ポピュリズムとは何か

制作 : 板橋 拓己 
  • 岩波書店
3.93
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本棚登録 : 110
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000247962

作品紹介・あらすじ

現代世界を席巻している「ポピュリズム」。だが、そもそもポピュリズムとは何を意味するのか。民主主義とどのように区別できるのか-。気鋭の政治思想史家が、古今の様々なポピュリズム現象やポピュリストの論理を緻密に分析し、「人民を代表するのは自分たちだけだ」という反多元主義的な語りに注目して明確な定義づけを試みる。ポピュリズムへの対処法に関しても示唆に富む一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 今年一番興奮した読書かもしれない。久しぶりに本を付箋だらけにしている。ポピュリズムについての理論分析と実態の検証が非常に上手く、バランスよく織り編まれている一冊だと思う。米国の歴史背景だけでなく、取り上げられている地域、人が幅が広く、その様相を見るに世界には今まさに「幽霊が徘徊している。ポピュリズムという幽霊が」という状況であると感じる。そして語られている内容が身近に感じられて怖くもある。著者はポピュリズムを教義というよりロジックとして捉え、その主張・言論と行動を分析した上で対処法を示し、最終的に7つ(原著のドイツ語では10)のテーゼにまとめている。独語原著は独国内政治についてより理論的に分析されているらしい。2017年秋の独総選挙についてのコメントを知りたい。また本書に対する反論を示した山本圭の論考も読まねばと思う。

  • もってまわった難解な言い回しでやだなー読みづらいなーと思っていたら著者がドイツ人でさもありなんと納得。
    内容はポピュリズムの特徴を的確に捉えており、普遍的な存在としてのポピュリストを定義するために必要な共通点をこれでもかとばかりに提示していて大変痛快。某東アジアの国の宰相様にも9割がた当てはまる。
    とはいえ難解な文体なので再読してみないと本書を理解したとはいえない。なんかの機会に再読するわ。

  • さまざまな主張のポピュリストが勃興する昨今、その定義は難しいものと思われる。筆者の提起する定義は、民主主義への脅威であることを明確にするという意味で、的確なものと言える。
    世界中にポピュリストが拡大しており、この潮流を押しとどめ、押し返すきっかけとなるものがあるとすれば、トランプの弾劾しかないのではと思う。その前段として、中間選挙では共和党の惨敗を期待したい。

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  • わし「つまりあれかな、ポピュリズム的な物の対極にあるんだよ文学は!」
    恋人「なんで?」
    わし「文学は混沌だからさ!」
    恋人「…なるほどね」

    カウンターカルチャーとしてありたいと願いつつ、ポと対峙し排斥してしまっては結局ポに同意してると同じになってしまう。そうではなく。

  • ポピュリスト=彼の人民の直接意志を実現するという言説を下に、支持を拡大した。
    →ポピュリストも一つの政治勢力である以上、議会というアリーナで議論する必要がある(前書きⅳ)

  •  世界中で席巻するポピュリズムとは何か。

     近年の具体的な例を上げながら、ポピュリズムとは何かを説いていく。文章はやや難解。
     ポピュリズムとは反エスタブリッシュメントなだけでなく、反多元的で私達だけが正しいとするムーブメントらしい。それは右も左も関係ない。
     ポピュリズムと向き合うというだけでなく、自分がポピュリズムに陥らない為にも必読の一冊。

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著者プロフィール

(Jan-Werner Müller)
1970年ドイツ生まれ。ベルリン自由大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ、プリンストン大学などで学び、オックスフォード大学で博士号を取得。2005年よりプリンストン大学政治学部で教鞭をとり、現在、プリンストン大学政治学部教授。邦訳書に、『カール・シュミットの「危険な精神」――戦後ヨーロッパ思想への遺産』(中道寿一訳、ミネルヴァ書房、2011年)、『ポピュリズムとは何か』(板橋拓己訳、岩波書店、2017年)がある。

「2017年 『憲法パトリオティズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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