物語のものがたり

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 471
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000253277

感想・レビュー・書評

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  • 梨木さんの児童文学をめぐるあれこれなエッセイをまとめた一冊。
    正直ここまで深く考えて読んだことないですわーーー。
    秘密の花園の解釈が大変興味深かった。
    あれ、読んだことあったはずだが、メアリのインド時代、そんな精神虐待的だったっけ?
    うーん、覚えてない。
    まあ、読み方は読む人それぞれにあっていい、というし。
    でも梨木さんの解釈を意識しつつ読んでみるのも面白そう、とおもった。

    赤毛のアンは、今ネットフリックスで孤児院時代の心の傷とかもふまえつつなドラマを観てるんだが、
    こんにちは、アン、はそっち風味なのかな。
    これはこれで面白いし、納得がいくんだが、
    その納得がいく、というのが、アン
    という存在が一番リアリティがないという言葉につながった。
    小学生の時に全巻買ってもらったときの嬉しさは忘れられないが、ずっと大好きだったことの奥にそのリアリティのなさが関わっていたのかも、と目がうろこ。
    いやあ、興味深い。

    床下の小人はミルクを運ぶ
    とゆーのだけはめっちゃ覚えている。
    が結構厳しい子供時代な話だったんだなあ、っと改めて。
    これもまた、小学生の時に読んで好きだった覚えがあるんだが、また読んでみたいなあ。

  • 秘密の花園の解説がとても面白かったのと、読み方の参考になった。

    最後の対話もよかった。
    「一皮むけば物語、というようなことがいっぱいあったからこそ、毎日を耐え忍んでいける。生きるエネルギーは、食べ物だけではない」
    その通りだと思う。

    「なぜなら、私たちが結局のところ目指しているのは、ポエジーを生の中に織り込むこと、生そのものの中にポエジーを見つけることだけなのですから」
    というミヒャエル・エンデの言葉を思い出した。

  • 「あの物語はこうだったっけ?」「この物語は読んでいないなぁ」と、あれこれ思いながら楽しく読了(^^)♪そして登場した物語、全てを読みたくなる( ≧∀≦)あと「昔話の深層」も久しぶりに読みたいなぁ

  • 梨木さんの、ものの見方が好きなのだけど、本の内容紹介でもそれは良い方向に効いていた。
    実は「秘密の花園」未読な私。ここまで面白そうな話とは知らなかった。
    梨木さんの解説を読んで、読みたくなった。

  •  そうです。最も大切なことは、こんなにもデリケートで、秘密裡に粛々と進行するのです。この場合、秘密、ということは、排他的であるということではなく、デリカシーを要する命の法則が、十全に働くための「術」を張り巡らすのに必要なことなのです。
    (P.50)

  • 児童文学の解説のようなもの(エッセイ?)でした。
    なるほど、時代や文化などを背景に読めば、より理解できる読み方ができるだろう。
    読んでないものは読みたく、読んだものはまた読みたくなる。

  • 「秘密の花園」や「赤毛のアン」「木かげの家の小人たち」「床下の小人たち」「ピーターラビット」「不思議の国アリス」等の児童文学についてのエッセイ。エッセイと言ってもその考察はものすごく深い。梨木さんがその物語の背景や舞台などを絡めつつ、表面的に読んでいては気づかない物語の深層部分を示してくれる。これだけの知識と感性で読み込めるのは梨木さんだから。それでももう一度自分も読み返して物語の深みにはまりたくなる。きっとまた違った何かが生まれるはず。鶴見さんらとの鼎談も印象深い。この世界、河合さんと鶴見さんの影響力は大きいのだなと思う。懐の深さ。

  • 少女時代に児童文学と深く触れ合ってこなかったが、本書で、梨木さん節で語られる物語の表面だけではない魅力に興味が湧いてきた。過去のエッセイを児童文学に絞ってまとめたのが面白い。幼少期にもっと『秘密の花園』や『赤毛のアン』を読んでいたら違う自分が形成されていたかな。

  • 初めの「『秘密の花園』ノート」はおもしろかったが、その他はそうでもなかった。書評や解説を集めたものだが、元にしている本を明記していないのが気になる。特に「アリエッティの髪留め」は、ジブリの映画について書いているのか、それをノベライズしたものについてなのか、それとも元になった「床下の小人たち」についてなのか、なかなかわからない。

  • 秘密の花園を読んだ時の、お腹の底から冷えてしまった記憶がよみがえって、苦しくなってしまいました。ヒースの家族が出てくるまでの、孤独。その苦しさを整理できたのが、良かったです。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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