思考の取引――書物と書店と

制作 : 西宮 かおり 
  • 岩波書店 (2014年8月27日発売)
3.94
  • (4)
  • (9)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • 本棚登録 :95
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000259903

思考の取引――書物と書店との感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ここまで美しい書物は、なかなかない。
    裏面バーコードすら美しい。
    表紙に刻まれたブラックとグレイの書籍。見返しの深いボルドー。
    シルバーの栞紐はアクセサリーのようだ。
    奥付の後、計6ページに渡る空白に、私だけの物語を垣間見た。

    「読者にとって純粋にして透明なる塊」
    「読め!」さもなくば「喰え!呑みくだせ!」と書物が汝に差し出される。そうしてわれわれは、書物を貪り続けてきたのだ、舌に甘かろうが苦かろうが、蜂蜜だろうが胆汁だろうが。
    書物はつねに、おのれ自身の墓碑銘なのだ。「読まれざるもの、ここに眠る」

  • 難しかった…

    フランス語の気取った感じが、高尚な文章みたいに感じられた。
    (中身が理解できなかったので、その論理が素晴らしいかは不明)

  • 目次

    書物のイデアと形質
    書物の自己完結性
    啓典の民
    終わりなき読書
    未刊のものの出版
    開かれ、閉じられた書物に
    書店の香り
    思考の取引
    書物という素材
    訳者あとがき(西村かおり訳)

  • フランスの書籍の和訳ですが、訳者がすばらしいのか。
    とても美しい文書がちりばめられている本でした。
    内容的にすべてが理解できたのかと問われると
    頭をかしげるしかない部分はあるのですが。
    そんなことより、美しい文書という感じです。
    昔、文学の教科書にでてくるような難解では
    あるのですが、かっこよくて美しい文書と言えば
    伝わるでしょうか?

    書物のイデアと形質
    書物の自己完結性
    啓典の民
    終わりなき読書
    未刊のものの出版
    開かれ、閉じられた書物に
    書店の香り
    思考の取引
    書物という素材

    書物とは本質的に、ある対話者に対して語りかけるもの、彼に向けられ、呼びかけ、送られ、すがりつくものであって、この対話者がすなわち読者となるものだから。
    書物とは、何か/誰かについて語るものではなく、何か/誰かに対して語りかけるものであり、言いかえれば、何か/誰かに対して語りかけずして、何か/誰かについて語ることはないものなのである。

    書店とは。香水屋であり、焼肉屋であり、パン屋であり、つまりは、香りと味の調剤室なので。この香りや味を介して、書物から立ちのぼる、何か甘やかなこ香気のような、食欲を誘う匂いのようなものが、察知され、推測され、予感される。われわれは、そこで、書物のイデアについてのある観念を、ある粗描を、あるほのめかしを、ある気配を手に入れたり、見つけたりする。

    本と、人と、出会い、交わり、別れる日々のそのなかで、別れられなかったあの人が、読まずにいられなかったあの本が、わたしを、あなたをつくってきました。いま、眼の前にいるその人が、開いているこの本が、わたしであり、あなたなのです。

  • チェック項目5箇所。書物との交わりにおいては、つねに変わらぬ、心やすい奉仕をうけることができる、はわたしの歩みに終始付き添い、わたしの行くところどこへでも供をする。書物とは、一個の対話である、それはイデアに対話の形質を授ける、といって、そのイデアがこの形質に先だって在るわけではない、イデアはそれ自体、ある宛て先に特有の刻印なのだ。書物とは、それ自体で、何よりもまず、みずからを相手におのれを伝達し、取引するものなのだ、真に書物を読む者は、この取引に加わるほかない、まさしくここに、書物と「誹謗文書」やら「概論」やらとの違いがある、後者が何らかのメッセージを伝えるのに対し、書物はいわば自分自身でみずからを伝達をするのだ。書物とは、そもそも読めないものであり、まさに読めないものの名において、書物は、読むことをときに命じ、ときに呼びかける、読めないものとは、つまり、書物が開かれているときに閉ざされたままでいるものであり、装幀のなかにとらえられ、糊づけされ、縫いつけられたままでいるために、それとも、秘密を見破ってやろう、別な書物を著してやろうと、こつこつ余白に書きつけられてきたそのままでいるために、ページからページへとすりぬけてゆくものである。本と、人と、出会い、交わり、別れる日々のそのなかで、別れられなかったあの人が、読まずにいられなかったあの本が、わたしを、あなたをつくってきました、いま、眼の前にいるその人が、開いているこの本が、わたしであり、あなたなのです。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784000259903

  • 装丁が美しい。薄くて小さな本。ああ、デリダの弟子なんだなあという言葉。訳者のあとがきの、やわらかく、やさしい言葉にも感じ入る。

  • 「分かったのか?」と問われれば、「…そんなに…」と答える。
    本と書店、本を読む事などについて、哲学。
    ともあれ、帯も含めた装丁が良すぎる。
    この佇まいを手に入れただけでも、1900円は高くないと思ってしまう。

  • 「本」をめぐるフランス現代哲学者のエッセイというか、散文詩というか、諸々の思考。
    本を読むこと、本とかかわること、本を手に取ること、などなど。装丁に惹かれて買ってしまったけれど、わかりやすい本屋さん論みたいなのを期待するときっと後悔します。パラパラ立ち読みしてたときにも感じていたように、一度読んでぱっと理解しようとするよりも、折に触れて読み返す類の本だろうなぁと思います。

  • 「書店の香り」と言う魅惑的な項目が、、、

    岩波書店のPR
    https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-025990
    memoinfo
    https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0259900/top.html

全10件中 1 - 10件を表示

ジャン=リュック・ナンシーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マイケル・ポーラ...
シーナ・アイエン...
ティム・インゴル...
本屋図鑑編集部
三浦 しをん
國分 功一郎
有効な右矢印 無効な右矢印

思考の取引――書物と書店とに関連するまとめ

思考の取引――書物と書店とを本棚に登録しているひと

ツイートする