〈まちなか〉から始まる地方創生 クリエイティブ・タウンの理論と実践

  • 岩波書店 (2018年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784000248266

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  • 【都市工学科】ベストリーダー2024
    第8位
    東京大学にある本はこちら
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=2003429380

  • 記録

  • 1章まるまる石巻の話も。大学の先生の理想がそのまま実現すればうれしいけれど、そうはなってないキビシイまちなか。

  • 中心市街地活性化・商店街再生という視点から見た、地方創生の提言書です。過去の地方政策を振り返りつつ、昨今の中心市街地の活性化策、方向性などを述べています。
    全体としては興味のある内容でしたが、建築やデザインに関する専門的な内容もそれなりにボリュームがあったため、専門外である自分がすべて理解できたわけではありません。
    しかし、中心市街地の活性化の方向性として、携わる人すべてが参考にすべき内容であると思います。


    ▼クリエイティブ・タウンとは
     多様なアイデアをもつ人びとが、まちなかに集まり、そのことを通じて、周辺地域も含めてその地域におけるライフスタイルを活かした新たな産業の持続的展開をプロデュースするまち

    ▼クリエイティブ・タウンの理論的背景と実行の方法
    1.創造経済時代には、グローバルな商品でも、ローカルなライフスタイルが背景になければ生み出されない。わが国の成長戦略は「産業都市モデル」から「クリエイティブ・タウン・モデル」へ転換する必要がある。
    2.その際、地域の中心となる都市(特にまちなか)が、クリエイティブな人びとの集まる場所となることが決定的に重要である。まちづくりのデザインは、①歴史、そして②豊かな公共空間創出を目指す世界の都市計画の潮流に学ぶ。
    3.人口減少が始まり、市街地のコンパクト化が不可避となった。この状況を奇貨とし美しい田園や町並みとそこで営まれる豊かな生活を回復、都市と農村が相互に助け合う田園都市を再構築する。都市は、外部の製品を農村へ供給するだけでなく、地域を外部へ売り込む拠点とならなけれなならない。
    4.地域のライフスタイルを、従来のステレオタイプ化された日本像を超える日本のライフスタイルとして、デファクト・スタンダード化した「西洋のライフスタイル」のオルタナティブとして、世界に訴求する。⑦美しい日本と地域ごとに豊かに展開する「地域のライフスタイル」確立こそが「クールジャパン」である。
    5.以上の、クリエイティブ・タウンの実現には、3ポイント・アプローチ(デザイン、ビジネス、スキーム)が有効。スキームでは、①土地の共同利用、②コミュニティに根ざしたまちづくり会社によるエリアマネジメントを実施する。この新しい試みの実現のための、新しいシステム(制度)を提案する。

    ▼中心市街地は、職住・交流が近接することで、時間にとらわれない密な交流が可能となりうる空間としてのポテンシャルを都市のなかで唯一有する空間である。
     さらに、中心市街地そのものが潜在的にもつ魅力についても指摘しておきたい。多くのまちで、画一的な都市開発やマンション開発のもとで失われつつはあるものの、依然として、多くのまちでは、その地域のライフスタイル、すなわち、そのまち独特の風情や粋といったものが感じられる町並みや古い町屋・古民家、雰囲気のある商店街などが、かろうじて残されている。外部からくるクリエイティブな人材は、画一的な町並みではなく、まさに、このような風情ある町並みをいかに活かしていくかが、これからの中心市街地のあり方にとっては決定的に重要なのである。
     加えて、オープンなネットワーク・ハブであるプロジェクト型組織にとっては、常に新しい刺激を得るために、都市外部とのネットワークも重要であろう。その意味では外部からのアクセスは重要である。

    ▼クリエイティブ・タウンの定義
     地域全体の風土に根ざした内発的産業の発展を牽引する機関車として、地域の中心都市の「まちなか」を再生してつくる、地域独自のライフスタイルを支え・育み・強め・発信する拠点
    ①中心都市の傷んだまちなかをを、デザイン・コードにしたがって連鎖的に開発し(あるいは保全し)、美しく快適な町並みを回復する「まちなか再生」
    ②そこに地域に必要な市民サービスを充実するとともに、その地域固有のライフスタイルに根ざした産業をおこす「ライフスタイルのブランド化」

    ▼商店街再開発に関するインタビュー結果
    ①人びとは、地域の生活や文化を共有して楽しみ育てる、コミュニケーションを求めている
    ②その輪のなかで、新しい生活の楽しさの潮流が生まれる、人びとの集う所に文化が育つ。地域も育ち、人も育つ。元気のもとは「楽しい生活」
    ③まちを育てるのは女性たち
    ④商店街の役割は、そんな人びとの受け皿になって、地域のたくさんの楽しい生活・文化を、そして健康を育てていく「たまり場」になること。たまり場をいくつ創り出せるかがポイント

    ▼ジェイン・ジェイコブズの4原則
    ①地区、そして実際にはその内部のできる限り多くが、ひとつの基本的な機能以上の機能、できれば2つ以上の機能を持たなければならない。こうすることで、人々が、異なったスケジュールで戸外へ出て行き、異なった目的でその場所にいて、多くの施設を共通して使うことができる、という状態が保障される。
    ②町なかのブロックは短くなければならない、つまり、街路や街角を曲がる機会が頻繁になければならない。
    ③地区には、経済的な生産性の異なる相当量の古い建物を含む、年代と条件の異なる建物が混じりあっていなければならない。この混じり合いは、相当程度細かく入り混じっていなければならない。
    ④人々は、どのような目的でそこにいるにせよ、十分に密集していなければならない。このことには、住宅があるがゆえにそこにいる人々の場合の密集も含む。

    ▼参考文献として
    佐々木雅幸著『創造都市への挑戦-産業と文化の息づく街へ』(岩波書店、2001年)

    <目次>
    なぜ、クリエイティブ・タウンか
    1 クリエイティブ・タウンの理論(クリエイティブ・タウンとはなにか
    クリエイティブ・タウンをとりまく状況)
    2 クリエイティブ・タウンの実践(3ポイント・アプローチ
    ビジネス:ライフスタイルのブランド化
    デザイン
    スキーム
    事例研究:石巻クリエイティブ・タウン)
    クリエイティブ・タウンの推進

  • 「元気な」まちづくりに必要なことが分かる本。
    川越、長浜、高松、石巻などのまちなかのまちづくりに関わった著者による各事例のキモとなった提言を、その熱量を感じながら理解することができる。

    町屋の街区に小さなマンションが進出するだけで町並みが破壊されてしまうプロセスと、その対抗策には興味を持った。
    住民の意思や歴史的な意義を踏まえたまちづくりは、コンパクト化を余儀なくされる社会において、まちが独自の息吹をもって新陳代謝を繰り返すために必要不可欠だと感じた。

  • 18/05/04、神保町ブックセンターで購入。

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授

「2019年 『超入門! ニッポンのまちのしくみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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