図書館と表現の自由

著者 : 松井茂記
  • 岩波書店 (2013年9月27日発売)
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  • 本棚登録 :46
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000259170

作品紹介

図書館は国民が情報を受け取る機会を保障するため極めて重要な役割を担っている。図書館や利用者・出版社の法的地位、図書館における図書の収集・管理・利用、インターネットへのアクセスなど、図書館においてさまざまな場面で生ずる法的問題について、図書の利用を表現の自由の問題と捉えて、図書館の行為には憲法的に限界があるという立場を展開する。

図書館と表現の自由の感想・レビュー・書評

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  • 010.1 / 図書館の自由 表現の自由 /

  •  著者は、憲法学専攻の松井茂記(まつい・しげのり)。先のレビューにある通り、権利論からの表現規制へのアプローチをとっています。
     法学らしい抽象的議論が展開されています。


    【書誌情報】
    ジャンル:書籍 > 単行本 > 法律
    刊行日:2013/09/26
    ISBN:9784000259170
    Cコード:0032
    体裁:四六・上製・カバー・270頁
    定価:本体2,700円+税
    在庫:在庫あり

     図書館は国民が情報を受け取る機会を保障するため極めて重要な役割を担っている.図書館や利用者・出版社の法的地位,図書館における図書の収集・管理・利用,インターネットへのアクセスなど,図書館をめぐる問題をさまざまな場面に分けて,表現の自由の保障のあるべき姿から,包括的に検討を加えた.
    https://www.iwanami.co.jp/book/?book_no=262121


    【目次】
    序文(二〇一三年初夏 バンクーバーにて 松井茂記) [v-viii]
    目次 [ix-x]

    はじめに 001

    I 図書館と利用者あるいは著者ないし出版社の権利 007
    第一章 図書館の位置づけ 008
    国立国会図書館/公立図書館/図書等の収集、管理、利用/法律上ないし条例上の手当てがなぜ存在しないのか

    第二章 図書等の収集、管理ないし廃棄及び利用と表現の自由 017
    表現の自由/図書館の役割/図書館は表現の自由を享受しているか/図書館による利用者あるいは著者ないし出版社の権利の侵害/図書館はパブリック・フォーラムか――アメリカにおける議論/やはり図書館はパブリック・フォーラムと考えるべき/図書館がパブリック・フォーラムであることの意味/図書館の図書等を利用する表現の自由の権利はないという考え方は妥当ではない/国立国会図書館・公立図書館以外の図書館と表現の自由

    II 図書館における図書等の収集とインターネットへのアクセス 035
    第三章 図書等の収集 036
    図書館における図書等の収集/図書館は教養を高めるための場か情報に接する場か/図書等の収集と表現の自由の制約/具体的な基準/図書館が図書等を所蔵し利用に供することの意味

    第四章 インターネットへのアクセスの制限 046
    図書館におけるインターネットへのアクセス/図書館におけるフィルタリングは許されるか/子どもをインターネットから保護する法律/成人のアクセスも制限できるか/インターネット・フィルタリングを考え直す/未成年の利用者に対してもインターネット・フィルタリングは許されるべきではない/成人利用者のインターネット・アクセスを制限すべきではない/アメリカ図書館協会の立場/表現の自由

    III 図書館における図書等の管理と利用の制限 063
    第五章 図書等の管理 064
    収集した図書等の保管ないし管理及び廃棄(除籍)/収集した図書等の保管ないし管理及び廃棄(除籍)と表現の自由/許される場合と許されない場合/特別許可制/図書等の廃棄(除籍) /図書等の表明する見解ないし思想に対する個人的な反感による廃棄(除籍)/図書等に反対する者による抗議/天皇コラージュ事件を考え直す/回収の申入れがあった場合/図書等電子化による保存の必要性

    第六章 利用者の規律 088
    図書館の利用/図書館の利用と表現の自由/どのような利用者の規律が許されるか/図書館の図書等を利用しない人を図書館から排除できるか/ホームレスの人を図書館から排除できるか/未成年の利用/国民ないし住民ではない者/高齢者及び障害者

    第七章 図書等の利用 105
    図書館における図書等の利用/利用制限と表現の自由/どのような利用制限が認められるか/どのような措置をとりうるか/最も権利の侵害の度合いの少ない方法を選択する義務があるか

