随筆 上方落語の四天王――松鶴・米朝・文枝・春団治

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000258142

作品紹介・あらすじ

六代目笑福亭松鶴、桂米朝、五代目桂文枝、三代目桂春団治。彼らは、戦後間もない頃、相前後して上方落語界に入門した。時には助け合い、また時には競い合って芸を磨き、やがて一世を風靡、四天王と称されるまでになる。滅亡寸前だった上方落語を復興させた功績は大きい。それぞれに異なる個性・芸風で人々の心をとらえた四天王。その芸の魅力とは何か?著者は、実際の演目を例に挙げながら綿密な考察を加え、芸の本質を鮮やかに浮かび上がらせる。演者の声・口調・間・仕草など細部にまでこだわった分析は、落語口演を聴き続けてきた著者ならではのものである。四天王への敬愛の念と、その芸への鋭い洞察が光る、画期的な四天王論。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/56989

  • 子どものころに見ていた、テレビのお笑い番組では、落語は「きわもの」扱いであった。お笑いは漫才が本流。いまでもその流れは否定できない。一方で落語も確かな地位を築いている。上方落語協会も200人を超える落語家を有し、常設寄席「繁昌亭」に「自社」ビルを持つに至った。
    その黎明期を背負った4人の落語家の噺家としての生きざま、そして仁鶴、枝雀、三枝と続く上方落語の確かな足取りを見ることができた。

  • 戸田学「上方落語の四天王~松鶴・米朝・文枝・春団治~」(岩波書店 2011)を面白く読んだ。芸の魅力を具体的に論じていく文章から、かつて接した高座での姿が彷彿としてきた。今から何十年も前の上方落語界が隆盛へと向かうバブル時期は、活気に満ち溢れていたものだ。四人それぞれに異なる個性と芸風が面白い。

  • 松鶴、米朝、文枝、春団治。
    四天王と言われるだけあって、四人それぞれ確たるものを持っていますね。
    それにしてもまったくタイプが違う噺家さんで、どの人が良くてこの人はちょっと・・・ということはなく、皆さんそれぞれいいんです。もちろんそれぞれ得意とする分野はあるのですが、では得意でない噺は・・・それはそれでいいんですね。

    おまけ(というのか)がうれしいなぁ。
    大阪における志ん朝さんの話。上方落語家との対談の様子や、大阪への思い入れや、大阪ではすっかりくつろいでいる志ん朝さんがうれしい。

  • 良かったのは、番外とも言うべき古今亭志ん朝編だけと感じました。

    あくまでボク的にはですけど。

    いわゆる四天王(この表現もおかしいと思いますが)の「解説」なんですが、なんか、単に速記の解説みたいで、それも私見のみという感じで面白くもなんともない。

    志ん朝の上方との関わり、TORII HALLとの関わりなんかが唯一興味深かった。

    なんで、飛ばし読みにしました。

  •  私は落語が好きです。特に上方落語は大好きです。小さいころ楽しみに観ていたお笑い番組は関西キー局のものが多かったので、本書で紹介されている「四天王」が現役バリバリの頃の高座は鮮明に記憶に残っています。四者四様、芸風は区々ですが、各々流石の話芸でしたね。
     本書では、その名人たちの芸の特徴や魅力を、それぞれの得意演目を材料に詳細に紹介していきます。
     巻末に採録されている古今亭志ん朝師匠と大阪との関わりを綴った小文もとても面白いです。

  •  随筆ということもあり、とても読みやすい本だと思います。
     四人の落語家についての考察が、実際の演目を取り上げて語られており、落語に詳しくない人でも、その演目の部分を読むだけでも面白いと思います。
     また、人前に立って話をするときに生かせることも書かれているため、勉強になります。
    (教育学部・数学専修/匿名希望)

  • 上方落語をこよなく愛する人
    御用達
    まぁ なんと
    楽しめることでしょう

    松鶴さん、文枝さんの落語が
    蘇るのも また嬉しい

    米朝さんのCDをもう一度
    聴きなおそうかという気にさせ

    春團治さんの高座には
    まだ間に合うぞ
    そんな気にさせてもらえるのが
    うれしい

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