やや黄色い熱をおびた旅人

  • 岩波書店 (2018年7月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784000253574

みんなの感想まとめ

戦争と平和の対比をテーマにした本書は、著者が21年前に訪れた紛争地帯の記録を通じて、個々の人間の物語を深く掘り下げています。エチオピアやエリトリア、ボスニアヘルツェゴビナ、タイ、カンボジアなど、さまざ...

感想・レビュー・書評

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  • たまたま家の近くに小さな本屋さんを見つけてたまたま手に取り購入した本。原田宗典さんが旅をしました!って本だと思ったら、実際に紛争地帯に足を運び書いた本だった。私たちの日常では考えられないような事がどこかの国では日常なんだなと思うと何とも言えない気持ちに。戦争はダメだと一言で表すには言葉が足りないような気持ちになるけど適した言葉も見つからない。自分が当たり前に生活していることがどんなにありがたい事か自分の悩みってなんてちっぽけなんだろうと思った。Isn't She Lovely聴く度この本思い出しそう。

  • 京都・新風館oyoy発見シリーズ『やや黄色い熱をおびた旅人』(原田宗典)。

    「戦争と平和に関わる活動をしている若者たちに対する取材活動」が本書で書かれているのを読んで、

    【本読んでると、「今日一日の間に、自分は一体幾つの"初めて"を目にしただろうか?」っていう事が容易にクリアできる】

    …という事を改めて認識しました。

    自分の中にある記憶と結びつくと、

    「わかるーー!!!」だったり、

    「泣ける……」だったり、

    「うっわ」だったり、

    いろいろ起きる。

    今回はこれら↓↓でした。

    以下の3つ。

    ❶【行ってちゃんと確認したくなる】(今回は地中海の青さ)

    ❷【「えええ」で終わらせておきたい】(今回は⑴ガソスタの給油機強奪事件⑵タチの悪い警官⑶山から撒かれる地雷)

    ❸【じわじわ来た】(今回は⑴「パスポートがあって自由に移動できるありがたみ」⑵花火の音がロケットランチャーの発射音に聞こえる)

    ーーーーーーーーーーーーー

    今なんか戦争が実際に起きてるから、

    「戦争が起きると人(又は人々)はこんな風に変わる可能性がある」っていうのが書かれていると、

    その怖さはちょっとビリビリ来てしまう。

    著者の、

    「「戦争」はこんなにも具体的であるのに、「平和」とは何と抽象的なものだろう。」

    というのは何か響いたな。

  • 21年前に世界の紛争地帯を旅した際の紀行文...というよりは、それぞれの一場面を切り取ったような文章。
    これを書くまでに21年の時間が必要だったのであろう。
    [図書館・初読・9月5日読了]

  • テレビの戦争と平和をテーマとする番組の取材者として、著者が数ヵ国をめぐった記録。エチオピアと30年戦争を続けた独裁国家エリトリア、そのあと超お金持ちの集まるスイス、ボスニアヘルツェゴビナの戦火を逃れたセルビア人難民、タイの山岳地帯のカレン族の中で戦う日本人の傭兵、カンボジアの地雷を撤去する日本人親子。

    中でも、心に響いたのは、著者がセルビア人難民を訪ね、一面のひまわり畑の側にたつ掘っ立て小屋で暮らす家具職人(実は戦争前は大手家具会社の社長だったという)にインタビューしたとき。彼の年老いた母が、突然「申し訳ありません」という。「せっかくのお客様に、今の私は珈琲をお出しすることすらできないのです」と涙をこぼす。彼女たちの生まれ育った国では、お客に珈琲を振る舞うのが最低限の礼儀なのだという。それすらできない自分が情けない、恥ずかしい、と。

    個人の努力次第でなんとかなるのが平和な日本での暮らしだと思う。戦争というのは、自分の力だけではどうにもならない、諦めるしかないのだろうか。

  • スバラ式世界に続き、原田宗典に興味を持ちポチった一冊。スバラ式世界は好き放題書くなあという印象だったので、真面目に書かれた本書はいいギャップ。自分も海外旅行が好きなので、新しい景色、文化に触れたときを思い出しながら読めた。けど、この重さは経験がない。特にエリトリアの、雨の女、エスプレッソ、戦車の墓場、顔の傷、、と文章でもこんなに刺さるものがあるから、現地ではより胸に来るものがあったんだろうと想像できた。
    印象的だったのは彼の戦場のT君。よその国の事情を聞いて義憤に駆られて戦場に行く、正直まともじゃないと思ったし、日本じゃ暮らしにくかっただろうなと思ったけど、そういうアツさが救う命もあり、この間のコンビニ人間読んでから普通ってなんだろうと難しさを感じる。

    全体通してややドラマチックな仕上がりかもだけど、世界ではノンフィクションとは思えないことがたくさん起こっているんだなと改めて思えた。そういえば自分も中学生のときは青年海外協力隊になりたいと言っていたような、、なにかのきっかけになるといいのかもしれない。
    「「戦争」はこんなにも具体的であるのに、「平和」とは何と抽象的なものだろう。」これも難しくて刺さる言葉。


    Isn't she lovelyもどこかでは聞いたことがあったけど、意味を感じて聞くとぐっとくる。

  • 1997年に戦争と平和をテーマにしたNHKの番組取材に原田宗典さんが同行したときの紀行文。
    原田宗典さんは、エリトリア、ユーゴスラビア、セルビアやカンボジアなどの紛争地域を旅していますが、読み手は、原田宗典さんならではの引き込まれる文章によって原田宗典さんの体験を追体験し、凄惨な現実を目の当たりにさせられます。
    そして、原田宗典さんと同じように、平和な日本に住んでいることに引け目を感じてしまうというか、何とも言えない気持ちにさせられました。
    それでも、読んで良かったと思える本でした。

  • この本が出るまでの著者の苦悩を考えてしまいました。

  • 日経新聞2018811掲載

  • 2018年7月31日購入。

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著者プロフィール

1959年、東京都生れ。早稲田大学第一文学部卒業。1984年に「おまえと暮らせない」で「すばる文学賞」佳作。以来小説、エッセイ、戯曲を発表する。『旅の短篇集 春夏』が2026年本屋大賞の発掘部門を受賞し話題となる。主な著書に小説『スメル男』『十九、二十』『平成トム・ソーヤー』、エッセイ『スバラ式世界』『たまげた録』、戯曲『やや黄色い熱を帯びた旅人』などがある。

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