    IV どのような図書であれば利用を制限できるか 117
    第八章 刑罰法規に反する内容の図書等 118
    刑罰法規に反する図書等と図書館/図書館とわいせつな図書等/裁判でわいせつと確定した場合及び著者等が起訴されている場合/わいせつかどうかが裁判で争われていない場合/児童ポルノ/時代の変化に応じた対応の必要性/児童ポルノの所持の禁止
    第九章 個人の名誉ないしプライバシーを侵害する図書等 131
    名誉毀損・プライバシー侵害と図書館/裁判所から図書館に対し利用制限が命じられている場合/著者ないし出版社に対し差止めが命じられている場合/著者ないし出版社に対する損害賠償判決が確定した場合/損害賠償訴訟が提起されているが判決が確定していない場合/損害賠償訴訟も提起されていない場合/『石に泳ぐ魚』/どのような場合に名誉毀損となるか/どのような場合にプライバシーの侵害となるか/歴史的資料の場合の特殊性/時の経過とプライバシーの侵害/図書館と個人情報保護/名簿の利用/利用制限はどうしても必要な場合に最低限で
    第一〇章 差別的図書等 154
    差別的図書と図書館/どのような根拠で利用を制限するか/利用制限が許される場合/それ以外の差別的図書
    第一一章 少年法違反の図書等 159
    少年法六一条/少年法六一条は必ずしも徹底して遵守されてきたわけではない/少年法六一条に反する図書等と図書館/少年法六一条に反する図書等は人権を侵害しているか/少年を特定する報道をすべて禁止できるか/東大和市図書館事件/どのような場合に少年法六一条に反するか
    第一二章 著作権等を侵害する図書等 170
    著作権/著作権などを侵害する図書等と図書館/どのような場合に利用制限は許されるか
    第一三章 政府や地方公共団体等が提供した図書等 177
    政府図書等と図書館/公開すべきではない政府図書等の利用制限/どのような場合であれば利用制限が許されるか/国立国会図書館事件/はたしてそれでよかったか
    第一四章 それ以外の内容による利用制限 189
    青少年保護育成条例と図書館/青少年に有害な図書の利用制限は認められるべきか/公序良俗に反する図書/寄贈又は寄託の条件

    V 図書の利用制限の手続と求めうる救済 195
    第一五章 図書等の利用を制限するのにどんな手続が必要か 196
    図書の収集、廃棄及び利用制限の手続/公正な手続の必要性
    第一六章 図書等の利用が制限されたときにどのような救済が考えられるか 201
    図書館の行為が憲法に反する場合にどのような救済が認められるか/表現の自由の侵害に対する救済のあり方を考え直す必要性

    VI 図書館とプライバシー保護 205
    第一七章 図書館におけるプライバシー保護 206
    図書館におけるプライバシー/プライバシーの権利及び表現の自由/図書館と個人情報保護/図書館による個人情報の収集・利用/図書館におけるプライバシー侵害――個人情報の漏洩/図書館におけるプライバシー侵害――個人情報の外部への提供/生命又は身体を守るために緊急かつやむを得ない必要がある場合

    結びに代えて [225-226]
    注 [227-258]
    参考文献 [259-260]

  • 資料ID:21402445
    請求記号:010.1||M
    配架場所:普通図書室

  • 2013年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 010.1//Ma77

    【選書理由・おすすめコメント】
    ”どこまで制限するのか”といったことに興味があるため
    (薬学科 2年)

  • 図書館の蔵書構成(受入・除籍)やサービス(貸出・閲覧)について、
    憲法の権利論から考察したもの。

    図書館をパブリックフォーラムに準じた「公の施設」と捕らえ、
    市民がそのサービスを受けることを権利的に捕らえています。

    そして、閲覧制限などを権利制限と同様に捕らえ、
    明確な基準や「明白かつ現在の危険」などの判断基準を
    唱えています(すべてのケースではありませんが)

    権利侵害の争いがある場合、図書館員ではその是非を判断できないので、
    確定判決があるまでは全く制限できない、というのが基本みたいですが、
    権利関係が複雑化している中、
    表現行為で権利が侵害されている(現在進行形)
    のを無視していいのか、という印象を持ちました。
    (憲法の論文でよくあるのですが…)

    図書館現場を知らないのかな?という表現もありましたが、
    逆に、図書館現場と違った視点で考えられるところもあるのでは、
    と思います。

  • 松井茂記『図書館と表現の自由』岩波書店、読了。法学者が公立図書館における「表現の自由」を様々な角度から検討した一書。憲法学の観点から日本の図書館法制の様々な不備を明らかにする。図書館と表現の自由を考察する基本書の1つとなろう。 https://www.iwanami.co.jp/.PDFS/02/2/0259170.pdf

  • 法経図・開架 010.1A/Ma77t//K

  • 図書館は教養と文化的滋養を促進する使命を担っている。

  • 「表現の自由の保障のあるべき姿」を忘れないでください。

    岩波書店のPR
    「図書館は国民が情報を受け取る機会を保障するため極めて重要な役割を担っている。図書館や利用者・出版社の法的地位、図書館における図書の収集・管理・利用、インターネットへのアクセスなど、図書館をめぐる問題をさまざまな場面に分けて、表現の自由の保障のあるべき姿から、包括的に検討を加えた。 」

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