幽霊塔

著者 :
制作 : 宮崎 駿 
  • 岩波書店
3.79
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本棚登録 : 586
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000254199

作品紹介・あらすじ

時は、大正のはじめ。26歳のまっすぐで血気盛んな青年北川光雄は、絶世の美女、野末秋子に出会った。場所は、九州・長崎県の片田舎にある幽霊塔と呼ばれる時計塔。惨殺された老婆が幽霊となって徘徊すると噂されるところだった。秋子は、そんな場所で何をしようとしていたのか。秘密を抱えた秋子に、光雄は惹かれていき…。夥しい数のクモを飼う男、「救い主」と呼ばれる不思議な医学博士、猿をつれた太った女-怪しい人物たちが二人の周囲で暗躍する。そして時計塔の秘密とは?江戸川乱歩の名作が、宮崎駿のカラー口絵とともに蘇る!波乱万丈、怪奇ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!読んでる間は、モヤモヤしながら先へ先へと逸る気持ちで読んでいたけど、読後はスッキリ。
    時代や、幽霊塔というおどろおどろしい建物が舞台だし、作り出された設定やら背景やら、何か起こる感満載。
    登場人物も怪しい人だらけ。

    表紙や口絵が宮崎駿さんで手に取りやすかったし、江戸川乱歩はやっぱり面白い。

  • 宮崎駿の思い入れのこもった絵と言葉がついています。この話がなければ、「カリオストロの城」は生まれなかったんですよね。
    読み終わって、あれ、この話、読んだことがある!と思ったら、少年探偵団のシリーズで読んでたんですね。「時計塔の秘密」は記憶に残る作品でした。

  • 乱歩作品の「お約束」がこれでもか! と詰め込まれている作品だった。
    主人公が、上流階級の男なせいか、所々「女性蔑視」「品行階級蔑視」が透けて見えて、なんともいえない昔らしさを感じた。

  • すみずみまでみっちり描いた設定画や絵コンテに、にやにや。映画作る予定もないのに、絵コンテまで描いてしまうんだもの。映画をつくってほしい!と思わずにはいられないでしょう。本文は後でじっくり読もうと思います。やっぱり宮崎駿はすごいなぁ。

  • おもしろかったー!
    スリルとレトロとオシャレ
    全然怖くなかった。
    ジブリの次の脚本としか思えない・・・
    やはり宮崎駿の口絵の力がすごい

  • ★★★★☆ こういうの「ジュブナイル」って言うの? きっちりした謎の論理的な解明よりは雰囲気を楽しむものなのかもしれない。自分の知らなかった昔の時代を垣間見れる。豚肥え夫人という表現とかどういうメンタリティだったの、当時? 長崎-東京間が汽車で20時間とは! いろんな場面で相手と口約束しちゃって大丈夫?って思うけれど、信じるしかない時代だったのか? 愛していても罪を犯した人間とは結婚できないって、殺人の嫌疑とか牢破りとか、今よりも罪が重く感じられていたのか? 家名に傷を付けてはならない、みたいなことなのかな。探偵(実際は警察官)をボコボコにしたら、この時点で 捕まるほどの犯罪なんじゃないの? 北川が短剣で刺された謎がよく分からなかったな、方法や理由など。「もし結婚するとしたらわたしと~」は峰守ひろかず『こぐちさんと~2』とリンク。

  • いまは一冊でも本が欲しいホラー……。
    というわけでこれを思い出しました。
    宮崎駿のイラストなんで、いけるでしょう。
    小中高、買い!!

    2018/12/17 更新

  • 宮崎監督がお元気そうだと確認できる一冊。

  • 宮崎駿さんの絵が美しくて手にしたが夢中で読んでしまった

  • 巻頭に宮崎駿の口絵があって、この本に惹かれたことや、江戸川乱歩が黒岩涙香訳の外国の小説、幽霊塔を書きなおしたことが書いてあった。しかも黒岩涙香も元の小説を日本人向けにアレンジしているとのこと。読んでみたら、内容は暗い感じなのだが、暗い重いジメッとした感じはなくサラッと読めた。私が、物語に入り込めなかっただけかもしれない。でも面白さは伝わった。そして栄子がすごく苦手だった。

  • 『ジブリの大博覧会』に行った時にみつけた本。
    江戸川乱歩は、小学生の時に少年探偵シリーズにハマり読んでいたので
    「わあ懐かしい!!」となりました。
    少年探偵シリーズでは『時計塔の秘密』という題名だったようなのですが、全然違和感なかったなあ(笑)
    でも『時計塔の秘密』は少年向けにリライトされたものだったらしく、
    今回読んで、「こんなに長かったっけ?!」となりました。
    読めてよかったです!!
    そして、基話は外国の方が書かれたものだと、はじめて知りました!!(驚)・・・何せ小学生の時に読んだので・・・(笑)
    『灰色の女』、黒岩涙香の本もぜひ読んでみたい!!
    あと、やはり、宮崎駿監督の妄想本(構想本)は面白いっ!!

