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Amazon.co.jp ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784000248013
みんなの感想まとめ
母と娘の心温まる往復書簡が描くのは、フランス王妃マリー・アントワネットとオーストリア女帝マリア・テレジアのリアルな関係です。母親の愛情と心配が込められた手紙には、娘の身の振る舞いや教育についてのアドバ...
感想・レビュー・書評
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フランス革命で悲劇の死を遂げたマリー・アントワネット。幼くしてフランスへ嫁ぐ娘の身を案じたオーストリア女帝マリア・テレジアは,育てきれなかった想いを込めて,毎月手紙の定期便を送ります。そこには,娘の評判を案じ,身の振る舞い方を教えたり,本を読むように諭したり,太りすぎないように注意をしたり,と,偉大なる女帝と心配性の母親の両面が描かれていて,時代を超えても変わらないものがある,と思わされます。
同時に,当時のヨーロッパの情勢や宮廷での暮らしぶりがよくわかり,歴史資料としても一級品です。
さらにこの本の興味深いところは、二人の書簡だけでなくオーストリア大使メルシーとの書簡も引用され、より深く状況が理解できるようになっていることです。放埓なふるまいに対する母からの苦言に、娘は健気な返事をよこしますが、メルシーからは、娘がまったく反省しておらず、事実と違う言い訳を書いているという情報が寄せられたり。何度も、「このままでは娘は破滅です」という嘆きがあり、歴史に「もしも」はありませんが、アントワネットが母の戒めに従っていたら、フランス革命も違ったものになったのではないか、と思わずにはいられません。娘の悲劇を知らずにこの世を去ったことが、せめてもの救いだと思えます。私はついつい母親目線で読んでしまいましたが、娘目線で読むと、また違った印象にもなるかも知れません。
「ベルサイユのばら」が好きな人には,あのストーリーの裏付け資料として,さらに楽しむことができるでしょう。こういった資料が、ハプスブルク帝室文書館に残っているところが文化の力だなと思います。
歴史は確かに、一個の生きた人間が作ってきたと思える一冊です。 -
あまりにも有名なこの二人の往復書簡。大変な労作です。上野の国立西洋美術館で開催された『ハプスブルク展』の解説ナレーションの中で、おそらくこの本の内容から、往復書簡が引用されていました。そんな物が残っているなら、ぜひ読みたい!と思って探し、読み始めたのです。予備知識は…。そうですね。『ベルばら』とかツヴァイクの『王妃マリー・アントワネット』くらいは読んであると、対比が出来てすごく面白いです。
マリア・テレジアの賢母ぶりは、予想通りでしたが、世間で言うほど、マリー・アントワネットが愚かな印象でなかったのは意外でした。筆跡を見ると、確かに、もう少しお勉強した方がいいと感じますが、往復書簡の内容を見ると、決して彼女の評価は悪くありません。本人も思慮ある言説が見られて、デュ・バリ夫人との確執など、フィクションとは違う印象を与えます。
そう、まさに陷阱に墜ちた、素直な女性という感じで、王太子、後のルイ16世との仲も、想像されるほど悪い感じではなくて、歳の近い友人というか、男雛女雛のようななごやかさが感じられて、この人達が革命によって粛清を受けたのは、時代が変わっていく時の、民衆の憎悪が、事実を想像で歪めてしまった部分も大きかったのかな…と。彼女たちの好物だったココアを飲みながら考えました。
母は娘に「ドイツ人であれ。」といい、嫁いだ先では、「フランス人ではない。」と隔てられ…子供を待望されながら、一方では自身が教育を受けるべき、幼い子供のように扱われて、アントワネットはある意味いつも、二律背反の中でいたのかも知れず、いかめしいお目付け役や政治的な橋渡しの他に、同性の年齢の近い人で、聡明な友人がいたら、歴史は違っていたと思います。
それにしても、手紙の中で、母娘が諭したり甘えたり、家庭の中のことを話し合っている様子は、とても人間的で、程度はどうあれどこも同じと、微笑ましくもなりました。 -
<閲覧スタッフより>
母はハプスブルク帝国の女帝、娘はフランス王妃。そんな2人のごくごく普通の母娘の会話が繰り広げられる。母は度々浪費や遊びについて注意をするが娘は聞く耳持たず。
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所在記号:288.493||マア
資料番号:10155902
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面白かった。自分の母子関係と照らし合わせて読むと、マリー・アントワネットが14歳で嫁入りしたことを思うと、なお感慨深い。
