉の経済学を本棚に登録しているひと

ツイートする