    【覚書】
    時計塔や迷路などを描き下ろされた解説漫画が、カラー口絵として16ページに渡り掲載。
    作中の時計塔を自身の“妄想”として図解。現実的な解釈では時計塔と建物は一体化しているが、監督の考えとしては別棟となっている。
    宮崎監督は60年前、およそ14歳頃に乱歩本に出会い「子供の時に乱歩本で種をまかれた。妄想はふくらんで画工になってからカリオストロの城をつくったんだ」と語っている。
    アリス・マリエル・ウィリアムソン(Mrs.Alice Muriel Williamson)の小説『灰色の女』を基にした黒岩涙香の翻案長編小説。
    黒岩涙香の翻案小説『幽霊塔』を江戸川乱歩がリライトした長編小説。

  • 2017.12.25 図書館

  • 現在の感覚で読むと、トリックよりも世界観に引き込まれる。一度くらい、そんな世界に身を置いてみたい。

  • 今の時代に読むとちょっと無理を感じる

  • この小説大円団で終わってよかったわ。
    閨秀作家って女性作家という意味らしいけど、あの当時珍しかったのかしら。

  • 冒頭漫画おもしろい。不気味な雰囲気や味のあるキャラが立ってる。監禁される辺りで中弛み。幽霊塔のなかがもっと奥深かったら面白かったかも。

  • 話の原作は別にしろ、江戸川乱歩の世界観が表れていた。
    "世にも不思議な"感が溢れ、冷静に見たら怖くもないのに、読んでいる時も読後もずっと影のように纏わり付いてくる。独特な語り口、読者に語りかけてくる事で、もはや読者ではなく当事者のような錯覚を起こす。だからページがどんどん進み一気に読んでしまう。
    物語の始めから、知らず知らずに江戸川乱歩の世界に連れて行かれ、気付いたら最後まで読んでいる。
    このカラクリに、知っていても何度でもハマってしまうのが江戸川乱歩の凄いところだと勝手に思っている。

    上流階級、女、口封じの子供…
    語り部が上流階級の男だからか、下に見てる感も感じられたけど、面白かった。

  • 江戸川乱歩、昭和12~13年(1937~38年)発表の小説。黒岩涙香の翻訳作品を元にしたもの。宮崎駿によるカラー口絵のついた2015年岩波版を今回読みました。

    大正の始め頃、長崎県の片田舎、幕末に建てられた時計塔のある洋館を舞台にした物語り。隠し部屋にあるという財宝、幕末に屋敷内で行方不明となった屋敷の主の大富豪、殺害された前の持ち主の老婆、獄死したという老婆殺人犯の若い娘・・・。その娘を裁いた退職判事が幽霊塔と呼ばれるこの屋敷を購入、甥の青年(語り手)が屋敷を見分に訪れる所から物語りは始まります。

    謎の美女(正体は容易に推測可能ですが)と性格の悪い許嫁の幼馴染みに振り回される青年の奮闘を描いたミステリアスな冒険譚。リアリティの全くない美男美女のお伽噺なんですが、面白いです。

  • ジブリ美術館で展示を見て気になってはいたものの、手に取る機会がなく過ぎていたある日、図書館で見つけて小躍りした。
    冒頭には宮崎駿監督の書いたイラスト(漫画?)付きでホッコリ。

    江戸川乱歩の幽霊塔は初めて読んだのだが、うーん、冒頭から女性軽視感が(時代的に仕方ないのだけど)イライラする感じだった。
    最後まで顔の良い事が全てって感じなのも苦笑いしてしまう。
    主人公に惹かれる要因もあったのか…命救われて顔が良いからいいのかな?って感じ。

  • 出張が多い時期に飛行機の中で読了。
    ミステリーとしては面白かったけれど、結局美人は得するというか、女性の価値は見た目!という感覚がすごくて違和感。

  • 色褪せぬ面白さ。撒かれた謎が、終盤一気に解決していく。

    あと、宮崎駿の口絵もステキ。コンテとか宮崎アニメそのまま。というか、本人か。

  • 乱歩の作品はどれを読んでもワクワクします

  • 宮崎駿のページ目当てに。カラクリということでまた長編映画作ってほしいという気持ちが沸いてしまうかと思ったが、意外とワクワクしなかった。
    時計塔はカリオストロで既に満足してしまっていたのかも。
    ただ味のある画に目は楽しめた。石造りは秘密を抱えられるからロマンがある。
    本編は読んでいないので評価無。オリジナルの方が面白そうなのと、さすがに今読んだらツッコミどころ満載だろうから夢を壊したくなくて。

