フロイトとベルクソン

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246729

作品紹介・あらすじ

ジークムント・フロイト(1856‐1939年)とアンリ・ベルクソン(1859‐1941年)-ウィーンとパリで同じ時代を生きた二人は、ピエール・ジャネやウィリアム・ジェイムズらとともに同じ知のネットワークに属していたばかりか、同じ対象に関心を抱き、独自の思索を展開した末、対極から同じ領域に迫ろうとした。しかし、彼らには直接の交流はおろか、著作での言及も皆無に等しい。この謎めいた事実は何を意味するのか-前人未踏の困難な問いに挑み、二人の知の巨人を隔てる深淵に肉薄する、渾身の書き下ろし論考。

感想・レビュー・書評

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  • 小林秀雄の批評からの着想で、19世紀以降の思想に多大な影響を与えたベルクソンとフロイトの思想を比較するもの。

    大きく見て、ベルクソンが提示した知覚の逆円錐を起点にして、議論を進める。

    ベルクソンの逆円錐は、イマージュとしての「精神物質連続体」(うろ覚え)を表現するものであり、頂点で緊張状態にあり精神的なものを示すのに対して、底面では弛緩状態にあり物質的なものを示すものとされる。

    これに対応するように、フロイトも、そうしたイマージュを扱い、弛緩状態にあるエスと、緊張状態の自我とが対応する。

    こうした対応はそれなりに妥当なものであると思うし、こうして19世紀の思想が整理されること自体が、重要なことであるだろう。

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著者プロフィール

1949年、茨城県生まれ。東北大学医学部卒業(医学博士)。都立松沢病院、東京医科歯科大学、栗田病院、稲城台病院などを経て、現在、いずみ病院(沖縄県うるま市)勤務。専門は、精神病理学。
主な著書に、『シュレーバー』(筑摩書房)、『死と狂気』(ちくま学芸文庫)、『〈わたし〉という危機』(平凡社)、『20世紀精神病理学史』(ちくま学芸文庫)、『祝祭性と狂気』、『フロイトとベルクソン』(以上、岩波書店)など。
主な訳書に、ジークムント・フロイト『モーセと一神教』(ちくま学芸文庫)、ダニエル・パウル・シュレーバー『ある神経病者の回想録』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『創造の星 天才の人類史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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