- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000253161
作品紹介・あらすじ
一九六八年前後は岩波書店にとってもおおきな分水嶺となった。出版界は人文書の全盛期を迎え、岩波書店も七〇年代にかけて「思想大系」や『広辞苑』の改訂版など大型企画を続々と送りだしたが、岩波書店が依拠してきた古典的教養の足元は崩れはじめていた。「戦後」からの離陸を模索し苦闘した編集者たちの軌跡を追う。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
最終巻、戦後けっこう経ってから編。激化する学生闘争からは距離を置いているところからスタート。
岩波の「教育」意識が世相と乖離し始めた時期。権威の崩壊。
一方で、岩波ががっつり政治に参加したり世間を動かすことにつながっている時期であることも描写される・・・革新自治体っていうか東京の美濃部都政にそんながっつり岩波が組んでたっていうかむしろ仕組んだ側か。
あと在日朝鮮人について焦点を当て出したのもここだとかいうのも、へー、っと。
それにしても、この巻読むと、戦後の岩波(というか『世界』関係?)ってがっつり左なんだな・・・戦前・戦中と雰囲気すごく変わっているようにも読めるのは取り上げているのが『世界』近辺だけだからか。 -
『丸山眞男集』が出て「言葉では恥ずかしいと言っているが、口調はどうもうれしそう」な丸山眞男が面白い。
うちにある同時代ライブラリー版の『鏡の中の鏡』が、他の文庫と大きさが違ってうっとおしかったのを思い出した。 -
全3巻の3冊目
岩波書店のPR
「1968年前後は岩波書店にとっても大きな分水嶺となった。出版界は人文書の全盛期を迎え、岩波書店も70年代にかけて「思想大系」全67巻や広辞苑の改訂版など大型企画を続々と送り出したが、岩波書店が依拠してきた古典的教養の足元は崩れ始めていた。「戦後」からの離陸を模索し苦闘した軌跡を追う。 」