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Amazon.co.jp ・本 (314ページ) / ISBN・EAN: 9784000248150
作品紹介・あらすじ
『東方見聞録』は13世紀末の成立当初より人気を博し、数多くの写本が作られた。本書は、そのうち原初の形に近いとされる中世フランス語写本(フランス国立図書館蔵、fr.2810)より初めて直接翻訳がなされた『全訳 マルコ・ポーロ 東方見聞録』の待望の普及版である。写本に忠実な翻訳からアジアの驚異に対する当時の王侯貴族の驚きが伝わってくる。
みんなの感想まとめ
異文化交流の記録として、13世紀のユーラシアを旅したマルコ・ポーロの旅行記は、当時の社会や生活様式を詳細に描写しています。彼の視点から語られるクビライ・カーンの宮廷の栄華や、各地の特産品、風習について...
感想・レビュー・書評
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13世紀、ユーラシア大陸を横断して東へ旅行したマルコ=ポーロの旅行記。
末尾の解説によると、この旅行記は稀有な巡りあわせの好条件によって可能になった。当時ユーラシアは広くモンゴル帝国に支配されていた。モンゴル帝国は仏教・イスラム教・キリスト教等の宗教からは距離を置きつつも、異邦人には比較的寛容で、駅伝や紙幣等の実際的な社会システムを整備した。マルコ=ポーロは宣教師でなく商人であり、クビライ・カーンの後ろ盾があったため、比較的自由に旅をすることができた。この少し後の時期には国際情勢が再び不安定になった。
またマルコ=ポーロ自身はこの旅行を報告する動機を持たなかったが、たまたまジェノバの牢獄に囚われている間、著作家のルスティケッロに話したことが書き留められたために本書になったという。
マルコ=ポーロはただ当方まで往復した訳ではなく、クビライ・カーンに仕えていた。したがって全体的にはクビライの事績を賞賛するスタンスで書かれている。「大カーンの宮廷」に描かれる栄華の様などは特に華やか。
一方で、町や地域の紹介は非常に詳細、かつ、読む前に想像していたほど荒唐無稽ではない。水の良し悪しや特産品にいちいち言及するあたり、実際に旅をする商人の視点だと感じる。女性との関係に関する習慣が妙に詳しく言及されているのは、本人の関心の反映だろうか。
日本の紹介は、インドについての記述の冒頭に現れる。黄金が豊富にあること、クビライ・カーンが征服を試みたが失敗したことが主な内容。後者はいわゆる元寇。日本側の話では神風が一夜にして元軍を追い払ったことになっているが、モンゴル帝国側の話に基づくであろう本書の記述では、嵐で甚大な被害を受けたものの、日本の船を奪って首都を占領し、7か月持ちこたえたことになっている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ようやく全編完読。マルコ・ポーロが直接書いたものではないことは知ってはいたが、旅行記ではなくその土地土地の生活の様子、チンギス・ハーンの戦争の記録が主であり、それが逆に当時の人々の様子を克明に記していることなのだろうと思った。それにしてもラストの唐突さにはびっくり。
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マルコ・ポーロ(月村辰雄ほか訳)「東方見聞録」を読む。
高校歴史のお勉強として知っていたくらい(ジパングが黄金の国うんぬん)で、詳しいことはまったく知らなかったこの本、もちろん、全文を読むのは今回が初めてだ。さぞかし冒険に富んだワクワクする話かと思いきや、マルコ・ポーロが訪れた数多くの地域のことを同じ調子で長々と・・・、ちとうんざりというところか。この書はマルコ・ポーロ自身が書いたのではなく、イタリアに帰国後、ジェノバの牢獄(!)で一緒だったルスティケッロという著述家に語り聞かせて書かせたもの。だから文章も回りくどいし、ルスティケッロのコメントらしい部分もあったりして、その点ではユニークな文章なのかも知れない。
1271年、17歳で父と叔父とともにヴェネチアを離れ、足かけ26年の間、モンゴル帝国領内外の地を旅して回ったと云う、壮大な旅の記録と云ってよい。北京のモンゴル帝国(元)の大ハーン、クビライの絶大な信頼を受け、その命を受けての旅だが、まさに東方見聞録にふさわしい。文中の地名が必ずしも定かではないが、訪れたのは、中国全土は勿論、インドシナ全域、ジャワ、セイロン、インド、パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、イエメン、マダガスカル、エチオピア・・・と驚くほどの行程。そこで訪ねた一つ一つの町のことをこと細かく、しかし同じような切り口から同じ内容を繰り返しているわけだが、中には魔術師が妖術を使うとか、一角獣やビヤ樽ほどの太さの蛇がいたとか、マヤカシの部分も混ざっている。一方でモンゴルの制度、例えば大ハーンが保証する紙幣が広い範囲で流通していたとか、街道と駅伝の充実した有様など、なかなかに興味深い話も覗える。モンゴルが栄えた13世紀後半のアジアの様子が手に取るように判るとも云え、だからこそ当時のヨーロッパの人たちの関心を呼び、様々な写本が出回ったということのようだ。
さて、ジパングのくだりはどうなっているのか・・・。当然に一番興味深いところだったが、日本では金が溢れている、君主の宮殿はすべて黄金で覆われているとの記述が確かに存在・・・。但し、実際にはマルコ・ポーロは日本に来たわけではなく、ここは聞いた話を膨らませたということらしい。この「黄金の国ジパング」の話が、コロンブスを始めとして人々を冒険に駆り立てたわけで、大きな刺激を与えたということだ。さらには日本で云う「元寇」についての言及もあるが、一旦モンゴル軍が日本に上陸し占領したとあるのはどういうことだろう。もっとも例の神風が吹いて結局、クビライは日本侵略を断念したとはあるのだが・・・。
要は、この「東方見聞録」、実際にマルコ・ポーロが実際に見たことだけでなく、噂として聞いたことや憶測も織り交ぜて書かれた本と云えそうだ。牢獄の中で面白可笑しくルスティケッロに語ったことが原因のようだが、この本が世界史上に与えた影響を思うと、何だか罪作りな仕業とも思えて来るのだが・・・。 -
《教員オススメ本》
通常の配架場所: 3階開架
請求記号: 292.09//P77
【選書理由・おすすめコメント】
有名な書物を実際に読むことは案外ないと思いますが、読んでみると、たくさんの面白い発見があります。日本には来たことがなかったけれど、日本を”ジパング”として紹介している箇所、また、たくさんの中国の地名が出てきて、現在の姿と比べるのも面白いです。食習慣、偶像崇拝の有無に関心が深かったことも読み取れます。
(経営学部 持丸邦子先生) -
誰もが一度は耳にしたことがあるであろう『東方見聞録』。しかし実際に読んでみようとした人は少ないのでは。
この本は短い文ごとに話の区切りがついており、時間がなくても読みやすいです。この機会にマルコ・ポーロが見た世界を味わってみませんか。
(匿名希望 教育学部 国語専修)
月村辰雄の作品
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