史料から考える 世界史二〇講

制作 : 歴史学研究会 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000259965

作品紹介・あらすじ

高句麗王の碑文、ギリシア叙事詩、明代の評論や小説、ムスリム年代記、「人権宣言」、アラビア王女の回想、奴隷船航海記録など多様な史料から歴史を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 【書誌情報+内容紹介】
    歴史学研究会 編
    本体2,300円+税
    刊行日:2014/10/29 
    ISBN:9784000259965
    A5 並製 カバー 198ページ
    在庫あり

     世界史の面白さは,古代から現代まで,広い地球の各地で繰り広げられてきた人間のドラマを自由自在に見てまわり,その場に居合わせているかのような臨場感をもって考えることができるところにある.古代エジプトの官僚の夢から,現代世界の平和の問題に至るまで,さまざまな史料から歴史を読み解く魅力を伝える.

    〇執筆者からのメッセージ
     歴史はおもしろい,ことに世界史はおもしろい――それを実感していただきたい.目次をめくれば,古代エジプトの役人の夢から大西洋を跨いだ奴隷貿易,大英帝国の盛衰,中国での国歌誕生やインドの牛の運命にいたるまで,さまざまなテーマが並ぶ.世界史のおもしろさは,古代から現代まで,広い地球で繰り広げられてきた人間のドラマを自由自在に見て回り,視野を広げ,あたかも自分がその場に居合わせているかのような臨場感をもって考えることができる点にある.
     人々は何を感じ,何を思って生きてきたのか,どんな社会を築き,どんな権利を主張し,どう行動してきたのか,時には立ちどまって考えてみよう.そして,世界には,なぜ,さまざまな対立や差別,抑圧などが生まれてきたのか,また人々は,それらの問題をどのように解決し克服しようと努力してきたかというところにまで,想いをめぐらせてみたい.
     世界を知ることは,日本を知ることでもある.日本は他の地域とどのような関わりを持っていたか,そして日本は世界全体の歴史のなかでどのように位置づけられるのか,そうした諸問題も世界史を踏まえることによって初めて語ることができる.
     こうした世界史のおもしろさに触れる鍵は,史料である.『世界史史料』全12巻に掲載された様々な文字史料はもちろんのこと,図画史料や口承史料なども含め,人々が残したものを手がかりに世界史の旅を味わっていただければ幸いである.
        歴史学研究会 久保亨、鈴木茂


    〇著者略歴(*は編集責任者)
    李 成 市(り そんし)  早稲田大学教授,東洋史
    畑守泰子(はたもり やすこ)  愛媛大学講師,古代エジプト史
    桜井万里子(さくらい まりこ)  東京大学名誉教授,古代ギリシア史
    三浦 徹(みうら とおる)  お茶の水女子大学教授・放送大学客員教授,アラブ・イスラーム史
    岸本美緒(きしもと みお)  お茶の水女子大学教授,東洋史
    森田安一(もりた やすかず)  日本女子大学名誉教授,中世ヨーロッパ史・スイス史
    高澤紀恵(たかざわ のりえ)  国際基督教大学教授,近世フランス史
    富永智津子(とみなが ちずこ)  元宮城学院女子大学教授,東アフリカ・スワヒリ史
    鈴木 茂*(すずき しげる)  東京外国語大学教授,ブラジル史
    小谷汪之(こたに ひろゆき)  東京都立大学名誉教授,インド史
    吉澤誠一郎(よしざわ せいいちろう)  東京大学准教授・放送大学客員准教授,中国近代史
    加藤 博(かとう ひろし)  一橋大学名誉教授,エジプト社会経済史・イスラーム社会史
    中條 献(ちゅうじょう けん)  桜美林大学教授,アメリカ近代史・社会史
    斎藤治子(さいとう はるこ)  帝京大学元教授,ロシア現代史・外交史
    伊集院立(いじゅういん りつ)  法政大学名誉教授,ドイツ近現代史
    木畑洋一(きばた よういち)  東京大学名誉教授・成城大学教授,国際関係論・イギリス帝国史
    久保 亨*(くぼ とおる)  信州大学教授,中国現代史
    内藤雅雄(ないとう まさお)  東京外国語大学名誉教授,南アジア近現代史
    永原陽子(ながはら ようこ)  京都大学教授,南部アフリカ史
    油井大三郎(ゆい だいざぶろう)  東京大学名誉教授・一橋大学名誉教授・東京女子大学特任教授,アメリカ現代史
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b261325.html


    【簡易目次】(※ルビは〔〕に入れた。章タイトルの直後に執筆者の氏名を置いた)
    まえがき(2014年10月 歴史学研究会) [v-vii]
    利用の手引き [viii]
    目次 [ix-xiv]

      I 多様な社会の形成
    1 諸王たちのモニュメント――東アジア世界の形成〔李 成市〕 003
    2 墓に刻まれた世界――古代エジプトの官僚たちの世界観〔畑守泰子〕 012
    3 ポリス成立前夜の社会――レラントス戦争の検証〔桜井万里子〕 021
    4 イスラーム世界の都市と商業――もう一つの世界システム〔三浦 徹〕 030
    5 明から清へ――銀の流れと社会変動〔岸本美緒〕 039
    6  十字軍から宗教改革へ――贖宥をキーワードとして〔森田安一〕 047

      II 近代への展開
    7 「自由」をめぐる葛藤――近世フランスの都市と王権〔高澤紀恵〕 057
    8 ザンジバルのアラビア王女――東アフリカと近代ヨーロッパ〔富永智津子〕 066
    9 「黒い積み荷」の往還――奴隷貿易から見る大西洋世界〔鈴木 茂〕 075
    10 牝牛保護と不殺生〔アヒンサー〕――インド・ナショナリズムの運動〔小谷汪之〕 084
    11 亡命者と留学生の愛国宣伝――近代中国のナショナリズム〔吉澤誠一郎〕 092
    12 エジプトの早すぎた明治維新――近代エジプトの国家と村落〔加藤 博〕 100
    13 「アメリカ人」とは誰か――合衆国の国民統合〔中條 献〕 109

      III 20世紀の戦争と平和
    14 女性参政権をめぐる攻防――ジェンダーとロシア革命〔斎藤治子〕 119
    15 ドイツ・ナショナリズムとナチズム――「歴史認識の深層」〔伊集院 立〕 128
    16 帝国支配国の戦争――イギリスと第二次世界大戦時代〔木畑洋一〕 137
    17 「義勇軍行進曲」の時代――日中戦争と現代中国〔久保 亨〕 145
    18 インド・パキスタンの分離独立をもたらしたもの――政冶と宗教の役割〔内藤雅雄〕 154
    19 マンドゥメ王の頭のゆくえ――南部アフリカ征服の記録記憶〔永原陽子〕 163
    20 戦争の違法化と国際機関の発展――20世紀の戦争と平和〔油井 大三郎〕 172

    図版出典一覧 [181-182]
    執筆者紹介 [184]

  • 「歴史はおもしろい、ことに世界史はおもしろい」ことを読者が実感することが本書の狙いだという。様々な時代・地域の歴史(エピソード)を史料にもとづいて20名の歴史学者が"紹介"してくれる。たしかにおもしろいが、「高校の歴史」レベルの知識しかない者にとっては正直ちょっと難しかった。

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著者プロフィール

歴史学研究会
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「2017年 『歴史を社会に活かす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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