拝謁記3 昭和26年11月~27年6月 (昭和天皇拝謁記 初代宮内庁長官田島道治の記録 第3巻)

著者 :
制作 : 古川 隆久  茶谷 誠一  冨永 望  瀬畑 源 
  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000265935

作品紹介・あらすじ

サンフランシスコ講和条約が調印され、占領の終結と主権の回復がみえてきた。条約発効に際しての「おことば」案を練る田島に、敗戦への反省の念を盛り込むよう要求する昭和天皇。だが、天皇の思いを反映した案は、退位論再燃を憂慮する吉田茂首相によって大きく修正を迫られた。天皇は国民に対し何を訴えようとしたのか。

感想・レビュー・書評

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  • この3巻では日本が独立を果たした1952年前後の拝謁記録となる。話題は主に独立記念式典(兼日本国憲法公布5周年)での昭和天皇による「お言葉」であり、その内容についての宮内庁と政府側の思惑の違いが非常に面白い。
    また後半では公職追放解除者に対する所見やGHQの後ろ盾を喪って急速に不安定化してゆく吉田政権、またエリザベス2世の戴冠式派遣問題などが話題になる。昭和天皇が岸信介の解除を名指しで批判していたのは興味深い。
    この巻でも一貫して近衛には批判的だが、公家育ちで政事から外れた部分では話が合う部分もあったと僅かながら評価している部分が初めで見受けられた。木戸・廣田・東條には同情的なほか、阿部信行や川島義之などあまり注目されない陸軍軍人にも言及している。
    あとは高松・三笠両弟君への愚痴も健在。とくに高松宮の意見がコロコロ変わる様にはかなり不信感を抱いていたようだ。まぁ一時期は昭和天皇を退位させて高松宮を摂政に明仁親王を即位させるなんて話が公然とあったくらいなので、多少色眼鏡がかかっているのかもしれないが…。

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