  • 久々の江戸川乱歩。
    いかにもなこの雰囲気と読者への語り。
    とても懐かしく面白く読んだ。

    カラー口絵の宮崎駿絵コンテは、かなり嬉しい。
    この想像創造力。見事。
    しかし、もし映画になったとしたら、良くも悪くも、この雰囲気は全く違う物に変わってしまうのだろうなと思わせた。
    ある意味、流石は巨匠。

  • まあ、なんというか怪人二重面相的な大衆サスペンス小説で、緻密な構成とか練られたトリックはなくて、あくまでハラハラドキドキを目的に書かれ、最後はハッピーエンド。宮崎駿の少年時代にはこれはかなり刺激的な読み物だっただろうけど、今読むとツッコミ所満載、キャラクターが漫画、やたら煽るなど、懐かしく感じない若者はどう読むのだろうと思う。
    特に主人公の浅はかさが笑える。
    江戸川乱歩の大人向け小説は背徳的で耽美的、なかなか良いけど、これは子ども向けかな。ちょっと猟奇的なシーンはあるから中学生以上だけど。まあ宮崎駿の口絵でかなり手に取りやすいものになったなあ、と。春陽堂の本は学校図書館には置けない感じだから。
    主人公の一途なバカさが子どもにはまっとうに映るかもしれない。
    駿の口絵は結構ネタバレなので、本編を読んでから読んだ方が良い。宮崎駿の女性は妖艶さには欠ける。でもいい加減な時計塔をあれだけリアルに描写できるのは凄い。

  • 宮崎駿の口絵付き・ジブリ編集~大正時代の長崎・元判事は江戸末期に財をなし,西洋技術で時計塔を建てた豪商所有の西洋館を買い取ったが,豪商は自分が作らせた地下の迷路で死に,その後所有した婆も養女・ぎん子に殺されており,いつしか幽霊塔と呼ばれている。元判事の甥・北川は幽霊塔に乗り込んで美女に出会い,一目惚れに落ちる。女性の名は秋子。捩子の巻き方を教えると叔父を呼び出し,叔父は無礼な養女・栄子を離縁し,秋子を養女にして北川と結婚させ,家を継がせる気だ。養女披露の日,栄子が伴って来たのは元の持ち主の養子である長田で,秋子は元女中が化けているのを暴露しようと企てたが,違っていた。秋子は何やら秘密を持っており,それを強請の種に黒川弁護士から結婚を迫られている。栄子が首なし死体として池で発見されていたが,探偵は別人だと断定する。秘密の通路の暗号を盗まれ,長崎の養虫館に送られたらしいが,そこに隠された中二階に閉じ込められ殺されそうになっている所を辛くも脱出し,東京の医師の住所を聞かされて訪ねると,電気メスを開発し整形術を極めた医師から,秋子は祖母殺しのぎん子であることが明かされる。黒川弁護士宅から一足早く幽霊塔に戻って時計塔から地下の迷路に足を踏み込んだ秋子を追って,北川も地下迷宮から江戸時代の豪商が残したお宝に辿り着くが,下界に出てくると,北川の居室は猿と長田の死体,栄子は気を失っていた~ジブリ美術館で幽霊塔を特集展示して,本も編集し売り出す・・¥2000でも売れるっと!

  • 「幽麗塔」にはまった時に読んで以来。涙香版の方が好きだった気がするのですが、やはりこっちはわくわく感が半端ないです。
    もう、映画化しちゃえばいいのに。(幽麗塔でも可!)

  • 秋子の素性が気になって、最後の四分の一くらいを一気に読んでしまった。先生の、自然の美と戦う仕事だという話が印象に残った。

  • 乱歩×宮崎駿。
    宮崎駿の絵で建物内部の図解が見れるなんて、なんて贅沢なんだろうか!
    ストーリーの方は、光雄が秋子にべた惚れ過ぎて、秋子可愛さに探偵殺しかけたり、盲目的なところがどうも好きになれなかったので、乱歩作品では珍しくあまりのめりこめなかった。奇妙な仕掛けのある時計塔はめちゃくちゃ好みです。
    本当にジブリで映画化してくれないかなぁ。

  • 宮崎駿さんのカラー口絵につられて、およそ数十年ぶりに読み返しました。あの当時の自分では理解できなかった事柄が理解できたことにより、より面白みが増したような気がしました。宮崎さんのページだけでも読む価値ありですよ!

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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