仏典はどう漢訳されたのか――スートラが経典になるとき

著者 : 船山徹
  • 岩波書店 (2013年12月19日発売)
4.08
  • (4)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • 本棚登録 :44
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246910

作品紹介

サンスクリット語などインドの言葉が原語であった仏典は、中国の文字や言葉に翻訳されて伝わることにより、東アジアの文化的基層となった。鳩摩羅什や玄奘ら、高僧たちの翻訳理論とはいかなるものか。どのような体制で、どれくらいのスピードで行われたのか。中国に無かった概念をどう訳したのか。さらに、中国で作られた、「偽経」とは?仏典の漢訳という、人類の壮大な知的所産を、専門外の読者にもわかりやすく解説した、初めての本。

仏典はどう漢訳されたのか――スートラが経典になるときの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 仏教の漢訳をめぐる諸問題について解説しています。翻訳論・文化論としても読むことができます。特に、中国文化をインド文化に対して、積極的に相対化していて、わくわくする思いで読みました。
    普通の日本人は、漢訳仏典から仏教を知ります。これが翻訳であることを百も承知でありながら、漢訳特有の問題点についての整理はなかなか難しいのです。それらを一から解説しています。
    アブストラクトは9章の最初に出ています。私が特におもしろいと感じたのは、「偽経」についてのところです。どうせ中国式のニセモノの話だろうといえばそれまでなのですが、そういう問題とリンクするものがあり、文化の根深さを感じたのです。それも肯定的な評価です。
    やはり鳩摩羅什はすごい。玄奘も立派ですが。これも、現代に通じる翻訳の問題に通じるものがあります。
    ヨーロッパのある研究者に、日本人の古典の翻訳は「訳」ではなく、置き換えだと言われたことがありました。漢訳は語単位の翻訳から出発しますが、キケロ以来の問題と比較することで、漢訳のめざしていたものとそうでないものを示しています。
    仏教に興味のない人でも、宗教の翻訳とか、中国文化に興味あれば、とてもおもしろいと思います。ただ書物の性格上、仏教語アレルギーの人には苦しいかも知れません。

  • スキャンしました、、171216

  • 本を読む理由は、日本を知るためである。普段使っている仏教に由来した言葉を知って納得するためではない。インド語の仏典がどの様に漢訳され、大系をなしてきたかの歴史を知るためである。かってあった膨大な翻訳活動を理解しないと、経典がどういうものなのか概括的に捉えることができない。一般に知られていない僧伝(訳経僧の伝記)や経録(経典目録)を辿ることで、大蔵経の中身を知ることができる。

    翻訳が文化であることをあらためて識る。

全4件中 1 - 4件を表示

船山徹の作品

仏典はどう漢訳されたのか――スートラが経典になるときはこんな本です

仏典はどう漢訳されたのか――スートラが経典になるときを本棚に登録しているひと

ツイートする