マクロ経済学 第3版 (現代経済学入門)

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著者 : 吉川洋
  • 岩波書店 (2009年9月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000266543

作品紹介

経済学の基礎であるマクロ経済学を、ケインズ経済学を中心に新古典派経済学の理論もあわせて学ぶ。マクロ経済学を理解するために必要な、基本的な概念と用語、基礎的な理論、関連した統計を丁寧に説明し、急速に変化する現実経済を読み解く力を身につけることを目標とする、初学者のためのテキスト。

マクロ経済学 第3版 (現代経済学入門)の感想・レビュー・書評

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  • 著者は過去に経済財政諮問会議の民間議員を2度経験し、現在は財政制度等審議会会長を務める。名実ともに日本のマクロ経済学の権威である。本書は簡潔ながら的を射た解説で、背景にある基本的概念や理論、関連する統計を丹念に紹介し、マクロ経済学のエッセンスがよくわかるよう構成されている。初心者の自習にもピッタリのまさに「信頼の一冊」である。一読してわからない箇所があれば、より解説の詳しい中谷巌著『入門マクロ経済学』の該当箇所を精読すれば理解が深まる。

    本書で取り上げられている内容はいろいろあるが、アベノミクスの理解の助けとして読む分にはさしあたって以下のポイントだけおさえておけば十分だろう。理論の上ではアベノミクスは正しいということになるが、実際には、海外生産が増加していたことにより輸出の押し上げ効果(IS曲線の右シフト)が限定的だったことに加えて、円安による輸入物価の増と、原子力長期停止による化石燃料の輸入増加に伴う「悪いインフレ」の進行により(LM曲線が左シフトし)、現時点では国民所得を押し下げる方向に働いている、ということを指摘しておかねばならない。

    【IS/LMモデル】第4章
     IS曲線の式:国民所得=消費+投資(利子率の減少関数)+政府支出+輸出―輸入
     LM曲線の式:貨幣供給(マネーサプライ)/物価=貨幣需要(利子率の減少関数、国民所得の増加関数)

    財市場の均衡を表すIS曲線と、貨幣市場の均衡を表すLM曲線の交点で国民所得と利子率が決まる。
    縦軸に利子率、横軸に国民所得をとれば、利子率が上がると投資が減り(投資するより資産運用した方がトクだから)、国民所得が減るのでIS曲線は右下がりになる。一方で貨幣需要は減り、その分国民所得が増える(貨幣の供給と需要を釣り合わせるため)のでLM曲線は右上がりになる。

    【フィッシャー方程式】p.181
     実質利子率=名目利子率―期待インフレ率
    つまり、アベノミクスによってインフレ期待が高まれば、理論上実質金利が下がる

    【マンデル=フレミング・モデル】pp.144-156
     円の為替レート(※)=外国の為替レート+パラメータ×(外国の実質利子率―日本の実質利子率―リスクプレミアム)
     ※ここで円の為替レートは低くなるほど円高になることに注意

    つまり外国の実質金利高は円安要因、日本の実質金利高は円高要因、外国債に対するリスクプレミアムの上昇は円高要因である。アベノミクスで日本の実質金利が下がれば、為替レートが下がって円安になる。
     
    また、 変動為替相場制のもとでは、財政政策は効かず、金融政策のみ効く。なぜならば、
     
    ・財政出動→政府支出の増によりIS曲線が右シフト→国民所得と利子率増→利子率の増により運用益を狙って外国から資金流入→自国通貨高→輸出が伸び悩む→IS曲線左シフト→国民所得減(失敗)
    ・金融緩和→資金供給の増と利子率の減により国民所得増→LM曲線右シフト→国内から資金流出→自国通貨安→輸出に有利→IS曲線左シフト→国民所得増(成功)

  • こんなに分かりやすいマクロ経済学の入門書はないと思う。良書。

  • まぁマクロの知識をざっとみにつけたい人向け

  • 基礎はおさえたひと用。
    構成が横断的な分最初すこし把握しにくかった。

  • 第2版より見やすくなっていたような。
    やはり何度も読み直さないと理解は進まなそう。

  • わかりやすい(そんなに難しい内容ではないから)。

    あと強烈なケインジアン笑 悪いことではない

  • 初級マクロ経済学の講義で指定のテキストとなっていた一冊。実際に内容はコンパクトにまとめられていて、説明も丁寧でわかりやすい。例も海外の学者ではなく日本人の著者が記した本なだけあって日本経済を例題に取り扱っているから非常にわかりやすい。
    ただ無味乾燥な「教科書」なので学部生以外にはおすすめとは言えない。

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