岩波茂雄

  • 岩波書店 (2013年9月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784000259187

みんなの感想まとめ

この作品は、岩波書店の創設者である岩波茂雄の評伝を通じて、彼の思想や活動の背景を深く掘り下げています。著者は中村屋のボースとの関係からこの評伝を執筆し、岩波のリベラルな印象とは裏腹に、明治天皇の御誓文...

感想・レビュー・書評

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  •  岩波書店の創業者岩波茂雄の評伝。1957年刊行の安倍能成『岩波茂雄伝』でも用いられた岩波書店所蔵の史資料に拠っており、新知見と言えるほどのものはない。岩波におけるナショナリズムとリベラリズムの接合を重視し、戦後の「岩波文化」を投影した「左」イメージを払拭して、戦前のナショナリズムの「健全」な「可能性」を発掘しようとしているが、前提となる著者のナショナリズム観や近代思想史理解には疑問も多い。なお蓑田胸喜の岩波攻撃が、まさに現在進行している右翼政治家・メディア・ネット右翼による朝日新聞バッシングと論法・文体が相似しており、それらを相対化するための素材として本書は利用できる価値がある。

  • 【由来】


    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】

  • 岩波書店の創設者の評伝。中村屋のボースを著された著者が評伝を書くのは中村屋の創業者と岩波茂雄の関係からか。リベラルな印象の強い書店であるが、創業者の岩波茂雄は、明治天皇の5か条の御誓文を考えの基本に置きながら、吉田松陰全集とマルクス主義関連の書籍を出版するという、本来なら結びつかないものを結びつける、その思想を「リベラル・ナショナリスト」と呼ぶ。戦争間際に岩波文庫、岩波新書を創刊し、これが戦中の思想的闘いであったことなど、知られざる一面を知り、現在の岩波書店に生きる思想を垣間見た。

  • 岩波書店がご贔屓なので、読んでみました。リベラル・ナショナリストか、なるほど。興味深い本でした。

  • 2014/11/13

  • 岩波書店創業者・岩波茂雄の生涯を、岩波書店が有する豊富な資料、書簡をもとに鮮やかに描いている。マルクスの資本論を発刊し、京大滝川事件では文部省を批判、天皇機関説の美濃部達吉を支援したリベラリストの岩波が、西郷隆盛、吉田松陰を熱愛し、明治天皇宣布の五箇条の御誓文を心酔する愛国者でも在ったことに驚く。幼少から一貫して真摯に悩みぬいて、言論の自由のために、愛する自国のために、友人のために、同胞アジアの人達のために戦ってゆく生き方に感銘を受ける。一方、蓑田胸喜との論争では、論じ争う人たちが意を尽くして論じてもなかなか通じ合えない実態に、常の世の現実であると感じた。

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著者プロフィール

1975年、大阪生まれ。北海道大学大学院准教授を経て、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。2005年、『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。著書に『思いがけず利他』『保守のヒント』『保守と立憲』、共著に『料理と利他』『ええかげん論』『現代の超克』、編著に『RITA MAGAZINE テクノロジーに利他はあるのか?』『RITA MAGAZINE 2 死者とテクノロジー』などがある。

「2025年 『建築と利他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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