心と行為―エスノメソドロジーの視点 (現代社会学選書)

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著者 : 西阪仰
  • 岩波書店 (2001年2月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000265188

作品紹介

見ることや想起することは、個人の閉ざされた内部で生じる出来事ではない。それは、人間同士の相互行為に埋め込まれた「社会的な」現象にほかならない。エスノメソドロジーと称される社会学的方法に方向づけられた相互行為分析により、視覚、想像、記憶にかかわる具体的な行為を分析し、心の社会的構成-心がいかに社会的に構成されるものであるのか-を明らかにする。社会学と心理学の接点で繰り広げられる新しい知の展開。

心と行為―エスノメソドロジーの視点 (現代社会学選書)の感想・レビュー・書評

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  • 私は大学で社会学を専攻していました。
    『社会学』とはどのような学問か『ウィキペディア』から引用すると
    *******************************
    社会現象の実態や、現象の起こる原因にメカニズム(因果関係)を
    解明するための学問である。
    その研究対象は、行為、行動、相互作用といったミクロレベルのものから
    家族、コミュニティなどの集団、組織、さらには社会構造やその変動など
    マクロレベルに及ぶものまでさまざまである。
    *******************************
    とあります。

    私なりに解釈すると、「当たり前の現象や事柄を客観的に
    観察し、認識を深める」学問といったところでしょうか。

    基本的には「社会学」という言葉をつければ、何でもアリになります。
    ちなみに私が履修していたものだけでも
    『家族社会学』『社会心理学』『宗教社会学』『医療社会学』・・・
    『犯罪社会学』なんていう授業もありました。

    話が横道にそれましたが、今回ご紹介するのは
    社会学と心理学の接点(帯より抜粋)
    「相互行為」にまつわる本です。

    複数の人が何らかのやりとりをする(相互行為)とき、そこには社会的な
    共通認識(背景)が存在します。
    それをデータを用い詳しく解説したのが、この本になります。

    例えば、私は3人兄妹の真ん中ですが、「家族」というカテゴリー集合では、
    両親にとっての「子」(親-子)であり、兄にとっての妹(兄-妹)であり、
    妹にとっての「姉」(妹-姉)という存在です。
    このカテゴリーにおいて「私」は、親-子では親の教えに従い、妹-姉では姉
    としてしっかりすることが期待されます。
    また、「会社」というカテゴリー集合において、私は上司にとっての「部下」
    (上司-部下)であり、後輩にとっての「先輩」(後輩-先輩」)という存在です。
    よって、私は上司から「管理される立場」であるし、後輩に対し「見本を示す
    べき相手」になるのが理想とされています。
    これはいわゆる社会的な共通認識ですね。
    この関係が崩れたときに、一般的に違和感が生じることになります。

    「私」という存在ひとつとっても、そこに期待されていることは
    相手や状況によって違ってくるのがわかります。

    もうひとつ例を挙げます。
    -ある人が「 話し手」としての役割を担うためには、単に何か喋りだせばよいと
    いうわけではない。それは聞き手を必要とする。すなわち、受け手の話し手への
    志向を必要とするのだ。
    たとえば、話し手が受け手に視線を向けたとき、受け手が話し手に視線を向けて
    いないことが明らかになった場合、話し手はしばしば間をあけたり言葉を途切れ
    させたりする。そして、相手がそのあいだに視線を自分の方に
    向けたならば、その時点で話を先に進めていく。(本文より抜粋)

    これは、大学の講義でありがちです。生徒がザワザワして話を聞いていないとき、
    黙ることによって生徒の注目を集める先生がいらっしゃいました。
    「話し手」と「聞き手」、相互に自分の役割をきちんと果たしてこそ
    スムーズな相互行為が生まれる、という社会的共通認識のわかりやすい例になります。


    二つの例をご紹介しましたが、どちらも「何をいまさら」と思われるのでは
    ないでしょうか?

    しかし当たり前のことを客観的にとらえ直し、再認識するということは
    仕事の場でも大きく役立つことだと思います。

    たとえば、前者の”カテゴリー”の話。
    ある一つの商品について考える際、その商品を
    様々なカテゴリーに所属させることで求められる役割(=訴求内容)が
    かわってくると思いませんか?
    この「カテゴリー」という考え方を用いると多面的に物事をみる癖が
    つくのではないかと思います。

    また、後者の「話し手」「聞き手」の話。
    これはコミュニケーションに非常に役立ちます。
    ビジネスには商談がつきものです。
    自分の役割は何か、どのような姿勢を示せば相手との
    コミュニケーションがスムーズに進むのか。
    よく、聞き上手の人に知らず知らずのうちに
    暴露話をしてしまったといった話があるかと思いますが
    お客様に暴露話(キーになる情報)をポロリと話していただく
    ためには、知識にプラスしてコミュニケーション力を磨く必要が
    あると思います。


    この本は専門書ですので、残念ながら「こうすればうまくいく!」
    といった答えはありません。
    しかしながら、日常の物事を再認識し、新たな発見をすることで
    なにか役立つヒントが得られるのではないかと思います

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