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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784000255035
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好きならばずいぶん酒を飲むがよし飲まで死んだる義朝【よしとも】もあり
大田蜀山人
江戸後期の幕臣による狂歌である。
源義朝は、平安末期の武将。平治の乱で敗れた後、家臣の家族である長田忠致【おさだのただむね】をたよって野間(現、愛知県知多郡)の里にたどりつく。酒を勧められ、湯につかってようやく人心地ついた義朝だったが、丸腰のところを長田に襲われ、絶命したのだった。
掲出歌では、地名の「野間で」と「飲まで」が掛けられている。立川談志の落語「蜀山人」でもこの話が登場するそうだ。
「落語名所探訪家」を肩書とする田中敦の「落語九十九【つづら】旅」は、日本全国、落語ゆかりの99カ所を紹介した名所ガイドである。野間にある源義朝の墓の写真を添えて、この話が紹介されているほか、北海道では、宗谷岬と函館、網走が取り上げられている。
網走を舞台とした新作落語が、三遊亭白鳥の「幸せの黄色い干し芋」。中学生の男子ヒロは、東京に行って歌手になる夢を熱く語り、女生徒のかすみは、サツマイモを網走名物にしたい、と屈託なく語る。だが20年後、ヒロは寄席芸人となり、かすみはイモ作りをあきらめていた―。
具体的な固有名詞として網走の天都山の展望台が出てくるが、三遊亭白鳥は、現地を訪れずにこの落語を作ったそうだ。
ちなみに沖縄も、新作落語にふれながら紹介されており、全都道府県に落語ゆかりの土地があることに驚かされる。狂歌や和歌が登場する落語もいくつかあるなど、発見に満ちた新刊。
(2016年8月21日掲載)
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