ゆびさきの宇宙―福島智・盲ろうを生きて

著者 :
  • 岩波書店
4.24
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本棚登録 : 84
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000254090

作品紹介・あらすじ

世界で初めての盲ろうの大学教授、福島智。極限状況で、人はどう生きるのか。人間にとって本当に大切なものは何か。膨大なインタビューをもとに、その人間的魅力に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 福島さんおそるべし。
    グサッと刺さる言葉が次々出てくる。
    福島さんの生きる意味づけが、深いなぁ…と考えさせられる。

  • 「人生のなかでいちばんよかったことはなんですか?」と少女に聞かれ、福島氏は珍しく沈黙した。
    「むつかしいなあ…。いちばんよかったことは…、…僕が生きていること。これは本当に奇跡的なこと。」
    目が見えなくなり、そして聞くこともできなくなっても、あきらめずに、大学進学し、教授になった。あきらめてたら、人生終わってたと。そしていつもユーモアを忘れない。
    人は一人では生きていけない。他者との関係の、なかでのみ、人は存在しうる。と気がついたこと。健常者でも障害があっても。

  • [ 内容 ]
    世界で初めての盲ろうの大学教授、福島智。
    極限状況で、人はどう生きるのか。
    人間にとって本当に大切なものは何か。
    膨大なインタビューをもとに、その人間的魅力に迫る。

    [ 目次 ]
    盲ろうとは―「黙殺」されてきたその存在
    誕生と喪失―三歳で右失明、九歳で左も
    わんぱくと音楽―盲学校・一四歳で片耳に不安
    男版ヘレン・ケラーとちゃうか―八一年二月の俺・全盲ろうに
    指点字考案―母から見た智
    「通訳」誕生―トムとケティー
    結婚―夫婦げんかに指点字通訳
    「適応障害」―福島智を生きるということ
    仕事と研究1―バリアフリーって何?コミュニケーションって何?
    仕事と研究2―セーフティ・ネットって何?自立って何?
    仲間たち―人生は冒険
    自画像―ありのままの福島智
    子どもたちへ―福島流「生きる哲学」

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • テレビの某番組で福島智氏を見て、どんな人生を生きてきた方なのかが知りたくなり、本書を購入。
    本書の中では福島氏のこれまでの苦難の人生についてももちろん書かれていたが、私が一番感銘を受けたのは、彼の「障害」や「バリアフリー」に対しての考え方だ。
    福島氏の「当事者」からの視点も踏まえた深い考察は、私に「障害」とは何なのか、また、「バリアフリー」とは?という問いに新たな答えを提示してくれた。
    ちなみに本書は福島氏自らの著書ではなく、朝日新聞の記者である著書が福島氏へのインタビューをもとにして書き著した本です。
    福島氏ご本人のテレビでの印象は、そんな苦難が背後にあるとは全く思えないほどの明るいおじさん…!って感じでした。(^-^)

  • 289.1

  • 保坂展人氏ツイッターから。

  • 視覚と聴覚の両方を青少年期に失って盲ろうとなった福島智氏の半生を、彼やその周りの人々に取材して丁寧につづった本。

    視覚、聴覚を失って生きることの辛さ、孤独感は当人にしか語りえないものがあり、関西出身で能弁な(というと語っている内容の真摯な側面とミスマッチかもしれないが)福島氏の言葉は、1つ1つを大切に噛みしめたいと感じながら読んだ。

    また、盲ろうになってから指点字という形でコミュニケーションが「再開」される瞬間、友人や師匠、後の妻となる人との出会いなどの活き活きとした記述には、非常に引き込まれた。

    しかし、彼の半生が豊富な取材でつづられていることだけが本書の魅力ではないと思う。

    本書の後半では、東京大学先端科学技術研究センター教授に就任した福島氏が取り組んでいる「バリアフリー学」や、同じく盲ろうの障害を抱えながら生きている仲間の紹介を通じて、障害者の支援という枠にとどまらず、人が生きていくことを支える社会のあり方や一人ひとりが生きていることの意味について語られている。

    福島氏も述べているように、身体的な障害だけが生きていくうえのバリアではない。さらには、身体障害によるバリアを除去して障害者が経済的に「自立」することが出来るようにすることだけが障害者支援ではない。

    たとえ物理的障害を取り除かれたとしても、我々は誰かに支えられながら生きていることに変わりはない。誰かに支えられながら生きていることは決して生きることの価値を下げることではないし、それぞれ違った形で互いに支えられながら「生きていることが最大の仕事」ということを認め合うことの出来る社会が、本当に大切なのだろう。

    そのような社会を目指して、大変な日々を生きている福島氏の姿を深く丁寧に追った、素晴らしい本だと思う。

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  • 盲聾の東大教授、福島智さんを取材した朝日新聞記者の膨大なインタビュー記事をもとにその人間的な魅力に迫る・・・とアマゾンには書かれているが、本当に福島さんは辛いなあと思ってしまった。

    10年以上前、福島さんが奥さんと結婚されたばかりの頃、一度お会いしたことがある。
    その頃は、たしか金沢大学の講師をされていたような記憶があるが、
    いまや東大の教授だ。

    そういうとサクセスストーリーみたいだけど、これまでの苦労、そしてこれからも続く戦いを思うと本当に早く「リングから下ろしてあげたくなる」

    リングとは福島さんが自分でも言われているのだが、
    「毎日、ずっとリングに上がり、戦い続けている」状態なのだから。

    福島さんは障害者の「象徴」であり続けようとされている。
    そして、ついに、数年前「適応障害」になられて仕事を休まざるをえなかった。
    現在は回復されているが、まったく「皇室」の人と同じような立場なのだろう。

    盲聾という状態になったとき、福島さんは「これにはなにか意味がある」と考えた。
    そうでなかったら、生きてゆけないから。
    自分に課せられた「使命」があると考えたのだ。

    「指点字」というコミニュケーション方法をお母さんが考えつかなかったら、
    永久に真っ暗で音もない世界に一人ぼっちだったはず。
    福島さんは、今はほぼ必要な時間は通訳を確保してもらえるが、
    普通の盲聾の人は、今も孤独な暗闇の音もない世界でじっとしている。

    そういう人がいない世界を作るためにも、福島さんは「リング」から降りることが出来ないのだ。

    平凡に生きるって、ものすごい幸せなんだと思う。
    何の使命を持って生まれたのかと考えることもなく、平々凡々と毎日が送れるなんてすごく贅沢なことなんだと思う。

    個人的には「福島さん、象徴やめて、人工内耳手術して、普通の盲人になってもいいんじゃないすか?」って言いたいなあ・・。

  • 自分の過酷な障害を使命に変え、それを全うしようとしている福島氏の生き方に感銘を受けた。果たして自分には使命があるのだろうか、あるとすれば、それは何なのだろうかということを初めて意識するきっかけとなった本。

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