目撃証言

制作 : Elizabeth Loftus  Katherine Ketcham  厳島 行雄 
  • 岩波書店
3.11
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000252898

作品紹介・あらすじ

ある女性が強姦のうえ殺害され、その二人の子供も殺された。一人の容疑者が逮捕されたが物的証拠はない。それでも「この人に間違いありません」の一言で死刑が宣告された。しかし、目撃者の証言に誤りはないのか。記憶はそれほど確かなものなのか。記憶研究の第一人者が、数々の事件を追いながら、目撃証言の危うさ、記憶の不確かさをスリリングに描く心理学的ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • gacco「法心理・司法臨床:法学と心理学の学融」Week1第3回参考文献
    https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga100+2018_03/about

  •  裁判において目撃者の証言は物的証拠と同等かそれ以上の重みをもって受け止められる。「私は確かにこの目で見ました」と言われれば、科学的鑑定などの小難しい理屈は吹き飛ばされてしまう。しかし、人間の記憶は想像以上に“傷つきやすい”ものだと著者は指摘する。

     冤罪を生む原因としては「自白」が挙げられることが多いが、恐らく「記憶」もそれに近い影響があるだろう。多くの被告人が誰かの曖昧な記憶によって断罪されていることが本書によって示される。

     陪審員のいない日本ではそれほどでもないかと思いきや、巻末の解説で日本も例外でないことが指摘される。まして、裁判員制度の導入で法廷が劇場になってしまったら、どうなるだろうか?

     本書が米国で出版されたのが1991年、日本語版は2000年。最近では「記憶が書き換えられることがある」という指摘がテレビで取り上げられることもあり、一般人の意識も多少は変化しているだろう。全く物的証拠がない事件で証人の記憶だけが証拠であれば、疑義をはさむ人もいるに違いない。

     しかし、証人の記憶が正しい場合も多々あるはずなのだ。裁判官や陪審員(裁判員)は、いかにしてそれを見分ければ良いのだろうか。その点についてのアドバイスは本書に無い。

     証人の確信の強さと信頼性は比例しないとは言うが、では何となら比例するのだろうか。今はまだ無理なのかもしれないが、是非そこまで踏み込んで欲しい。そうしなければ、彼女の主張はただ真実を見えなくするだけになってしまうのだから。

  • 人の記憶はどのようなものなのか、日常の中でどのように記憶しているのか、それがどのように活用されるべきなのか、裁判との関わりのなかで考えさせる本。

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