フタバから遠く離れてII――原発事故の町からみた日本社会

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246996

作品紹介・あらすじ

震災と原発事故により町ごとの避難を強いられた原発立地自治体・双葉町。現在は、中間貯蔵施設の受け入れに揺れている。震災直後の春から避難者の暮らしに長期密着し話題をよんだドキュメンタリー『フタバから遠く離れて』の続編の待望の公開に合わせ、本書では、映像で語りきれなかった人々の生の声や撮影の背景を、監督が書きおろす。

感想・レビュー・書評

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  •  映画は「1」しか視聴していないが、郡山のジュンク堂で本書を見かけて購入。往復の新幹線車内と翌日朝の2時間ほどで読み終えられた。
     
     じつは「1」の映画の内容があまり印象に残っていない。だが、旧騎西高校に移動した町のコロニーを取材し続けるという手法が、「2」で改めて問われたのではないか? 象徴的なのは、井戸川克隆氏から伊澤史朗氏に町長が交代するプロセスの描き方である。「フタバ」の取材は徹底して旧騎西高校で行われたので、いわきを中心とする県内避難者の声は基本的に語られていない。本書でも、金子勝が、加須の連中は二万円多く貰っているんだ、と語る町民の姿にショックを受けたと言っていたが、彼がそう語るようになった内在的な背景については基本的に追われていない。

     気になるのは、著者が明らかに共感し肩入れしていた井戸川氏が町民の厳しい視線にさらされ、埼玉と福島とで大きく町民が対立した状況で、いささか唐突に〈日本人論〉が持ち出されてきたことだ。〈日本人〉には議論の伝統がなく、論理や理性で物事を判断しない、地方の人々は政策やビジョンではなく地縁や共同体の意向で判断する――これではまるで、戦後啓蒙期の知識人の反復でしかない。ドキュメンタリー作家が、いつのまにか〈上から目線〉の観察者になってしまっていた――というのは、厳しい評価に過ぎるだろうか。

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    「町の9割が帰還困難区域であり、中間貯蔵施設の受け入れに揺れる原発立地自治体・双葉町。終わりの見えない避難生活に長期密着し、国内外で大きな話題をよんだドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』(2012年)の続編の公開に合わせ、映像では語りきれなかった町の人々の息遣いと生の声を伝える書き下ろし。 」

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