身体を躾ける政治 中国国民党の新生活運動

  • 岩波書店 (2013年5月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784000259026

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  • 明治時代までの日本人は、整列して行動することも、とっさに身をかわすこともできなかったという。それができるようになったのは、西南戦争以後、明治政府が軍事教練によって身体を近代化した結果だということを、三浦雅士『身体の零度』(講談社選書メチエ)で読んだことがあった。(モースも同じようなことを言っている)そうした身体を改造する運動は実は日本が中国を侵略する1930年代から蒋介石の指揮のもとでも行われていたのである。すなわち、公衆の面前でつばや痰を吐いたり、肌脱ぎしたり、大声をだしたり、屁をこいたりするのをやめさせようとする運動である。それには蒋介石が日本の軍隊で教練を受けた影響が大いにある。孫文も述べているが、中国では高級官僚でも似たようなことをしている。だから、日本になめられ侵略されるのだというわけである。これは胡適によって「国難の最中に政治ショーをやっても飯は食えない」と批判されたが、蒋介石はそれを台湾へ逃れる前まで、かつ台湾へ逃れてからも真剣に行おうとしたのである。だとすると、大陸では蒋介石が離れたあとこうした運動はブルジョア運動だとして廃止されたのであろうか。逆に台湾の人々のマナーのよさは、この運動が功を奏したからだろうか(あるいはむしろ日本の影響かもしれない)?などということを考えさせられた。本書は、さらに各職業集団、たとえば銀行員や店員などにおける職業マナー、生活習慣・観念の改善、家庭における女性の役割(女性は社会に進出すべきか、家にいて子どもをしっかり育てるべきか)という問題から、日本軍との戦いで負傷した、目も背けたくなるような兵士たちをいかに扱うか、1941年から始まる米国義勇隊をいかに接待するかということまで話は広がる。深町さんの中ではこうしたことがすべてつながっているのであろう。それにしても、日本の中国侵略は中国の社会に多大な損失をもたらしたことを改めて思うし、日本が大陸で戦っていたのは中国だけではなかったのだということを改めて認識した。

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著者プロフィール

中央大学経済学部教授

「2005年 『アジア経済のゆくえ 成長・環境・公正』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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