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波乱に満ちた生涯を送り、断頭台の露と消えた、フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットと、
その母にして神聖ローマ皇后、オーストリア女大公、ハンガリー女王、ボヘミア女王であった
女帝マリア・テレジア。
マリーがフランスにお輿入れしてから、ごく内密に行われた母娘の手紙のやりとりをまとめた本です。
歴史上の人物の「素」を感じさせるものに途方のないロマンを感じます。
教科書の数行の存在に肉付けがなされて、奥行きが出てくるような心地になります。
例えば親しい人に宛てた手紙とか。
誤字があると微笑ましくてなおいい。親しみがわく。
というわけで、私のロマンの塊です。マリーの誤字もあるよ!笑
amazonさんの紹介文にもありますが、
「このままなりゆきにまかせていれば、あなたを待っているのは途方もない不幸だけだと、私は今から断言できます」
と、
オーストリアの偉大な女帝であるマリア・テレジアお母さんは娘を嗜めています。
娘の未来を暗示するようなお言葉。
いつの時代も、母は娘を案じてくれていて、
娘はそれに完璧には応えることが出来ないのですね。 -
面白かった~!訳もGOOD!上品な言葉遣いですが、よそよそしくはなく女帝と姫親子の手紙の雰囲気がよく出ている訳文だと思います。訳者の注も詳しくて、当時の状況や、どんな親子関係だったのかがよ~くわかります。 文庫化して欲しい。
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母から娘への膨大な小言集。しかも、母のほうが圧倒的に正しい。マリア・テレジアって本当にすごい女だったんだなぁ、とその偉大さ、まっとうさに胸打たれた。子供の教育で悩んでいる人なら、これぐらい辛抱強く説教し、噛んで含めるように言い聞かせていた母がいたことを知れば、「叱る勇気」が湧いてくるのではなかろうか。
こんなに説教されたら「うっせえな」みたいに、多少ふてくさてもよさそうなのに、いつも「気をつけます」「ママにキスを」「愛してます」という返信を描くアントワネットは、ちょっとうかつなだけで、性格は良い子だったんだろうなぁと思った。
散漫な感想ですみません。 -
タイトルどおりで、娘マリー・アントワネットと母マリア・テレジアの秘密文通を書簡にしたもの。
すっごい読み応えがあります。
マリア・テレジアは娘に、母からの手紙は焼き捨てるように指示していたのに、自分からの手紙は複写をとらせていて、ウィーンから送り込んだメルシー伯爵ともやりとりをしています。アントワネットが母に伝えていないことも、メルシー伯爵を伝ってばれていたり・・・
母が娘を自分の思いどおりに動かそうとしてしつこく言い聞かせるように書いていたり。
難しい表現や名前も多くて読みづらいけど、是非読むべき一冊です。 -
偉大なる女帝マリア・テレジアと我儘な王妃ともいわれる女帝の末娘マリー・アントワネットの往復書簡。11年間のやり取りが全て収まっており、読み応えも十分。■怠惰な生活を叱責する母親に対し、適当に嘘をついたりはぐらかしたりする娘。側にオーストリア大使がいるんだから、簡単にバレることぐらいわかってもよさそうなもんだけど。どちらかというと、オーストリア大使メルシー伯とマリア・テレジアの往復書簡の方が面白そうな気配がする。
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面白くてどんどん読み進められる!という類の本ではないけれど、マリー・アントワネットの実像が行間からあふれている。この親子の話の噛み合わなさとアントワネットの目先のことしか眼中にない話題が興味深い。
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パウル・クリストフ編のドイツ語版とジョルジュ・ジラールによるフランス語復刻版を主として、ハプスブルク家からフランス王家に嫁いだ娘 マリー・アントワネットと、その母でありオーストリアの女帝であるマリア・テレジアが交した現存する(写しも含めた)書簡の訳出である。
この本は、フランス、マリー・アントワネット、ヴェルサイユなどに興味のある方はその興味を十分に満足させる書物であると同時に貴重な資料であるとも言えます。
そして、シュテファン・ツワイクの『マリー・アントワネット』の読者であったとしたなら、この往復書簡をますます興味深く熟読されることになると思います。
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