金持ちが確実に世界を支配する方法――1%による1%のための勝利戦略

制作 : 荒井 雅子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 55
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000259934

感想・レビュー・書評

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  • 日本語のタイトルはセンセーショナルだけど英語の原題は how to win the class war というもの。本来は階級闘争について書かれた本。なぜ邦訳する時にこんなことになったのか謎。

    内容は簡単に言うと貧乏人はますます貧乏になり金持ちはますます金持ちになる、というもの。そのからくりの説明は「貧乏人から巻き上げた税金で無理な経営をしている銀行を助けるから」。
    税金を富裕層からとることはない。富裕層はお金を使って自分に有利な政治家を政界に送りこむのだから。結果的に貧乏人からまるでカンパのように税金を巻き上げ、その金は最終的には富裕層に手に入ってしまう。貧富の差が開くのは当然。

    また、この本の内容それ自体が仕掛けである。
    富裕層に雇われた専門家チームの報告書という形になっていて面白い。日本ではこういう仕掛けの本がなかなかないのでこの辺はアメリカ的な発想だと思う。
    「こんな世の中はおかしい」などと正論を振りかざしてもうざったいだけで面白くもなんともない。
    (本当は大事なことなんだけど教科書的でつまらない)
    だからそれをひっくり返した構造の壮大なジョークのような仕立てはなかなか粋。
    しかし今の日本にこの手のニューヨーカーっぽい皮肉(シニック)がわかる人がどれだけいるのか。
    玄人受けする本だと思う。
    アマゾンのレビューも2件しかない。

    あとは資本主義を徹底させて新自由主義を推し進めるには
    1、民主主義をなくし
    2、人権をなくし
    3、大学から人文系の学科をなくせ
    といった提案がなされている。
    これはある意味でとても正しい。
    福祉を最低限にして自分の貧乏は社会のせいではなく自己責任と思わせるべきだ。そうすれば暴動は起きない。それに大学で哲学など勉強されて物事の本質を見る人が増えるのは抑制すべきである。

    そしてそれでもダメなら非殺傷兵器を開発して人民の統制に用いよ、というブラックジョークでこの本は(この報告は)終わる。

    すごく面白い本なんだけど、このタイプの本が日本で人気になることはないと思う。
    日本ではまだまだ人間は「平等」だと思っている人が多いのが現状。本当はどんどんインフレになって給料も下がって生活は苦しくなり貧富の差が開いているのに。
    それは逆に言えば日本はこの報告書の通りにうまくやっているということでもある。
    そもそも日本は実質的には自民党の独裁政権で民主主義じゃないし、倫理的には家父長制で人権もなく(女は子供を産む機械)、大学は就職センターと化している。
    貧乏人は無自覚に税金をむしりとられつづけていてそのことに気付きもしない。

    一言でこの本の感想を言うならば
    「金持ちって無敵だね」。

  • 「ジニ係数」(イタリアの統計学者コッラド・ジニのなをとった)ある社会の中の所得分配を測る数字であり、0から1の値を取る。ジニ係数0とは、全員が等しい所得を得ていることを表し、1とは、1人が全所得を独占していることを表す。
    富が人々の間にどれだけ平等に、あるいは不平等に分配されているかを示す。
    ・市場が繁栄していて、豊かで自由な民主体制の先進国は0.2の半ばから後半(全スカンジナビア諸国)
    ・0.3の前半(オーストラリア、アイルランド、カナタ、フランス、オランダ、スイス、韓国、大半の東欧諸国)
    ・0.3の後半(イタリア、イギリス、日本)
    *0.4未満の数字であれば、かくさの程度は許容範囲であり、歴史的に、社会不安の少ない国家的枠組みを持っていることをしめいている。

  • 世界の有力者がとある作業部会に世界の現状分析と今後の戦略を密かに依頼するというフィクション。前作の『グローバル市場経済生き残り戦略』では、人口爆発が早急に解決すべき問題で戦争や飢餓や感染病をうまく利用すべきという内容だった。今回はというと…。著者はアメリカ出身でフランス在住の国際政治経済学者。貧困・開発の問題に取り組み『なぜ世界の半分が飢えるのか』などを執筆。

  • 題名が良かっただけに、残念。内容構成が理解し難い。翻訳にも問題があるのかもしれない。

  • 請求番号 333.6/Geo
    資料ID 50077094
    配架場所 図書館1F学生選書コーナー 

  • なんか、日吉でタイトルに惹かれて買ってしまった・・・。

    金持ちとかwwww俺のことかwwwwww支配してやるよこのファックな世界をなwwwwwって無駄にテンション上がって金ないのに買ってしまった・・・。

    最初と最後は読みやすい上に、経済、環境に関してなかなか的を射た考察がされていて読みやすいが、真ん中の新自由主義と啓蒙主義の戦いの部分は非常に難しい。ヘトヘトな通勤中に読むのはおすすめしない。実に難しい論理展開がつづく・・・。面白いけど。

    つまるところ金持ちの支配した世界とは新自由主義が支配した世界のことであり、貧困層も含めて世の中が新自由主義的なために金持ちがより金持ちになる世の中を作りやすいのである、みたいな。頭の悪い俺が頑張って理解したらこんな感じになったw

    なんでもいいけど、この前智ちゃんと会って、「僕もう会社辞めて田舎で高校の先生でもやりたいなーって最近考えてるんですよー」って言ったら、「絶対すぐ飽きるからやめときな」って言われたのを何故か思い出したww俺も新自由主義者なのか・・・

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